亜紀書房の本

種まく人

種まく人 若松英輔

かなしみ、悲しみ、哀しみ、愛しみ、 そして、美(かな)しみに昇華する。 志村ふくみ、石牟礼道子、半崎美子にも。

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと 奥野克巳

・反省しない(今を生きているから) ・時間の観念が薄い(でも腕時計は大好き。ファッションとして笑) ・所有欲を捨て等しく分け与える(だから人のものは自分のもの。勝手に使う笑) ・アナキズム以前のアナキズム(森に生きて森に学ぶから、学校はいらない。国家政府への反発というわけではない!) などなど ボルネオ島プナンの人々を知ることで、固定観念を手放して頭をリセットしよう!

Eed2419f 2b1b 46e7 a20a 7a322cb7e9dc3221c9d3 635b 4ff4 b7d7 38140ce9362eAbb8e1fe aa2b 43fc a57f 7c4ac75ca1415cd558ef 0244 4de3 a51a 6bca5de4fd16Icon user placeholderE62f0c3c f8ba 47a7 a44e a1b165318b7fEcc9c7f3 65a4 449d 977a 76162a9b4794 9
生き物を殺して食べる

生き物を殺して食べる ルイーズ・グレイ

筆者は環境ジャーナリストで普段はほぼヴェジタリアンなのだが肉食について、自らの手で殺し処理したものだけを食べる生活を実験的に行ってみようと決意し実行した記録。釣りや狩猟を行い、屠畜場をも訪れて生き物がいかに殺され食肉になるかをも目の当たりにする。そこから得られた結論として、現代の大量生産的な食肉や漁業のあり方に疑問を呈し、より人道的な畜産や漁業へのシフトを提案し、肉や魚を減らした食事への転換を提案する、という内容。特に食肉生産の具体的なやり方やハラルの問題などは非常に興味深かった。現代では動物は電気やガスで気絶させられてから絶命させられるのだけど、ハラルについては祈りが耳に届かないという理由で今でも生きたまま殺すべき、という一派がいたり、西欧では知らない間にハラルを食べさせられている、といったムスリム以外からのクレームもあったりするのだそうだ。全体として非常に興味深いし勉強にもなるし、ご説ごもっとも、という感じではあるのだけど、一方でどうしても金持ちの道楽だろ、という思いや上から目線を感じてしまって感情移入が難しい、という感じもした。意識高い農場でのびのび暮らす豚を世話する女性にいつもいいもの食べられていいね、と言って、自分はこの農場の製品は手が出ないのでスーパマーケットのベーコンしか食べられない、と返されるシーンが描かれているのでそれなりに筆者自身も認識はしているようなのだけどそこは消化不良のまま終わってしまったな、という感じ。

D647ef7e 0603 4e4d 826b eb5c2aa928dfAff73c33 8096 417c a478 a0f8416acd706cb5df69 ceea 4233 aaae 413922b5218cC9516cad 24e3 4d46 8a08 4540cfa892fa0dec1bd4 f928 4f32 9801 fba4b33dfd5837fbd299 3c32 4329 ac74 56df19e6d4fe769c27c6 8f20 47db a039 3bc740019150 20
おれと戦争と音楽と

おれと戦争と音楽と ミッキー・カーチス

この本は、戦後の日本の、大衆音楽史でもある。 戦争も、音楽も、人を熱狂させる。 熱狂が死に繋がることもある。 しかし、音楽には傷ついた心を癒やし、再生する力がある。 戦争にそれはない。 著者を、ただロックな爺さん、と見ていてはいけない。 それにしても、左とん平の名曲、「とん平のヘイ・ユー・ブルース」が、著者のプロデュースだと知って驚いた。

僕たちのインターネット史

僕たちのインターネット史 ばるぼら

インターネットの黎明期から現代に至るまで、僕たちの中の誰かがインターネットをどのように捉えていたのかを軽やかに語ってくれる。 蛇口を捻れば、水が出ることを不思議に思わないように、デジタルネイティブも、またその仕組みに関心を抱くことはないという指摘は、当たり前だけどその通りだと思う。 人々がサイバースペースに夢をみていたこと、生命の原初のスープとしてのインターネットから、細分化されブラックボックスとかしたインターネットの在り方を知ることで、僕たち一人一人が、独自のパースペクティブをもって、歴史に1ページを書き加えることに意味があるのだと語ってくれる。 時化のときも凪のときもある情報の海原を前に さて どこへ行こうかしら ネットは 広大だわ

B8ff77e7 271f 4d71 b807 9f310f4de5eeD647ef7e 0603 4e4d 826b eb5c2aa928df24a8bcb7 2020 4a2b 8cbb c346bd1b26a3C1737d6c 78a8 4535 967a 3fd927417b764807babb cbb7 4407 8f93 6ad7eac443f3805c6a6e d8dc 4d01 9c11 096b293c068141e4f1d6 48ed 406e a523 f5bada2efcfa 59
ナスカイ

ナスカイ 梅佳代

男子生徒の学校内での日常光景を写した写真が載っている写真集。この写真集の生徒さんたちが通っていた学校は東日本大震災の影響で校舎が移転し、その後閉校になった、という説明文が本の後ろのほうのページに書かれています。写真集の説明がその文章だけなので生徒さんの気持ちは写真からだけしか分かりませんが、写真の中の生徒さんたちは案外楽しくやってそうで。パンツ一丁で楽器を持つ、保健室の中で行儀わるい姿勢でご飯を食べる、照れた表情で写真に写る…。観ていると少し懐かしい気分になる本です。

04b3ec22 7468 4a40 83b4 4ace156b43fb5cd558ef 0244 4de3 a51a 6bca5de4fd1664d80464 472b 4469 9f98 387fb5670e94F11603e6 7980 4853 ba71 c021c99f74ca3880908b 3c3f 4c07 ab15 4efd38d6c5a8
SPQR ローマ帝国史II――皇帝の時代

SPQR ローマ帝国史II――皇帝の時代 メアリー・ビアード

イギリスではかなり有名な古典学者が書いたローマ史ということで英国圏ではかなり売れたらしい。上下二巻で共和国編の方が人気があるらしく図書館の順番が回ってこないので下巻の帝国編を読んでみた。初代皇帝のアウグストゥスから帝国内の全ての自由民に市民権を与えたカラカラまで、が作者の思うローマ帝国でそれから後は実質的には異なる国、ということらしい。我が国では塩野七生さんの長大な労作があって、それと自分は楽しく読んだのだが、これはローマ帝国の長い歴史を俯瞰で見たうえでコンパクトにまとめられており、どちらかというと庶民の苦しい暮らしであるとか格差問題とか暗い側面によりスポットライトが当てられている印象。それだから面白くなかったかと問われるとこれが凄く楽しい作品であった。平易な表現とどこかユーモアのある語り口で飽きずに楽しく読めた。共和制編も凄く楽しみ。

C2d6999d 627d 40ac b68a 80aae8485e7579887820 f565 4157 afbd 20a48b6202a71fc38a48 ddf8 474c aaa4 aa576f40ff67
コンクリンさん、 大江戸を食べつくす

コンクリンさん、 大江戸を食べつくす デヴィッド・コンクリン

日本文化にはまったガイジンさんのお話。ちょいちょいこの手のは出てくるけども本作に興味を持ったのは作者が個人的に馴染み深い人形町在住ということ。読んでみてびっくりしたのは作者が最初に暮らしたのが我が郷里の奈良県で、そのあと住んだのが人形町ということで、自分の生活圏とけっこうかぶってるところかな。知ってる街やお店が出てきて楽しかった。

ニューヨークで考え中

ニューヨークで考え中 近藤聡乃

本屋で、一冊丸ごと立ち読み可能になってたので読んでみたら気に入って買ってしまった。 個人的漫画ランキングでも上位に入る作品。こういうことがあるからあそこのあゆみBOOKSが大好きだった。 2015.10

いかもの喰い―犬・土・人の食と信仰

いかもの喰い―犬・土・人の食と信仰 山田仁史

これはタイトルに惹かれて。「いかもの」とは「ゲテモノ」に近い感じで人が普通食べないものを食べてしまう文化や背景についてを気鋭の学者さんがまとめたもの。大きく、犬食い、土食い、人食いについて信仰や文化といった背景を掘り下げたもの。近接した地域なのに犬を食うところと食わないところがあるとか、それは何故かとかそういう話。犬食い、人食いはあるの知ってたけど土食い、が広く世界中で行われているとは知らなかった。五反田に土のコースを出すレストランがあるということで作者も行ってるが果たしてどうなんだろう。大きく三つのテーマのうち人食いについてだけは先達の研究をまとめた感じで作者自身の掘り下げが浅い感じだったかな。食にまつわる話って面白いなと改めて思った。

性表現規制の文化史

性表現規制の文化史 白田秀彰

えっちなことはいけません。 えっちなことを奨励する人より、「禁止せよ」って人の方がなんだか、道徳的に優れている気がするもんな。 けれど、どうしてダメなんだろう。 どうして昔からこんなことが議論され続けているんだろう。 人と性的な表現の関わりは複雑で、時代の流れが反映されている。この議論に終わりはないだろう。けれども、まぁ、なんだかんだみんな好きなんだ。 ちなみに表紙では「規制」の言葉で見えない乳首が、カバーの折り返しではしっかりと描かれている。そんなシャレた作りもいいね!

Icon user placeholder74912335 138b 480d ab00 0baf0be8aab4Afbad0e2 07ad 46e4 9eb8 de2357ec1535
間取りと妄想

間取りと妄想 大竹昭子

一つの間取りに一つのお話。話の最初のページには、それぞれ間取り図が描かれている。 本に間取り図なんて、推理小説ぐらいしかお目にかかったことはない。しかし、この本では探偵が主人公ではなく間取りが主人公なのだ。よって、付録も間取りが冊子になっている。 これは、よくよく間取りを頭に入れてから読み始めろという事なのだろうと思い、いつもなら、文章を読みながら頭の中で構築する作業を、図面を見ながら自分が玄関からお邪魔する、というシュミレーションをする。そして、自分がそこに住むというシュミレーションまでしてしまう。だから時々「ここは、住みにくいなぁ」とか「暗いんじゃないの?」なんて、賃貸する気になってる、自分に笑ってから、その部屋にまつわる別のストーリーを読み始める。 私も案外マドリストだった。笑

C85cacc0 63d2 44b0 bb5f 963d98466da9A2c42132 e90d 4fe1 b5ef 607b02b13261C83c56a7 bc1d 43a3 adb9 6efaab245da522535fe6 f7b1 419e b1e0 557dace6d060Icon user placeholder871870e0 8aa8 44a7 916c b2afb52a041eB2cf85c2 97f9 467b bdfb b68b7df8fecf 62
見えない涙

見えない涙 若松英輔

2018年48冊目。わたしはまだ泣くことを忘れるほど大人になっていないけど、すごくすごく、心に響く言葉でいっぱいでした。 / 20180317

E2b8cdc3 67d8 477a 9028 de9fac56ab6726ae8bfe 9445 4c9f a901 574e4fb3ccaeDd548d8f c917 49f3 a410 cb90c178b62a
英国一家、ますます日本を食べる

英国一家、ますます日本を食べる マイケル・ブース

日本人はいまでも、自分たちがよその国からどう見られているかを異常なまで気にかけているように思える。地理的・言語的にやや孤立してきた歴史があるフィンランドも似ているとの事、なるほどです。2作目も面白く読ませてもらいました。

Dbb8f88f 405c 45e1 babd a664f14a104f9886eb0d 0656 4452 84b3 c8168afdb00c