新潮社の本

天平の女帝 孝謙称徳: 皇王の遺し文

天平の女帝 孝謙称徳: 皇王の遺し文 玉岡かおる

よくある、人生をなぞるような物語ではなく、女帝が亡くなったあとに、女帝の近臣和気広虫の目線で女帝が描かれて行きます。 奈良の時代の最後の女帝は、とかく不思議の人でした。それまでの女帝とちがって中継ぎではない天皇(すめらみこと)で、二度皇位に就き、仏弟子であり…あんまりいい話を読んだ覚えがないのは、この時代の男皇子が歴史の表舞台から後味悪く消えてゆくからでしょうか。まだ藤原氏の権力基盤が万全ではなく、不比等の四人の子たちの家がそれぞれ覇権を争っていた時代でもあるからでしょうか。 物語を通して、女帝がどのように生きたのか、一つずつ謎をとくように紐解かれていくのですが、これを読んで、女帝の印象が変わって気がします。

額を紡ぐひと

額を紡ぐひと 谷瑞恵

ただのお仕事小説とは、一味違う内容でした。 純粋ってなんなんでしょう。生きるってどういう事なんでしょう。 「夏樹」に額装を依頼した人は、それぞれ一歩を踏み出していきます。そして額装の仕事は、因縁のある二人も、夏樹自身も救っていきます。 心の傷を負う人は、みな優しく、傷に埋もれてしまう。 傷は無くならないのだろう、けれどそれと一緒に生きて先へ進むことが出来るのだと思う。そのきっかけが額装であれば夏樹の仕事は素晴らしい。 続編も読みたい気がしますが、この話はこの完結でいいと思います。3人の因縁があるからこそ、この本は面白いと思います。

春待ち雑貨店 ぷらんたん

春待ち雑貨店 ぷらんたん 岡崎琢磨

4話からなる連作短編集 ターナー症候群である主人公の北川巴瑠が 辛い自分の運命と向き合い 学生時代に雑貨店でバイトをしたことをキッカケに ハンドメイドアクセサリー作家となって 自分のお店を切り盛りしながら日々を過ごしている お店には不思議な出来事が舞い込み 巴瑠はひとつひとつに寄り添い 優しく解きほぐしていく うまくいかない人がうまくいっている人の足を引っ張るのは よくあることだけど うまくいってる人にも悩みや辛い運命があって 唯一大事にしているものを拠り所にしている場合もあるのに 何も知らない人が妬みだけで 嫌がらせをするのは 自分勝手だと思う

未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言

未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言 NHKスペシャル取材班

NHKスペシャルとして放映された「何故、かい人21面相を逮捕できなかったのか」その原因を当時の捜査員と共に探っていったこの番組は放映当時新たに判明された新事実にこの事件を追ってきたというほどでもないが興味を持ち続けてたものとして驚愕した。そして書籍化されたものを文庫化。文庫化にあたって加筆等は無いのが悔やまれる。事件当時、森永の1,000円パックに喜んでいた子どもからすっかり大人になってしまった身としてはキツネ目の男に職質をかけるかどうか?組織、現場どちらの対応もわかるだけに悩ましい。 事件の主な舞台となったのは先月大きな地震のあった北摂地域、その都心でもなく地方でもない独特の風景が印象に残る。 赤軍とグリコ・森永事件については何年かに一度は本が出るけどついつい読んでしまう弱点。「罪の声」再読しようかな。

F0214d3d 02b4 424e 90aa 3ec43305683aBd8068de 7d23 4c66 bfa4 ba57767db09bIcon user placeholder608f6a3d ff4b 4aa0 9902 73b47ad1565fIcon user placeholder
老後破産: ―長寿という悪夢―

老後破産: ―長寿という悪夢― NHKスペシャル取材班

怖いこわいコワイ。 老後に安心して暮らせるようにするには、社会の仕組みを変えないとダメかなぁ。 いつの間にやら『自己責任』という言葉が幅を利かす世の中に。カミさんより先に死にたいと思うけど、これでは先に死ねないですね。

生きるとか死ぬとか父親とか

生きるとか死ぬとか父親とか ジェーン・スー

エッセイの様な私小説で。私小説風のエッセイか?この絶妙なブレンド具合が、スーさんの魅力かも。自分の両親について知らないで、死んでいくのはどうなのか?という想いを。父親を探る、家族史?か。オススメします。次回作を期待!もしあるなら。

4d2b2249 70b9 486a ad0d f8ffeb3328c363583b57 9517 41cc 8f98 7a62d763cf34Icon user placeholderB3fd0ffa e716 4bd9 b3c4 c042a9d23124Icon user placeholderIcon user placeholderFd374444 1f65 485e 85d6 aea2f9363d0c 9
九月の恋と出会うまで

九月の恋と出会うまで 松尾由美

時間のパラドックスを主体にしたラズストーリーです。お隣の「平野さん」と謎を解決しようとします。 平野さん説明し過ぎです。笑 パラドックスの概念が自分と違っていたので、少し不思議な気がしました。

飢餓同盟

飢餓同盟 安部公房

かつての温泉街花園を舞台に土着の支配者とひもじいと称されるよそ者が結成したアナーキスト同盟たる「飢餓同盟」戦後民主主義を象徴する「読書会」3すくみのわちゃわちゃした対立を哀しくもどこかユーモラスに描く。 招致された医師である森が町につくも一向に病院にたどり着くことができない阿部公房的な不条理たらい回しぐるぐる地獄や人間をいかなる機械よりも精密な機械と化してしまう!ドイツ製の怪しげな薬「ヘクザン」の実験台となった地下探査技師織木、飢餓同盟員に対し「たとえばソロバンを盗んでこい、財務部長らしくなるために、明日までに割り算の九九をおぼえろ。電球を三つ盗んでこい。将来キャラメル工場の煙突塗り替えるために、毎日電柱にのぼる練習をしろ。姉さんの指紋をとってこい。電気コンロを盗んでこい。そして昨日は姉からヴァイオリンを盗んでこいというわけだ」P185と無茶ぶりをするリーダーの花井(ヒロポン中毒)等々奇妙奇天烈な登場人物が繰り広げる人間喜劇。

Ba04bdee fbaf 4a6e 9a67 cfa92b2b9671D4f58d88 cacc 444e 98ed e78a0362b8f084d1a374 bc29 4c2e b929 01982e9a9690