文芸

ポースケ

ポースケ 津村記久子

誰しも心の中に靄がかかったような灰色の部分がある。それを完全ではないけど、どうにか払拭しながら日々暮らしている。 カフェ「ハタナカ」という場所、店主ヨシカが、癒してくれるというわけではない。いつも同じように迎えて、食事を出して、送り出してくれる。いつも同じが、嬉しい。 旅行で訪れた町の商店街のアーケードを歩いていて、ふと見上げた先に「ハタナカ」を見つけれそうな、親近感わく物語です。

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ハッピーデイズ

ハッピーデイズ ローラン・グラフ

老人養護施設<ハッピーデイズ>で暮らすアントワーヌ、35歳。職員ではなく入居者として暮らす彼は、墓地と墓石を購入済み、墓碑銘を作ることが趣味。 淡々と<ハッピーデイズ>での日々が綴られる前半と、末期がん患者ミレイユとの出逢、彼女の死に至るまで見届けようと決め「命が消失することの何たるかを理解」しようとする後半、それと少しのその後から物語は成ります。老人養護施設に入居することを、最初は正気でないと所長に思われていることなどをみてもパラレルワールドやSFを描いているわけではありません。 施設名について「日々是好日」と当てたくなる、と訳者あとがきでもあるように、原著者は仏教にも造形が深いそうです。現実を憂うのではなく観達、憂いを解放するかのような読後感です。 ただ個人的には、物語中に出てくる老人たちの、個性的でかわいい様子が好きです。いつ往生してもおかしくないミレイユが、アントワーヌとの逃避行中ベンチで牡蠣を食べる描写も。

物語の生まれる場所

物語の生まれる場所 大宮エリー

2018年10冊目。絵はそんなにないけど、絵本をめくる感覚。本屋さんで一目惚れして、だいすきなお友達に贈るのと、自分用、2冊連れて帰ってきた。良い判断でした。/201801

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風の陣 ()

風の陣 () 高橋克彦

2018/02/19 読了 続いて読んでしまった。こちらは本棚から出してきたPHP版。今回は『恵美押勝の乱』。道鏡の力が徐々に増していくのが不気味ですね。次巻は『宇佐八幡宮神託事件』かな? 天鈴と嶋足の活躍が楽しみです。

鼻

鼻 ニコライ・ゴーゴリ

パンを食べようとしたら鼻が入っていたり、 ある朝突然鼻が無くなっていたり、 その鼻が変装して街を徘徊していたり。 最初の印象としてはなんとも奇妙で滑稽な話。 けれど、不思議と本からぬけだせなくなる。 なんで鼻なのか…と深読みすることも忘れて、私は純粋に、笑劇作として衝撃でした。 ついつい、社会風刺や何かのメタファーとして想像したくなってしまうんだけど、それはいつかの楽しみにとっておきます。 ゴーゴリは、この作品の発表を長らく渋っていたらしいけど、何か気持ち分かりますよね。笑

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君に太陽を

君に太陽を ジャンディ・ネルソン

素晴らしかった‥登場人物同士の引力がすさまじかった。あーいいもの読んだ。 私みたいな普通の人は、アートに触れるとき「アートをこれから見るぞ」という変な気負いと言うかフィルターを用意してしまうのだけれど、芸術家たちはフィルターなしに生身でアートと接していて、それが生み出す熱量と脆さとを文章の隅々から感じた。比喩が弾けていて、なんというか、「のだめカンタービレののだめのピアノを文章にしたらきっとこんななんだろうな」という変な想像をした。 『サラバ』に通じるものあるなぁ。姉弟ものだし、最終的に解決すべきことはシンプルなんだって気づいて大逆転する感じとか(アドラー心理学的な)。

スペードの3

スペードの3 朝井リョウ

3人の女性の見栄と羨望と嫉妬の話…かな?朝井リョウ、男のくせに女心が分かるのか、女臭がプンプン臭ってきそうです。

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阿弥陀堂だより

阿弥陀堂だより 南木佳士

人に本を勧めるのは、非常に難しい行為だ。だから、お勧めの本を尋ねられると「合わなければ無理して読む必要はない」などと一言付け加て紹介することになる。そんな私が、是非読んでみてと言いたくなるような本に出会った。主題、ストーリー、人物、背景、これらが全て破綻なく一つの世界を作りあげていると、この小説は思わせてくれるからだ。この中の、誰かが欠けても、何かが置き換えられてもならない。無駄な言葉もない。ああ、小説ってこういうのを指すんだなぁ。

ゴースト

ゴースト 中島京子

「世にも不思議な。。」と言う方が近い感じがします。ゴーストと人間の境界線が緩い。

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