新潮社の本

鍵のかかった部屋 5つの密室

鍵のかかった部屋 5つの密室 似鳥鶏

糸を使って外から鍵を閉める、という作品のアンソロジー。どの作品も短編ながらキャラの面白さがあって良かったです。個人的には、御手洗シリーズを読みたくて買ったのですがね。ちょっとあっさりした感はあるけど、また御手洗シリーズを読めて満足しています。

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公園へ行かないか? 火曜日に

公園へ行かないか? 火曜日に 柴崎友香

「そして日本語が話せない毎日の中で自分が話したいと思うのは、話したいと体の奥から湧き出てくるのも、いつも大阪の言葉だった。」P.268、この自分のアイデンティティを認識する、視界がスッと晴れたような腑に落ちる感覚の心地よさ。 アーミッシュの村を訪れた後遠く離れたロンドンで回想する『とうもろこし畑の七面鳥』散文詩的な「どこまでも続くとうもろこし畑、緑色と枯草色。地平線。密度の薄い空間。途方もない空気の量。人間の気配のない、広大な土地。」P.85、アメリカンの質感にグッとくる

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甲子園という病

甲子園という病 氏原英明

高校野球批判かと思いきや、そうではなく、優しい眼差しで高校野球を見つめ、良い方向に導きたいという著者の願いが伝わる一冊だった。 高校野球の、甲子園の、悪い部分を指摘しつつも、そんな中、正しいやり方や理にかなった指導や考えの元で成功した例が挙げられており、野球人口の減少なども昨今は話題になるが、けして未来は暗くはなく、やり方次第で高校野球を含むスポーツの未来は明るいと感じさせてくれた。

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憂鬱な10か月

憂鬱な10か月 イアン・マキューアン

性格の悪い作家の邦訳最新。「贖罪」と「アムステルダム」の二作を読んでもらえたらなぜ私がそういうのか分かってもらえると思うのですが...なのに気になって手にとってしまうのはやはり作家の力量か。比較的リアリティのある舞台設定を好む作家と思っていたがこれは主人公が胎児という一種のファンタジー。しかも臍の緒を通じて味わったワインについてもひとくさり蘊蓄を述べるという只者ではない教養を誇る胎児。この胎児が母の胎内で母と父の弟のただなるぬ関係と彼らが父を亡き者にしようとする陰謀を聞いてしまう物語。一応、関係性はハムレットを下敷きにしているらしいが自分は浅学故かあとがき読むまで分からなかった…。この文字通り手も足も出ない主人公が殺人計画に対して何をどうするのか、がすごく楽しみでどうせ後味が悪いことになると思いつつも読み進めてしまう。なるほどそう来たか、というラストに感心。端正な文章も魅力的。未読の邦訳も読んでいこうと思う。

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隣のずこずこ

隣のずこずこ 柿村将彦

ファンタジーノベル大賞。 ある村に突如現れた狸。一か月後に、村中の人を飲み込み、村がなかったことにしてしまうという。訝しがった村民も信じざるを得ない出来事をもとに諦観の境地。 なんとかしようとする人はほとんどいない中、中3の女の子は? 結論はまったく読めなかったなぁ。

れもん、よむもん!

れもん、よむもん! はるな檸檬

私の読書狂時代 檸檬さんとは山田詠美時代が重なっていたようで、まるで自分の事のように読めました エイミーの解説に思わずもらい泣き笑 あの頃、授業中にこっそり読んだ多くの本が私を形作っているのだなー

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巨額粉飾

巨額粉飾 嶋田賢三郎

書店でタイトルに惹かれ(職業柄か)なんとなく購入。面白いというよりは、勉強になった感じ。

死と生

死と生 佐伯啓思

死と生を表裏一体のものとして考える。 近代以降、そのような考え方が否定されるようになった。「死」は目に付かないところに追いやられ、ある日突然、剥き出しの状態で現れる。 仏教の思想(釈迦、親鸞、道元、鈴木大拙など)を中心に日本人の死生観を再考する。

天平の女帝 孝謙称徳: 皇王の遺し文

天平の女帝 孝謙称徳: 皇王の遺し文 玉岡かおる

よくある、人生をなぞるような物語ではなく、女帝が亡くなったあとに、女帝の近臣和気広虫の目線で女帝が描かれて行きます。 奈良の時代の最後の女帝は、とかく不思議の人でした。それまでの女帝とちがって中継ぎではない天皇(すめらみこと)で、二度皇位に就き、仏弟子であり…あんまりいい話を読んだ覚えがないのは、この時代の男皇子が歴史の表舞台から後味悪く消えてゆくからでしょうか。まだ藤原氏の権力基盤が万全ではなく、不比等の四人の子たちの家がそれぞれ覇権を争っていた時代でもあるからでしょうか。 物語を通して、女帝がどのように生きたのか、一つずつ謎をとくように紐解かれていくのですが、これを読んで、女帝の印象が変わって気がします。

戦時の音楽

戦時の音楽 レベッカ・マカーイ

気鋭の新人ということだしクレスト・ブックスならハズレもあまりないだろうと思って手にとってみた。もっとも新人といっても未訳なだけで長編を二作出しているし四年連続してベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズに作品が選ばれているという実力者。本作は17編からなる短編集でタイトルどおり音楽や芸術にちなんだ話が多く収録されている。作風はオーソドックスなものから前衛な感じのものまで多岐にわたり〜こんなのもあんなのもできるんだよ凄いでしょ、みたいな感じがしなくもなかったけど〜じわじわと心に残る作品が多く、途中からこれは大変な名作では…と思い読み終えるのが惜しかったほど。長編にも興味はあるけどもこの人の短編をもっと読みたい、と思いました。これはかなりおすすめです。

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