文庫

本を読む女

本を読む女 林真理子

林真理子は女子校、女学校が好きだと思う。今回も和洋が出てきていたけど、今も実在する女子校が出てきたりするところが好き。 大陸への憧れの描写も好き。戦前は大陸で新しい生活を始めることも出来たのか、って歴史の授業で満州国作ったりなんて事実を文字でだけ知ってたけどその当時の人々の実際の生活なんて考えたこともなかったからロマンを感じる。 主人公を通して見える当時の生活感が面白い。 あと、章の題名が全部本の名前になってるのも好き。万葉集なんて、どうして万葉集がタイトルなのか、読んでみるとなんて素敵なセンスなの、と思う。

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伊藤計劃記録 II

伊藤計劃記録 II 伊藤計劃

クリストファー・ノーランを絶賛しているあたり、ジョーカーの純粋な悪としての立ち位置の件が興味そそる。この人は勿体ない人だ。精錬された語彙力。語り口から伝わる人物像はほんとに惜しい人をなくしたと感じざるを得ません。

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ノルウェイの森 下

ノルウェイの森 下 村上春樹

こんなにもセックスを哀しくてあたたかいものとして描かれた小説を他に知らない。 今私は生きている。 生きなきゃ。

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八木重吉全詩集〈1〉

八木重吉全詩集〈1〉 八木重吉

p89 なんといふわからぬやつらだらう にんげんはそんな家はいらないんだ、 そんなてかてかとむやみにおほきい 歯のうくような住宅なんかよせばいいのに、 この世の中から活動写真と芝居と写真道楽と別荘をなくしてしまへ、 人間のすむ家は、 だれもかれも二十円ぐらいの家賃のものにするがいい、 そして野と山を荒らしてはいけない 野と山がこれ以上狭まってゆくなら 日本はいきがひのない国になってしまう、 みんないちばんいいものを探そうそしてねうちのないものにあくせくしない工夫をしよう、 人間一人の生命のためにも 人間すべての生きがひのためにも なくてよいものをあへぎもとめるのは なんといふおほかしいことであらうか 貧しきものの歌

虹の岬の喫茶店

虹の岬の喫茶店 森沢明夫

温かい気持ち 切ない気持ち 一話一話読むごとにこちらも一緒に空気感を味わっていた 悦子さんに会ってみたいと思ってしまう

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人間の土地

人間の土地 サン=テグジュペリ

宮崎駿が空のいけにえというタイトルでコメントを付している 多くの若者たちが空中の兵士となる事に憧れ、パイロットに志願した。 空を自由に飛びたいという願望は、空を自在に高速で飛び回る自由に変わり、速力と破壊力が若者の攻撃衝動をかきたてたのだ。 実は、速度こそが20世紀をかりたてた麻薬だった。速度は善であり、進歩でありがたい優越でありがたいすべての物差しとなったのだ。 ★飛行士と王子さま 大人と子ども ファストとスロー ●スピードとピストル ★スピードと原発 英仏米独伊の各国で、いっせいに郵便飛行の事業が国家の支援の下に始められた。間大戦期に、フランスの航空郵便航路の開拓と維持のため、百名以上の死者を出している。 ★原発の平和利用と核兵器製造の材料補給 ★風景は、人が見れば見るほど磨耗する 間大戦期のデカダンスの中に、地上の雑事への軽蔑と憬れをかくしつつ、若者たちは砂漠へ、雪をいただく山々へと出かけていった。サン=テグジュペリが存在しなかったら、おそらくこの若者たちの物語はとうに忘れられていたにちがいない。 →物語ることが供養になること 内田樹 ◎郵便飛行-紙ヒコーキ-手紙-メール イメージの雲 サン=テグジュペリの遺言「世界は蟻の塚だ」ほとんど自殺同然に地中海上で消えていった 今日、空には線がいっぱいに引かれている → 坂口恭平 政治は、地球上に線、ライン、LINEを引きたがるのだ 地上の役人に管理されながら飛ぶのが、僕たちの空になってしまった。 サン=テグジュペリは管理から逃れ自由へと飛んで姿をくらました。自由な星の王子さまとして生まれ変わり生きているのかもしれない。

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文庫版 姑獲鳥の夏

文庫版 姑獲鳥の夏 京極夏彦

つかめるようでつかめない世界観でした。でも、最後の結末が素晴らしかったですね。 主人公が1回喋るだけで情報が大量に流出して 読むのが大変でした。 途中長いですけど、読み始めたら最後まで読まないと気がすまなくなります。

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私が殺した少女

私が殺した少女 原りょう

沢崎シリーズの2冊目。なんでもない描写がいちいち格好つけていて、しかも格好いいです。 ハードボイルドなのに、最後には名探偵のような推理力で事件解決までしてしまう辺りは、多少好みが分かれるかもしれません。

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伊藤くんA to E

伊藤くんA to E 柚木麻子

ここ何年かずっと、主にノンフィクションばかり読んでたのだけど、この作品がまた、優れたフィクションはリアルを超えるリアリティを持っていることを思い出させてくれた。

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ノルウェイの森 上

ノルウェイの森 上 村上春樹

誰でも持っている人格的な歪みを 受け入れることができるか、できないか。 内面の弱さと向き合う人たちが描かれているのだと考えました。 ワタナベにも緑にも直美にもキズキにも、突撃隊にも、共感できる部分がありました。 それぞれの登場人物に弱さや不安定さ(歪み)はあるけど、そこが可愛いところであり、美点なんだと思えます。 現実には、自分の歪みを受け入れてくれる人が少なからずいると思います。 そういう人を、いつまでも大事にしたいですね。

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贖罪の街(上)

贖罪の街(上) マイクル・コナリー

邦訳が出ると必ず買っていた作者のハリー・ボッシュ・シリーズ。いつの頃からかマンネリというかちょっとこれはおかしいのでは、と思って...どうも主人公が振り切れ過ぎというか明らかにやりすぎになってしまっていてリアリティに欠けてしまい、残念に思いつつ惰性で新作が出ると手には取るという状態。大丈夫かな、と思いつつ手にとってみました。前作でコンプライアンス違反により定年後も雇用延長されていた刑事の職を追われ、復帰を求めてロス市警を訴えている。この訴訟に携わっている異母弟の弁護士から別の事件での調査協力を求められる。容疑者側への転身に躊躇しつつも事件追求の本能に逆らえず調査にのめり込む主人公。動いていくにつれて悪徳計画の姿がちらついて...という話。警官ではないという制約からか最近の作品で鼻についていたやりすぎ感が薄まっており、事件に食らいついたら離さない主人公が戻ってきたという印象を受けた。近年の作品の中ではかなり良かったと思う。

父と暮せば

父と暮せば 井上ひさし

あの二個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりでなく、人間の存在全体に落とされたものだと考えるからである。あのとき被爆者たちは、核の存在から逃れることのできない二十世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。

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カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ

カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ 中島義道

p15 人生において自分の欲するものを獲得するためには、たとえそれが正当なものであっても、膨大な犠牲を必要とする。 p27 「たったこのまえ生まれてきて、たちまち死んでしまうこのぼくという存在は何なのか」という問いを求め続けること、これが最高の生きる目的なんだよ。答えが与えられなくとも、答えを求め続けることそのことに価値がある。

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櫻子さんの足下には死体が埋まっている

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 太田紫織

昔 ドラマで見たので読んでみましたが 話が違うものみたいでした 正太郎の年齢とかキャラ設定が違うからでしょうか とはいえ なかなか面白かったです 櫻子さんの賢さ、美貌、スタイルの良さ 全てにおいて羨ましい 性格にちょっと難ありですが… 櫻子さんの行くところ 死体あり骨ありですね

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慟哭

慟哭 貫井徳郎

この本を読み終わった時本当に慟哭しそうでした。 言葉では言い表せないほどの哀しみが最後に襲ってきます。まさにタイトル通りです。 まだ読んでない人は絶対に作家さんのレトリックに 翻弄されるでしょう。

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