岩波書店の本

庭師の娘

庭師の娘 ジークリート・ラウベ/若松宣子

オーストラリアのウィーンが舞台。 女性が夢を叶えるのが難しい1768年時代の、庭師になる夢を叶える少女の話。 モーツァルトに詳しい作者により、同時代に実在する歴史上のウィーン人々が、物語に花を添える。

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奴隷船の世界史

奴隷船の世界史 布留川正博

中世から19世期末まで。 400年続いた奴隷貿易の歴史を35000件の奴隷貿易データベースから読み解いていく一冊。 こういう資料が残っていて、各国のデータが統合されて使えるのはスゴイ。 アフリカ大陸で、奴隷を実際に集めて西欧諸国に売り払っていたのが、現地の黒人王国だと言うのがなんとも暗澹たる気持ちに。 人道的な見地から、アフリカ大陸での奴隷貿易は禁止に向かう。 しかし、今度は奴隷貿易廃止!けしからん!の名の下に、欧米列強によって植民地化されていくアフリカ諸国。 帝国主義時代の欧米諸国は本当に酷い。現在に至る騒乱の種はだいたいこの時期に撒かれたものだよね。

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20世紀アメリカの夢

20世紀アメリカの夢 中野耕太郎

中野耕太郎 20世紀アメリカの夢 →よくまとまった良書。以下感想 ●転換期から1970年代までという時代設定について →非常に興味深い時期設定で、タイトルを見たときに??という疑問とワクワクが同時に起きた。 世紀転換期という時代を「アメリカの夢」と設定するならば、1970年代はアメリカがその夢から醒めた時代だという。革新主義の勃興に伴い、アメリカは「社会的なる場」を見つけた。そうしたときに、ニクソン時代以降の経済的停滞と市場における不介入主義、個人の選択肢の最大化がそうした「社会的なるもの」を考える領域を狭めていく。なるほどという時代設定だった。「ニューディール連合」の形成と崩壊に時代が貫徹される。 さて、その「夢のあと」はいつまで続くのだろうか。個人主義や「社会的なるもの」に対する冷笑的な視線は、現代も根深い。ニクソンの時代にすでに見られる萌芽は、80年代・90年代に大きく社会的優位を作った。レーガン、ブッシュ、サッチャー、中曽根、中曽根が先日亡くなった今、「夢のあと」の時代も終わったのだろうか、いや。 ●100pの「「アジア」は、今やアメリカへのどうか能力を欠く移民の属性ーすなわち、「人種」として身体化されてしまったのである。」 →的確な表現に思う。こうした地理的・もしくは言語的な空間領域がある身体性を持った人々の属性として策定されていくに当たっては、「人種化」の他にあるエスニック・コミュニティへの割り当てが起きる。そこにホワイト・エスニックのアメリカというネイションへの包摂が起きるということは、アメリカにおいては人種とナショナリズムが重なり合う。さらにそこに暴力という中隊が機能するならば、さらにジェンダー的な規範が織り込まれている。

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女帝のロシア

女帝のロシア 小野理子

日本の歴史にはエカテリーナ2世のようなたくましい女帝は産まれないですね。個人の資質なのか国柄のかはわかりません、。

西園寺公望

西園寺公望 岩井忠熊

公家だから明治で活躍できたのかと思っていましたが、勤勉で苦労されかつ優秀な方だったとその半生を初めて知りました。

マーラーと世紀末ウィーン

マーラーと世紀末ウィーン 渡辺裕

トーマス・マンの小説「ベニスに死す」をヴィスコンティが映画にし、ライトモチーフに使用したのが、マーラーの第五交響曲、第四楽章「アダージェット」。多くの人と同じように、この映画がマーラーとの出会いになった。

海洋プラスチック汚染

海洋プラスチック汚染 中嶋亮太

プラスチック問題の現状とプラスチックとの付き合い方を書いてある本です。 さすが研究者。数値のデータ満載です! 例えば、これまで全世界で生み出された83億トンのプラスチックのうち、63億トンは既にゴミになっていて(つまりゴミ箱に捨てるという行為) そのうちの91%はリサイクルされていないとか。 リサイクルされずにどうなっているかというと、埋め立て、焼却、海洋流出…で普通に生活している私たちからは見えなくなっている、ということです。 (ここでいう普通は、一般的な日本人の暮らしという意味で考えてください) あとは日本の「リサイクル」の裏側も数値でしっかり示してくれてます。 手書きの見にくい図ですが見てみてね☺︎ リサイクルって言いつつ、ほとんど燃やしてる&海外に出してただけじゃん!!という衝撃。 様々なポイ捨てと題して列挙されていたのがこちら。 1.マイクロファイバー系 ○フリースを一回洗うと2gのマイクロプラスチックファイバー ○メラミンスポンジ(激落ちくんのことかしら…) ○アクリルたわし ↑これらは下水処理されて、汚泥と共に沈殿して除去されるものの、その除去率は98〜99%なので、すり抜けた数%が浄化された水と共に海へ行くそうです。 2.風船は空へのポイ捨てにつながる いつか空気が抜けて、海へ落下。 それを食べてしまう海の生物たち。 3.チューインガム ポリ酢酸ビニルという木工用ボンドと同じ材質でできており、歩道でポイ捨てされたガムが黒くなって消えないのはプラスチックだからだそう。これは一番びっくりした! 他にもたくさんたくさん問題を挙げてくれてます…。 じゃあ何が出来るかというと、プラごみの発生量を最小限にするということ。 特にsingle use(one way)使い切りを減らすことが大事。 飲料関係のプラごみをゼロにするだけで海のプラごみの1/3を減らせるそうです。 プラスチック製品は「捨てるように」作られているのが問題。 ここをRedesignすることが大事! 例えばドイツのある都市ではコーヒースタンドがグループを作り、提供する紙コップをポリプロピレンのカップ又はタンブラーにして、デポジット制にしたそうです。 どのスタンドに返してもオッケーとのこと。お店はそれを洗ってまた使う。 (ポリプロピレンだけど、使い切りではないし、そういった試みをしてるってだけで素晴らしいと思う!しかも色んなコーヒースタンドがやってるっていうのもステキ)

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哲学

哲学 中島隆博

哲学とは人生の晩年である p.1哲学とは尺度なしに概念を創造することである すなわち哲学者が何にもよらず単独で概念を定義することである(ドゥルーズガタリ) p.5 哲学発生の三条件、内在、友愛、オピニオン p.27 発生的方法…原因と目的としての結果を探求しない p.43翻訳とは純粋言語の救済であるすなわちある特定の言語に囚われた状態から解放し普遍化しようとする

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 大木毅

アントニー・ビーヴァーの「スターリングラード」をとても興味深く読んだのだけど世界史専攻でなかったこともあってそもそも独ソ戦全体はどういうなものだったのかに興味が出たところにちょうどよいタイトルの作品が売り出されていたので手にとってみた。新書ということもあってか簡にして要を得る、という言葉がぴったりであった。悲惨でない戦争というものはないと思うがとりわけ凄惨なこの両国の闘い。一般的に広まっている説だとヨーロッパを席巻したドイツ軍が勢いにのってソ連にいきなり攻め込みかなり押したのだが気候と人口、そしてスターリンの迫害をかろうじて逃れた将軍たちの力で押し返したのだ、ということなのだがそれが誤り、または戦後のいろいろな思惑で捻じ曲げられた説であることがわかる。諸々の悪事はヒトラーとナチスが起こしたものでドイツ国防軍はいわば被害者である、という立場が大嘘であることや、大粛清のあとでも赤軍がかなり洗練された軍隊であったことがわかる。それにしてももともとはユダヤ人を追放したかっただけ(それでもじゅうぶん酷いけれども…)だったものが対ソ戦の展開が思うように行かなくなったことからどんどん虐殺に変化していくところが恐ろしい。他者から収奪することで自分たちの生活を向上させようという戦争が完全に過去のものになったのであればよいのだが、と強く思った。

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20世紀ラテンアメリカ短篇選

20世紀ラテンアメリカ短篇選 野谷文昭

オクタビオ・パス、イザベル・アジェンデ、あのアジェンデ大統領の親族、バルガス・リョサ、ガルシア・マルケス、などなど。この魅力的な名前がずらりと並んだ幻想的短編集。 征服された民族の暴力的な風土や都市化の孤独。読み進めていくにつれ、ディエゴ・リベラやフリーダ・カーロやルフィーダ・タマヨなどの絵画を連想していった。

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原発のコスト

原発のコスト 大島堅一

原子炉格納容器の圧力を下げるためにガスを外に逃がしたが、逃がしてなかったらどうなっていたのか?原発震災。福島県内の学校は平常時の1ミリシーベルトの20倍でも開校した。国がそう判断した。賠償を払うのは東京電力。額は東京電力と被害者との間での合意。それを迅速に行わせるために原子力損害賠償紛争審査会により、指針が進められた。原発事業者には、無過失責任が課される。 第1条、原子力事業の健全な発達に資する事をもくてきとする。一見俺らからすると東日本大震災は三条の異常に巨大な天才地変だと思うが、政府的な解釈としては一般的に日本の歴史上例の見られない津波という判断である。損害賠償の保証と国と保証契約。