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サステナブルが求められる世界において、日本の伝統的な美意識や価値観、文化や技術が極めて有効に活用出来る。そのことは、明治時代にかの小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが喝破していたと言う。そうなのか。何度か彼の記述が出てくるが、改めて禅、侘び寂び、幽玄、雅、間合い、など簡素な美を宿す日本文化を学び直す必要があるように思って、大変興味を引いた。著者がいうように、少し前のデザインは、色や形を作れる(可視化のプロセス)一部の人のもの(狭義のデザイン)だったが、今はその認識が少しずつ変わり、特別な職能ではなく、どんな人もデザインマインドとスキルを手にすることが出来ると言う。その一方で、デザイナーは、狭義のデザインではなく、企画や経営、環境面をも見越したプロデューサー型のデザイナーになるべきとの厳しい意見も。本当に実力が問われる時代になったものだ。自分へデザイナーには到底なれないけれど、彼らと仕事が出来るレベルにはいたいと思う。
ただ、著者が言うように、今の日本の問題、教育や国際競争力の低下、地方衰退の原因を全てデザインマインドがないせいだ、とは思わない。そんな簡単な問題ではないはずだ。
事例がちょっと古いなとおもったら2014年刊行。なるほど。それにしても、最後事例紹介で終わってしまうのはどうなのか。最後のまとめ的な章がほしい。1番伝えたいメッセージが伝わらない。あと、事例の説明もイマイチ分かりづらい。。。はい、辛口ですいません!!
2021.01.04