岩波書店の本

20世紀ラテンアメリカ短篇選

20世紀ラテンアメリカ短篇選 野谷文昭

大昔、ガルシア・マルケスが流行った頃に案の定ハマってそれ以来ラテンアメリカの文学はずっと気になっていて定期的に手にとって見るのだけども短編は読んだことはあまりないな、と思ったので手にとって見た。収録されている作家は16名。お恥ずかしながら知ってる作家はイサベル・アジェンデ、バルガス=リョサ、ガルシア・マルケスの三人だけだった…。なんとなくラテンアメリカの文学には凄く洗練されている部分と野生というか野蛮というか凄く暴力的な部分と土着の伝統みたいなものとが混ざっりあっていてそこが好きなのだけどうまくそれらがバランス取れている作品もあれば、どこか一箇所が突出していてそれが面白いのもあれば、ちょっと前衛過ぎてこれは??みたいなのもありこういうアンソロジーの醍醐味だなと。やはりラテンアメリカ文学、面白い。

原発のコスト

原発のコスト 大島堅一

原子炉格納容器の圧力を下げるためにガスを外に逃がしたが、逃がしてなかったらどうなっていたのか?原発震災。福島県内の学校は平常時の1ミリシーベルトの20倍でも開校した。国がそう判断した。賠償を払うのは東京電力。額は東京電力と被害者との間での合意。それを迅速に行わせるために原子力損害賠償紛争審査会により、指針が進められた。原発事業者には、無過失責任が課される。 第1条、原子力事業の健全な発達に資する事をもくてきとする。一見俺らからすると東日本大震災は三条の異常に巨大な天才地変だと思うが、政府的な解釈としては一般的に日本の歴史上例の見られない津波という判断である。損害賠償の保証と国と保証契約。

ウイタ・セクスアリス

ウイタ・セクスアリス 森鴎外

友人から借りたもの。鷗外は得意ではないが、今回読んでもやっぱり得意ではない。読み方が間違っているのかとは思うが、感情や物語の起伏というものを期待するものではないかと。僕はただ鷗外書いた私小説として捉えている

マーラーと世紀末ウィーン

マーラーと世紀末ウィーン 渡辺裕

トーマス・マンの小説「ベニスに死す」をヴィスコンティが映画にし、ライトモチーフに使用したのが、マーラーの第五交響曲、第四楽章「アダージェット」。多くの人と同じように、この映画がマーラーとの出会いになった。

子どもたち 曠野 : 他十篇

子どもたち 曠野 : 他十篇 Chekhov, Anton Pavlovich

チェーホフの創作上の転換点となった「曠野」が出た当時の作家ガルシンの言葉、「ロシア文学にはこういう言葉、生活、率直さの見られる傑作はこれまでなかった。」チェーホフの詩情あふれる美しさに魅入られたという。

アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか

アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか イワン・クラステフ

(要約) ・近年EUが直面した複数の危機のうち、難民危機だけが本質的な危機である。 ・EUには3つのパラドックスがある。すなわち、中欧のパラドックス、西欧のパラドックス、そしてブリュッセルのパラドックスである。中欧の人々はEUが好きだがリベラルは嫌いだ。西欧ではリベラルでコスモポリタン的な若者が政治的な運動を組織するに至っていない(SNSで集まり、一瞬不満を爆発させて終わってしまう)。ブリュッセルの能力主義エリートは、能力が高いが故に国家への忠誠心を疑われ、人々から信用されない。 ・とにかくsurviveすること、それだけがよりよいEUを実現する唯一の方法だ。改革は直線的には成し遂げられない。 (コメント) 何が言いたいのかよく分からない。取り留めもない。処方箋もない。「本書は、これから起こりそうなことについてただ思いめぐらすこと…が目的」だそうなので著者としてはそれでいいのかもしれない。まあ、ヨーロッパで起きていることについてヨーロッパ人が語った本という意味では貴重かもしれない。