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Toru Omae 欧米ミステリを中心に読んでいます… |
邦訳が出るたびに手にとっているドイツのミステリシリーズ。毎回書いてるんだけどこのエピソードが好きで...ソーセージ職人と結婚した作者が夫の店を手伝う傍ら趣味で書いて店頭に置いていたものが出版社の目に止まっていまでは大人気シリーズになっているという警察小説。大都市フランクフルトの近郊の街を舞台にもともとその辺りの領主を先祖に持つ貴族階級出身の男性警官とそのパートナーの女性警官を中心としたシリーズ。思えば最初の頃はドイツ人で固められていた警察も気がついたらトルコ系やシリア人の刑事がいるのはどこまで現状を反映しているのだろうか...。さて、本作ではキャンプ場でトレーラーハウスが爆発し男の死体が発見される。そのトレーラーハウスが男性警官の知り合いの母親の所有でその母親も殺されて、爆発を目撃していたと思われる青年も男性警官の知り合いの息子で...といった具合で周囲の人間が次々と不審死やら不審な行動をとって、という話。あることがきっかけで村の秘密が暴かれて...みたいなのってミステリでは割とよくあるシチュエーションかと思うのだけどそこは手練の作者、かなり面白く読ませてくれます。登場人物がかなり多くあまり馴染みのないドイツ人の名前がたくさん、というものでも平気、という人にならお薦めできる作品でした。