Btn appstore Btn googleplay
5191jpxaoel

母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であった... 続き

コメント

一番好きな本だ。読んだ後手に乗った本の軽さにため息がでる。けして分厚い本ではない。それほど無駄がなく端的で重たい。圧巻‼️

このムルソーという主人公に比べたら、世の人はどんなに沢山の嘘を吐いて生きていることだろう。
言葉はいつも矛盾や嘘を孕んでいるし、そもそも人間の思考は不可解で当人すらその全てを理解しているとは言い難い。
その時の状況や感情を、後で他人に理解しやすいよう説明するとなると、必ずそこには合理化のための嘘や誇張が混じってしまう。特に裁判という場では、誰もが護身のために当たり前に嘘を吐いている。
それが自然であるあまり、自分自身に嘘を吐いていることすら気付けない人間だっている。だから逆に、これほどまでに正直な人間のことを、言葉だけで理解するのは難しくなってしまう。
ムルソーには、隣人に対する哀れみや、友人の厄介ごとに付き合う優しさや、恋人を想う気持ちだってある。それでも、彼は正直過ぎて曖昧な言葉を一切使うことができないため、恋人にも愛していると言うことすらできないのだ。だから神様という一番曖昧なくせに権威のある単語を肯定することもできるはずがない。
この性格が災いし、その上母親の葬式での出来事を悪い方向に受け取られ、大きな誤解を受けたまま、この男は死刑になる。
そして、死刑すらもムルソーは当然の事として受け入れてしまう。その姿勢はある意味、殉教者に近く、それが神という存在を拒絶した人間であるというのが何とも皮肉だ。

多くの人に誤解されているが、この小説が不条理と言われるのは「太陽が眩しくて人を殺した」からではない。そこを勘違いしている人はきちんと読み直した方がいいと思う。

太陽がまぶしかったせいだ、というのは国文科にいた時に流行った言葉。何かと太陽のせいにした。そういう忘れられない一行を残す小説はやはり名作だと思う。

ムルソーがどんな人か理解しようとして理解できる人ではない。しかし魅力的な人物。太陽、真夏。
彼はなにものにも縛られず生きていく様が気持ちよく破滅的だと感じた。
彼の行く末は絶望と思いきや、本人は幸福と考える。幸福とは。何人にも祝福される死が絶望か。受け入れられることが幸せか。彼は真実を曲げないことが幸せかだったということか?
もう一度読み返す価値あり。

「太陽が眩しかった」から人を殺すことが不条理なのか、正直な青年を死刑に処する社会が不条理なのか。

誰にとっての異邦人なのだろう。

最初の異邦人としてのアラビア人か。
では御用司祭は…
はたまたレエモンをまで…

視点を変えれば主人公が。

誰も彼もが、皆が皆にとっての異邦人であり、何とも言い難い、人としての苦悩を描く。

名作。

ムルソーは確かに冷めたところがあるが、正直で、ある意味誠実でさえある。それなのに、いやそれだからこそ。

真夏の陽射しのなか葬儀場へ向かう主人公が言っていた。
「ミルクコーヒーを飲んだ。大変うまかった。」
何故だかそれが忘れられない。

高校時代にトライして断念した名作に再トライ。

三行で述べるなら

・ムルソーは厨二病(現代日本の解釈なら)
・ダウナー系主人公ラノベのご先祖様
・ムルソー的価値観は、現代の日本人には割とすんなり理解されそう

というところ。

この作品が、衝撃を持って迎えられたというのは、やはり時代もあったのでは?と思う。

父の葬儀の翌日、母を連れ立ってドライブに行き、美味いメシとショッピングを楽しんだ僕は、母を亡くした翌日海水浴に行き、女と関係してしまうムルソーを少し自分にダブらせて読んだ。

「異邦人」について考える。あのアレキシサイミックな性格ゆえの不条理なのか、、

母親の葬儀で涙を流さない人間は、すべてこの社会で死刑を宣告されるおそれがある、という意味は、お芝居をしないと、彼が暮らす社会では、異邦人として扱われるよりほかはないということ

なるほど。

P118 死ぬときのことを、いつとか、いかにしてとかいうのは、意味がない。

昔読みました。

あらすじだけがさまよい歩き、不条理小説として有名な本小説。実際に読んでみると不条理なのはムルソーなのか世の中なのかという気分になった。
あらすじでは論理的一貫性が失われていると書かれているムルソーだが、彼には彼なりの論理があると思う。ただその論理がいわゆる「普通」とは違うだけであって。だから本小説は、当たり前を押し付けるというか当たり前でしか世界を見られない人たちの中で、当たり前から外れている人が生きるということがどれほど難しいかについて書かれたものだと感じた。

授業で原文を読む機会があったが、言語実験的にも非常に面白い小説だった。
チラホラこの訳はちょっと違うんじゃないかなあというのもあった。

実存主義好きとしては、読まなければならないのに放置していたカミュ。
ようやく今回手に取ったが、歳を重ねたこともあって、実存主義よりむしろカミュの立場に惹かれてしまう今日この頃。

作品の内容としては、母親を亡くしたばかりの青年がふとしたケンカに巻き込まれ、殺人を犯してしまう。
この裁判で母親の葬式で悲しまなかったことを責められ、死刑に処せられてしまう。
まあ、不条理な話。

処女作ということもあって、パワー炸裂。
この何とも言えない感情を文学だからこそできる表現をしていると思う。

そして、すごい現代の日本に通じる内容。
多数派でないと、まるで異邦人に対しての異端審問が行われるように炎上する昨今において深く共感する部分がある。

2020/05/18 読了

正直すぎた男の話。彼の言動は一見、訳が分からず異常に見えるが、私たちの言動の中でもなぜそれをしたのか説明できないことは沢山あるはずだ。それでも私たちは理由がないと不安になってしまうから無理やり理由付けしてしまう。あるいは状況を自分のいい方に運ぶためにウソをつく。正直でありたいと言いながら自分の都合の悪い事はウソをつく。そういう人をあざ笑いながら主人公は幸福に死んでいくのだろう。


太陽のせい

私が一番好きな本です。

共感できる部分と出来ない部分がある。
中には完全に共感できる人もいるだろうが、だからと言って変人というわけではない。
人間がたった1つの考えしかないのではなく、人間の数だけ多様な考えがある。

読者

2b3b3806 912c 4d0b 91ac 9bd9d7b9a62bB9d63c5e 6d78 4ace b8d0 42d089dfc3f4C17e5ddf fd7c 4655 a028 d401a2587f8892a74c15 b62c 414d 8546 6351ea43f7f53b68ed61 0d6d 4318 af02 25f76ee011bf80ae055b 3ccd 4af0 9131 9cb8eea8da19Icon user placeholderC1243901 d6eb 4606 9351 ea9d9d21c2c4 147人

カミュの本

徹底図解東海道五十三次

徹底図解東海道五十三次

Bf7b6cac ec2c 42a1 8c3d e94159cf5c97

nebe

本好き

江戸時代にタイムスリップして、東海道の約500kmの旅行を楽しんだ気になれる。 日本橋から京までの五十三次の旅路。 歌川広重の浮世絵と、わかりやすいカラー図解で当時の宿場町の事情と風情を感じながら、一宿場ごとに知識を重ねながら京に向かって読み進めていく充実感がたまんない! 弥次さん喜多さんの旅路の解説と並行しながら読めるのも楽しい。 これはいつか自分の足で確かめねば!

約1か月前

転落・追放と王国

転落・追放と王国

B28d8472 e447 4a77 ba3d b9897eb56eca

あなご

教育と心理の仕事。1987生

中村文則が課題図書として挙げていたので読んだ。『転落』は、こんなこと書かなくても…という読み難い告白小説。『追放と王国』は短編集、「不貞者」と「ヨナ」が気に入った。特に「ヨナ」は売れるほどに世間から注目され多忙を極め作品を産む時間がなくなり破滅する芸術家の姿が描かれており、強く惹きつけられぐいぐい読んだ。

3年前

幸福な死

幸福な死

A52704c1 a9b7 4d1a a0b2 5588f7def6a8

0

名言がたくさん。 「お金を持つということは、 その人をお金から解放すること」 「幸福には様々な条件がある、と 思い込むことが間違い」 「大切なことは幸福への意思であり、 いつも現存している或る種の巨大な意識」 「長い間幸せでいることはできない。 一瞬、それがすべて」 「それだから死が何かの妨げになることはない」

約4年前

693f3def c09b 44c5 a99c cc17f46010044b01ad38 63a6 41b5 bf13 9f73e04537aa9d58de1b b527 49fe 9838 e24d6f5ecdbf