中央公論新社の本

聖者の宇宙

聖者の宇宙 竹下節子

“結局、サン・ジョヴァンニ・ド・ロトンドには一発の爆弾も落とされる事が無かった。パイロットはイギリス人、アメリカ人、ポーランド人、パレスティナ人などがいて、宗教もカトリック、ギリシャ正教、プロテスタント、ユダヤ教等とまちまちである。彼らの多くは戦後サン・ジョヴァンニ・ド・ロトンドまで来て、パードレ・ピオを確認している。”

魔法のハイヒール ジミー チュウ ストーリー

魔法のハイヒール ジミー チュウ ストーリー ローレン・ゴールドステイン・クロウ  

ジミー・チュウの靴はデザインが好きなものもあったので注目していたのだけれど、この本を読むと、ジミー・チュウを履くのはやめようかなと思ってしまう。履くならタマラの靴ではなくて、ジミーさん本人の靴がいいな。ジミー・チュウのショップにある靴はジミーさんの靴ではない。それがちゃんとわかった上で買うか買わないかを消費者は考えて買い物をしなくてはいけないなあと思う。雑誌やネットのファッションの煽りに踊らされずに、まずは自分でブランドについて調べたりしないとと反省。そういう意味で、本当に読んでよかった。

政令指定都市 - 100万都市から都構想へ

政令指定都市 - 100万都市から都構想へ 北村亘

題名通り、政令指定都市という行政区分についての新書。 身近かつ重要、しかも、あまり解説書もなく、大阪都構想などにより近年再考されるべきものになっているため、テーマ設定としては素晴らしい。 内容としても、政令指定都市についての理解が深まり、それこそ公務員を目指す人などにも有効な本だとは思う。 インタビューなどもしており、論文上だけでない実際の在りように迫ろうとしている。 加えて、2013年時点ではあるが、大阪都構想の流れについても面白い。 一方で、新書の割には著者の文章の整理がうまく出来ていないように感じる。 繰り返しの表現や、(特に三章の「権能と組織」の部分など)話が散らかっている印象を受ける。 終章「政令指定都市を超えて」というありがちな章題が示すように、どのように政令指定都市の問題点の解決策も具体性を欠いてしまっている。 テーマ時代が面白かっただけに、そうした点が残念だった。

ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”

ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王” 君塚直隆

ドラマ女王ヴィクトリアをきっかけに購入。本人の日記が残され公開されていることを知らなかった。人物の好き嫌いをはっきり書いているようで本人は公開されることを知っていたのだろうか。政治にも積極的で議会との微妙な関係も興味深い。

マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ

マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ 古内一絵

夜だけ開く秘密のカフェ、「マカンマラン」 今日も迷える人たちの心と胃袋を温かくしてくれるのです。 「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」 − 予想外に心に響いたフレーズ。 そうだ。私は前に進みたい! − 美味しい料理と優しい言葉。 何となく手にとった本だけど、心が満たされた一冊でした。 嬉しいことに続編もあり☺︎

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日本雑記

日本雑記 ブルーノ・タウト

中公クラシックスのなかでは相当読みやすい一冊。 安吾を辿って行き着いたもので、いかなるもんかと身構えていたが、個人的にすごく気に入った。

天皇陵の謎を追う

天皇陵の謎を追う 矢澤高太郎

地元堺の観光ボランティア活動のために古墳の基本的な勉強はしていましたが、分からないことも多く、何か詳しい本を読んでみたいなあと思っていた時にこの本に出会いました。 知らないこともたくさん載っていて、地元ボランティアにとっては百舌鳥古墳群と古市古墳群の部分だけを読んでも充分価値があります。 陵墓参考地や陵墓治定の話など興味深いお話がたくさんありました。 全てが明らかになる日は果たして来るのだろうか。

REVERSE―リバース

REVERSE―リバース 石田衣良

折りしも、ネット犯罪の報道が大々的になされたばかりだが、このような負のイメージによりネットの可能性が摘み取られないことを願う。その功罪を今云々することはおくとして、この『リバース』という作品について、複雑な思いでコメントしたい。 ネット上で、心を通い合わせる恋愛小説、一言で言えばそうなるが、主人公の2人は互いに性別を偽ってメール・チャットを続ける。ところが、互いの存在が大きくなりすぎて、現実の世界で会いたいという欲求を抑えられなくなる。果たして、2人のとった行動は……。 「魂の双子」とか「ソウルメイト」とか、そんな言葉で説明されなくても、人はどこかでかつてなくした片割れの相手を求めていることを実感として納得できる。だから、プラトンのアンドロギュヌスの話にも得心してしまう。 ユング心理学の「アニマ(男性の中の女性)」「アニムス(女性の中の男性)」とかの言葉で説得されなくても、自分の中の異性的な存在は感じている。その上で、年齢とか性別とか社会的地位とかの枠を超えた関係を築き上げられたらどんなに素晴らしいのだろうと夢想してしまう。 あまりにも、リアルでは浮ついた言葉を交わし、表層的な価値観を弄んでいるのでは?

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千の扉

千の扉 柴崎友香

新宿区にある三千戸の都営団地を舞台に、戦後70年の間に様々な人の生活が重なったりすれ違ったりする。その人々の織り成す生活がどれもが愛おしくなる。もちろんそれだけでなくちょっとした時空の歪みが物語に奥行を与えている。 印象的なベランダ越しの新宿副都心の超高層ビル群P139は「ビリジアン」の通天閣越しの生駒山と風景の捉え方が通じるものがある。この場面は70年代中期と思われるがまだまばらなビル群に子供のころ中野の家の窓から見た風景を思い出した。 ウルトラセブンの話P60はフック星人登場の「あなたはだあれ」86年か87年の深夜?に放送されていた泉麻人の番組を録画して死ぬほど見た。交番の辺りに野次馬が写っているのが印象的。と思ったら柴崎さんと泉さんのトークショーがTitleであったらしい!この話でたかな。 「千の扉」では戦争の記憶もそこかしこに色濃く残っているのだけど場所柄ということもあるけど遠い記憶もしくはなかったことにしている被害も加害もそんなに昔の事ではなく今の私たちの生活に繋がっているのだよね。目を背けたくなるけどしっかり記憶せねば。

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完本 麿赤兒自伝 - 憂き世 戯れて候ふ

完本 麿赤兒自伝 - 憂き世 戯れて候ふ 麿赤兒

二十歳の頃の唐十郎との劇的な出会い。魂の赴くままに生きる人同士の化学反応。 ビリビリ痺れるようなエネルギーが伝わってきました。 そういえば、60年代には本の万引きが流行っていたとのこと。色気とフェロモンを出す本が多く出ていた、と麿さん。そういう本を作っていた人たちの恍惚感を想うと、素直に羨ましい。 新しいものを、新しいしかけを、生み出せたらなあ。 麿さんは今日も新しい踊りを踊っている。AIには予測できない踊りを。 突き抜けよう!

建築有情

建築有情 長谷川尭

昭和の懐かしい建築を振り返るエッセイ的なもの。 もっと新しい文庫本もあるが、昭和52年版の文庫本の活字の雰囲気が良くて、あえて購入した。