中央公論新社の本

幕末明治人物誌

幕末明治人物誌 橋川文三

吉田松陰・坂本龍馬・後藤象二郎・頭山満など十一人の人物伝。最初はいまひとつ読みどころがつかめなかったが、徳富蘆花を扱った章で、そうかこれは明治思想史なのだと気がついた。蘆花の「悲惨な初々しさ」。蘆花が共感していた乃木希典の自殺に潜んでいる国家論。『西郷隆盛の反動性と革命性』では、西南戦争に際して民権派の青年達がルソーの思想の元に西郷軍に身を投じたという、今の感覚からすると理解しづらい事実の解釈が行われている。

嘆きのサイレン 上-クラッシュ・ブレイズコミック・バージョン

嘆きのサイレン 上-クラッシュ・ブレイズコミック・バージョン 鈴木理華

新装版だったので思わず買ってしまったけれど… クレッシュ・ブレイズの方は手を出していないので、実はお話自体初読。 ダイアナは別シリーズで読んでいて、とても魅力的な子だったけど、やーこっちのお話ではさらに魅力的。 ルゥの登場は嬉しくもあり、寂しいお話への扉であり。

戦国武将

戦国武将 小和田哲男

いかにかっこよく死ぬかが評価のバロメーター、そんな価値観は戦後の日本人にはとても無理です。

もののふ莫迦

もののふ莫迦 中路啓太

この世のある時代に、忽然と現れる魅力的な人。それは、時代に名を残す英雄であるといっていいだろう。加えて愛すべき漢というのは、時とともに露と消えていくのだろう。 ただ真っ直ぐに進んでゆく姿を、粂吉という情けない常人の立場から描いている。「ついていきたい」けれど「怖い」と怯える姿は、読者だ。 大地のような姫に心惹かれる越後守が、愛おしい。 愛して戦って、思いのほかよい人生だったのではあるまいかと、悲しい結末の中ですら思わせてくれる、そんな漢だった。それを人は「莫迦」と言い、慈しむ。

情報爆発-初期近代ヨーロッパの情報管理術

情報爆発-初期近代ヨーロッパの情報管理術 アン・ブレア

訳者解題によれば、邦題の『情報爆発』やそれに類する用語はOEDでは20世紀に初出らしく、Too much to knowという原著タイトルはまさにこの時期、特にインターネット以降を意味するもののように思われるけれども、すでに写本や揺籃期本の時代からそう言う声があった。特に印刷術は大きな革命だった。技術としてだけではなくて、商品としての特性も変えてしまった。受注に応じて作られる写本とは異なり、コストを掛けて刷ったら売らなきゃ元が取れないわけで、それがまた書籍数の爆発の原因となる。もちろんすでに人間一人の手に負えないほどの本、というか情報がある。ではそれをどうやって整理していくか。 一つには本そのものの整理、たとえば目次や索引、ノンブル(ページ番号)などだ。どこに何が書いてあるのか、いま読んでるのは本のどのあたりなのかがわかるようになる。もう一つには、あちこちの本から抜き出してまとめられた情報の抜粋、いわゆるアンソロジー。精読とは違う拾い読みや、たとえば神父の説教用の題材やらをまとめた詞華集やレファレンス書として世に膾炙するのだけれど、文学的、書誌学的には軽視されてきた。 そうした営為にスポットを当てて現代に通じる情報管理の歴史を紐解いたのが本書。ガチな学術書ではあるけど非常に面白かった。

科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15))

科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15)) 宮崎市定

この一冊に、県試から殿試まで、科挙の全体が書かれている。 答案はどのような書式で書くのか、試験官をどのように各地に派遣するのか、採点はどのようにして行っているのか、会場ではどのように試験が運用されているのか等々、科挙の様子がかなり詳細に書かれており、とても面白かった。

恋づくし - 宇野千代伝

恋づくし - 宇野千代伝 工藤美代子

尾崎士郎、梶井基次郎、東郷青児、萩原朔太郎…数多の男たちと恋した女流作家・宇野千代。艶やかなる官能の日々をたどる。『婦人公論』連載で話題騒然のフィクション「恋して、生きてー小説・宇野千代」が待望の単行本化!

嘆きのサイレン 下-クラッシュ・ブレイズコミック・バージョン

嘆きのサイレン 下-クラッシュ・ブレイズコミック・バージョン 鈴木理華

上巻最後に付けられたあだ名が、すごく効いてる(笑)女王のマジギレにめちゃめちゃ効いてる。あと、シェラのお料理シーンがステキ。リィが薪を担いで登場も好き。 ダイアナの「さよならサイレン」のセリフの次ページ、ぎゅっと胸を掴まれる。アンコールの風景全部も。かつて私が最初に出会ったリィとシェラにも。最後のアンコールは私にとっても素晴らしいアンコールでした。

トリアングル

トリアングル 俵万智

2018年126冊目。俵万智さんの短歌も、エッセイもたくさん読んだけど、小説もすてきだなって思いました。