新潮社の本

引かれ者でござい

引かれ者でござい 志水辰夫

股旅物は、カッコいい。飛脚の世界も、信用が大事なんですね。

百年の散歩

百年の散歩 多和田葉子

ベルリンには通りの名前が九千以上もあるらしい。カント通り、ローザ・ルクセンブルク通り他、ルター、プーシキン、ワーグナー、マヤコフスキーなど。 異邦人のわたしは、待ち合わせのためにベルリン市街を歩き回るたびに遭遇する幻想的で夢想的な情景。待ち人に出会うのは百年後か。最近の本はカバーのデザインがとても良いが、この文庫も素敵なカバーだ。

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聖者のかけら

聖者のかけら 川添愛

深く深く芳醇なワインを味わったかのような読後の余韻。キリスト教のことについては詳しくないため全てが理解できたとは言い難いけれど、その時代に生きて目撃したかのような瑞々しく生き生きとした人物とシーンの描写。 清貧とは?自分の存在意義とは?を宗教を超えて考えさせられる。 その後の二人をぜひ知りたい。

とてつもない日本

とてつもない日本 麻生太郎

政治家の書いた本なんか初めて読んだ やっぱり日本の事や世界の事を考えて働いてるんだと少し感心した

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つばくろ越え

つばくろ越え 志水辰夫

泣けた。武士とは違う市井の人々の悲喜交々。山本周五郎より、リアリティでは、勝っている。こんな男になりたい。

手のひらの楽園

手のひらの楽園 宮木あや子

文中の可能性の塊のような決意表明。 好きな人ができたから。その人がすごく立派な人だから。もし次にその人と会えたときは、今より少しは自分を誇れるようになっていたいと思ったから。

ジャニーズは努力が9割

ジャニーズは努力が9割 霜田明寛

スターで居続ける理由はルックスだけじゃない。共通して言えることは、未完成を自覚していること。タイプ別で努力の仕方がわかる。さらに、今後どう成長するか未来が見える「最高の採用担当者、ジャニーさん」のジャニーズたちの育て方にも注目。これはジャニーズ暴露本じゃない。人材育成本の要素が強い。

スタン・ゲッツ

スタン・ゲッツ ドナルド・L・マギン/村上 春樹

ジャズも好きだしゲッツの音楽も好きなので手に取ってみた評伝。村上春樹さんの訳とは知らなかったが彼もゲッツのファンを公言されているのでさもありなん、という印象。彼も書いていたがゲッツが好きだ、と認めるのは今はどうか知らないが昔の若いジャズファンにはけっこう難しくて…下手したらイージーリスニングめいた綺麗なメロディを巧く吹いているだけと感じてしまう…ゲッツよりはマイルスやコルトレーンが好きだ、と言っていたほうがかっこいいような気がする…そういうアーティストではある。言ってみれば古典落語の名人といった趣で、他にこの名人枠にはロリンズが入る…そんな感じ。黒人のジャズミュージシャンはミンガスを筆頭に差別について声高に話す人が多く、その反動か白人のミュージシャンにはなんとなく恵まれた育ちの道楽の果て、という印象が個人的にはあったのだけどゲッツの祖父はウクライナからロンドンを経てアメリカに渡ってきたユダヤ人で生活力のない父親のせいでニューヨークはブロンクスのほぼ貧民街で生まれ育った、ということにまず驚き。そして神が才能を与えた、としか解釈ができないのだが…まともに音楽を学んだのは高校に入ってからでその高校もドロップアウトして17歳にして両親と弟をテナーサックス一本で養っていたというから凄い。生まれながらの絶対音感とリズム感覚、そして短期間しか学んでいないにも関わらず圧倒的な読譜能力と楽譜の記憶力を武器にスターダムに上り詰めていく過程が見事。その能力と引き換えとでもいうようにアルコールとヘロインで人生をスポイルされていくわけだがその辺りも包み隠さず明らかにされてしまっている。アルコールと麻薬の恐ろしさを知るにももってこいの作品かも知れない。本作を読んでからゲッツの音楽がまた違った印象で興味深く聴けるようになった。その意味でも素晴らしい作品。関係ないけどスタン・ゲッツではなくてスタンリー・ガエツキスじゃやっぱりこれだけ売れなかっただろうな…。しかし私生活が破綻してたのに死ぬ直前まで第一線で活躍し続けていたのは本当に見事。ということで今宵もゲッツを聴きながら過ごします。

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とるとだす

とるとだす 畠中恵

虚弱体質でお馴染みの、お江戸の綿入れ重ね着探偵=一太郎。どこかが必ずズレている妖達の力を借りながら、今回も謎解き冒険てんこ盛りの活躍ぶり。 寝込むまでのほんのひと時を懸命に使って突き進む姿がすっかり板についてきたなーと感心。思えばこの子は、第1作の時からいつも肝心な場面では真っ向勝負をするのだよな。意外とヒーロータイプです、虚弱だけど。次作も楽しみ。

愛という名の支配

愛という名の支配 田嶋陽子

1992年に出版されたものだけど、2020年の今でも状況はさほど変わってない。令和が終わる頃には、女性は生きやすくなるのだろうか。

すごい言い訳!

すごい言い訳! 中川越

作家の手紙から面白いところ抜き出して、という企画系なんだけどタイトルでこう言うほど突拍子もないものはほぼなくて真っ当なものがほとんど。本文の抜き書きとそう書くに至った状況説明、そして作者のによる解説、という構成。説明がくどくなくて簡潔でよろしい。そして夏目漱石のものが多い。公表を前提とした作品ではなくてあくまで私信なので本音というか人格が出ている感じで興味深かかった。なるほどうまいこと言うもんだ、とは思うんだけどいざという時真似ることができるかと言われたらちょっと難しいかな…。

昭和少女探偵團

昭和少女探偵團 彩藤アザミ

2019/12/11読了 助手の立場的な茜の屈託のない陽のキャラクターと、探偵役である潮の影はあるが年相応の範疇で可愛らしくもある少女同士の友情の機微も含めて、シリーズが進むにつれて時代背景的にもどう変わっていくのか楽しみ。 この一冊目ではまだ深くは掘り下げられてはいない、天才で変人の丸川環の目線で語られる事件も読んでみたい。

神戸・続神戸

神戸・続神戸 西東三鬼

東京の人にとって馴染みがないかもしれないが、 神戸という街は関西人にとっては大きな街なのだ。 港街であること、自由であること、 京都でも大阪でもない、洒落た街なのだ。 さて、この小説に話を戻すとしよう。 戦時下の神戸に集まった得体の知れない人々。 彼等が繰り広げる断片的な営み。 彼等の営みが西東三鬼の視点を通じて、 言語化されている。 戦時下から戦後の表舞台には姿を現すことのない 市井の人々の暮らしがそこにはある。 ただ一つの合言葉は『自由を我等に』。 EUが悪戦苦闘して実現しようとしているコスモポリタニズム的な社会が、戦時下の神戸で産声を上げている。 自由であることを信条に営まれる人々の在り方が どういう訳か全く古臭くなく、説教じみていない 文章で綴られている。 やっぱり港街、そして神戸はいい街だ。 グダグダした感想はこの小説には似合わない。 つまるところ あらゆる時代をも美しい文章に昇華できる。 それが物語のいいところ。 とにかくみんな、読んでみて!

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おもてなし時空カフェ

おもてなし時空カフェ 堀川アサコ

おもてなし時空ホテルの続編です。ホテルとカフェでのドタバタな毎日、周囲の人との関係に葛藤もしつつ成長するチズちゃん。仕事と恋愛、いつの間にかどちらも譲れないくらいに大きな存在になっていきます。毎日を過ごしていく中で、こうして大切な人が増えていくことは素敵なことだと思います。

オーバーストーリー

オーバーストーリー リチャード・パワーズ/木原 善彦

『オーバーストーリー』は100%再生紙で印刷されています。100%バージンパルプの代わりに100%再生紙を使うことで、初版では以下の量が節約されました。 木 408本 水 1,489,847リットル 温暖化ガス放出 60,005キロ 固形廃棄物 18,267キロ コピーライトページより抜粋 日本語版では最後に、英語版では最初に記載されている。 圧倒的な熱量! 読んでいる途中から、普段見てるようで見てない木のことを考え出す。 検索履歴は木の名前になる。 レッドウッドを見て尊くなる 私が今まで見た1番大きな木ってなんだろうと思い返す。 「熱帯にいる鳥の尾みたいなミモザの複葉」 黄色い花しか今まで見てなかった。

白銀の墟 玄の月 第三巻

白銀の墟 玄の月 第三巻 小野不由美

物語がようやく動き始めた。 泰麒試練の巻。ここで『魔性の子』の話出してくるのひどい!絶対泣くじゃん。 そしてついに来たーーーーーーーーーーーーっ(←うるさい このままバッドエンドの可能性も考えてたわ。 連絡手段くらい残しとけよとか、叩頭させればすぐわかるんじゃね?病む人と病まない人の違いは何なの? とか、読者がツッコミそうなところをキチンと潰してくる小野主上さすがです。

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