新潮社の本

将棋指す獣 1

将棋指す獣 1 市丸いろは

「将棋棋士=男性」 漫画の世界では、まだそのイメージが強い。 でも彼女・弾塚光はプロになろうと今戦っている。 その姿を見たプロ棋士が、“獣(ケモノ)”ではなく、“ 獣(ケダモノ)”と言うくらい、恐ろしい将棋を打っていた。 そう、それは、勝つために相手の手を殺し続ける、友達を失くす手。負けた相手の気力を平然と奪う指し方。 その胸の内に何を秘めているのか?、…元奨励だった過去に何があったのか?、俄然気になってきます! 私は将棋のルールとか全く分からないけど、主人公の将棋へのとてつもない執着が呪いのようで、物語に惹きつけられます。 熱量で押し切るというより、戦略的なもので将棋を表現している漫画だと感じました。 「女性初のプロ棋士」をキャッチコピーにしているようですが、それだけではない深さがありそうです。

白い服の男

白い服の男 星新一

本全体のタイトルにもなっている「白い服の男」星新一にしては珍しい、わかりやすい「ディストピア物語」だ。 ただ、主人公が「革命側」や「支配される側」では無い。 会社で言えば「中間管理職」とも言えるポジションの男。 「支配する側の男」が当たり前のように、歴史を改ざんして、違反者を虐げる。 その「違和感を感じる」日常生活の描写が、なんとも言えない「嫌な感覚」を与えてくれる。 皮肉屋の星新一らしい物語。 淡々と進んでいくのが、逆に怖い。 また「自分が思っている常識とは?」という質問を自分に問いかけてしまう。

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒 町屋良平

町屋良平の短く、ハイジーンな文体が相まって、意識が積分されていく。意識の素子があるなんて、知らなかった。伝えたいことより、書きたいことを見出してあげたいと思う作家は少ない気がするけど、解釈が作家を侵してるご時世に、町屋良平という作家は尊い。そう感じた。 「ぼく」は自重でやられるタイプ。可哀想かな、理性を、悟性を、生み出したときから主従が逆転し、果ては動物的な本能を飼い慣らすまでになってしまった。でも、そういうひとが僕は好きだし、そういう不器用で臆病なひとでありたいとすら思う。 この小説が「関係性」についての話だと、僕は町屋良平の言葉ひとつひとつから、それもいやいやながら、意味付けした。「人間(じんかん)」にいるものとして、その関係性がいびつで敵を親友とする「誤爆」が起こる。 でも「ぼく」は全く変人なんかじゃない。なんだかんだ、みんな実はとてもいびつな関係の中で生きているということを示している、もとい、思い出させてくれる。 キューバ危機でケネディがフルシチョフの寝顔を想像するように、桑名の息子が「95%兄弟ではない!という結果でした、、でもこれで終わりと思うとさみしい」とかツイートするように。そんないびつな関係に横たわる愛憎憎しを描いてくれた作品で、作家同様、この作品も尊いと思う。

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ミッテランの帽子

ミッテランの帽子 アントワーヌ・ローラン

次は私が帽子を見つけたい。大人のための幸福な物語と帯に謳われていたとおりちょっとHappyになりました。 80年代のフランスの息遣いが聞こえてきそう。

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大和古寺風物誌

大和古寺風物誌 亀井勝一郎

僕がこの本を読んだのは30年くらい前。滅びゆく日本の青年に大きな救いを与えた亀井の著作を読む若い人は、今はもう、いないだろうか。日本の美意識を愛したが故この本には、晩秋の深大寺、ひらがなの美しさ、能面について、なども語ってる。本当に豊かな心持ちになれる本だ。

拷問迷宮 1

拷問迷宮 1 田近康平

デスゲームが好きだったのであらすじに惹かれて購入しました✩.*˚ 名前の通り、拷問をする、される。痛みを感じることが閉じ込められている場所からの脱出の鍵となっています。 誰しも自分自身を傷つけるのは怖いものだと思います。 その苦悩だったり、それを振り切って行った時の思い切りだったり、また痛みの表現がとてもリアルで正直他のデスゲームでは感じたことの無い痛々しさを感じて1回ではじっくり読むことができないシーンがありました。(2回目は痛い痛いと連呼しながらなんとか読みました) 痛い表現が苦手な人にはあまり向かないかもしれないです。 個人的には主人公の行き過ぎた自己愛が少し苦手です…。でもストーリー自体は面白かった!

モンスターマザー: ―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―

モンスターマザー: ―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い― 福田ますみ

文庫化していたので購入。なぜかこの事件はリアルタイムの記憶が自分になかった。母親側は裁判でことごとく負けたにもかかわらず、母親からの賠償金は未だに支払われておらず、弁護士からの謝罪広告も出されていないそうで、事件を終わらせない意図がうかがえていっそう虚しい気持ちにさせる。

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チェンジザワールド 今日から殺人鬼 1

チェンジザワールド 今日から殺人鬼 1 神崎裕也

「エリート刑事」と「人生に絶望した自殺志願者」の身体が入れ替わるストーリー。 ここまでは、よくある話。 だけど、このエリート刑事ってのがとんだサイコ野郎で、どうやらただ元の体に戻るような話ではないような感じがして、そこは一味違って楽しみです。 まだ1巻で自己紹介的な所だからなんとも言えないけども、ラストページや次巻予告で不吉な言葉を残してて、どうストーリー展開していくかは見ものです。 エリート刑事の裏の顔、ちょっと興味ありません??