科学

物理2600年の歴史を変えた51のスケッチ

物理2600年の歴史を変えた51のスケッチ ドン・S・レモンズ

美しいスケッチはなべて法則性を持つ、という仮説をもってきた。そこにうってつけの書籍がありました。文系の自分、理解が及ぶのはガリレオの時代までかーと近現代物理を読み進めるも「近現代物理スケッチで表現するの難しい」だそうです。解説には物理学者は紙ナプキンに数式やスケッチを書く、というのは紙ナプキンを探してはメモ取ってる自分にも共通点があるのでもう俺も物理の学徒ってことでいいでしょ?

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史 スティーブン・ジョンソン

歴史上誰よりも科学で人を救ったのは? 昔、塩素消毒が当たり前じゃなかった時代、少なくない子どもは成人になる前に死んでいました。アメリカのジョン・レアルという医師が水道会社に就職して、極秘裏に誰の許可も得ず、次亜塩素酸カルシウムを低い濃度で流しました。低濃度の塩素は腸チフスやコレラといった水媒介性疾患を死滅させるので、彼の行動によって幼児死亡率は74%も低下したと言われています。後に彼の行動は裁判になりましたが、完全勝訴で世界中にこの方法が広まっています。 科学が歴史にどのような影響を及ぼしたのか?多くの事例を挙げながら、世界がなぜ今、この形になっているのかを示している実に興味深い本です。久しぶりに本を読んで興奮しました。デラべっぴん以来です。

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せつない動物図鑑

せつない動物図鑑 ブルック・バーカー

「せつない」という切り口で動物の生態を見てみると、別の世界が広がる気がします。だって、キリンは生まれる時に2メートルも落下してるんですよ⁉ 大人のキリンを見たら、よくこんなに大きくなったねーと声をかけてあげたくなっちゃう。

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動物になって生きてみた

動物になって生きてみた チャールズ・フォスター

キツネになろうと道端で寝ていたら、警官に起こされて「ちゃんとしてください」と自宅に帰されたそうだ。 ヒトの生活から離れ、街にやってくるキツネとしてゴミ箱を漁り、ヒトの暮らしを観察した著者。それでわかったのは、ヒトは、同じようなものを食べ、同じようなテレビ番組を観て過ごしているが、野生のキツネはまったく違うということ。あらゆるものを食べ、様々な臭いを嗅ぎ、だから個体によって観ているものも様々なのだ。 こういったことは、ヒトが、いろいろな感覚や能力を失った種だということを示唆している。ヒトも動物の一種にすぎないというのに。 目があっても見えず、鼻があっても嗅げず、手があっても感じない。都会に住むヒトはそんな有様だ。 そして、ヒトはキツネや鳥ほどのスピードで動けない。自力で飛びたいのなら、鳥の習慣を身につける必要があるのだ。 己を知れ。ヒトは、地球に住む生物種として、できることをわきまえるべきだ。そのためには、隣に住む他種をよく知る必要があるのだ。

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森で過ごして学んだ101のこと

森で過ごして学んだ101のこと 本山賢司

屋外での野営方法、動植物の観察、ナイフやブリキのバケツを使って著者が作った焚き火台などの野営用の道具についてなど自然、アウトドアの話、情報がぎっしり詰まっている本。この本の著者本山さんのことはこの本を読んではじめて知りましたが、アウトドアの達人、いや、自然の中に潜りこむのが無茶苦茶上手い方だなと。アケビやヤマブドウのツルを使って作る天然ロープ、ガスストーブで作る焚き火料理など次から次と出てくる野営の話題や世界。そそられたり、時々ヒリヒリする文章。読んでいてこういうの、いいよなと。気持ちが野営、自然に向かっていきそうな、読み心地のよい本です。

おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史

おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史 盛口満

学校で生物学を教えている方が書かれた貝の本。本の内容は少しややこしいのですが、編集者との会話がきっかけでかつて貝を集めていた自分に気づいたこと、貝を拾うことの意味や過去に自分が集めていた貝についての考察、貝の頑丈な性質のおかげで分かることや、ハマグリの生息地域を探して三重県の桑名や九州の有明海などに行き調査する…など、貝の観察、考察、探究が本の中に詰まっています。ラストで著者が教え子たちと貝拾いをした最近に「将来子どもに拾った貝を見せて欲しい」と伝えたのは、なぜか。貝の研究本であり貝をめぐる紀行文でもある本です。

量子力学で生命の謎を解く 量子生物学への招待

量子力学で生命の謎を解く 量子生物学への招待 ジム・アル-カリーリ

光子の二重スリット実験や量子もつれなど、量子力学は我々の目に見える古典物理学の世界とは違う奇妙な量子の振る舞いを解き明かすものだが、どうも生命も量子力学の視点から見ることが必要らしい。それを明らかにするのが量子生物学で、この本はそれを平易にまとめたもの。たしかに極微小な分子原子の世界ともなれば、そこで働くのは古典物理学ではなくて量子力学の法則ということはその通りなように思われる。というより、量子の不思議な振る舞いのように、普通に見れば突拍子もないことでもなけりゃ説明できないのが生命という変な現象ではないかという気になる。 生命の起源が量子生物学で解き明かされるかどうか、そしてその知識を活用して生命を人工的に作り出すことができるのかどうかはまだまだ未知数ではあろうし、生命がいかにして量子のコヒーレント状態(量子の状態が重ね合わせにある状態のこと、ってよく分かりませんが)を長時間保てるのかなどハードルの高い謎は数多く残されているが、生命の謎に最も近いている研究分野なのではないだろうか。 身近な例を引きながら核心に迫る語り口も、科学読み物としてとてもよくできていてよい本だった。

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鏡映反転――紀元前からの難問を解く

鏡映反転――紀元前からの難問を解く 高野陽太郎

「何故、鏡に映ると反転するのか?」この単純な疑問が過去から現代に至るまで長らく論争を繰り広げており、かつ現時点でもその明確な答えが出ていないことに関して驚きを隠せなかった。しかし、この単純な問題が何故現代に至るまで解かれていないのか、この本を読み進めていくことによってこの問題の奥深さを知ることが出来た。この本の筆者が行きついた答えは、鏡映反転というものは三種類の反転の組み合わせの違いによってもたらされるものであるというかなり斬新なものであった。でも、確かに文字の反転と身体の反転は同じようで違う。そして、最初は疑いの念が強かったこの説も本を読み進めていく上でその通りかもしれないと感じるようになっていった。何より面白かったのはこの現象が物理的現象ではなく心理的現象(認知心理学)によってもたらされるという点であった。確かに文字の反転とかは自分の頭の中に思い浮かべた文字との違いから反転を認識している(表象反転)。内容は中々難しく、一回読んだだけでは理解できてない部分は多々あるが、それでも心理的現象にもたらされる現象ではないかという考え方を享受出来た点において、中々価値のある内容だったのではないかと感じている。

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