早川書房の本

夏の王国で目覚めない

夏の王国で目覚めない 彩坂美月

あらすじ難しいなー。確かにミステリーだけど、青春感を味わえる珍しい作品でした。ちょっとスッキリする感じですね。ツッコミしたいところも、たくさんあるけどね。

あなたを愛してから

あなたを愛してから デニス・ルヘイン

女主人公レイチェルの父親探しがメインテーマと思いきや、、、トントン拍子に築いたキャリアの中での大舞台でのトラウマをきっかけに精神と自己が崩壊されていき、そこで心の支えとなってくれた人の違和感をある日感じ、そこから取り返しのつかない逃亡劇に巻き込まれていく、という話。 最初、落ち着いてるけど皮肉の効いたアメリカらしい雰囲気だなぁと読み進めていたら、あれよあれよという間にハイテンポなサスペンスになりページをめくる手がとまらなくなった。 訳者あとがきでも書かれていたけど、この手のストーリーでは物語のプロットが重視され、登場人物の描写がおざなりにされがちだけど、この作品では登場人物の人間性や心情もちゃんと物語の重要な要素となっていて、単純にミステリーとかサスペンスのジャンルに分類したらもったいないと思った。 この作者の他の作品も読んでみたい。

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エヴァンズ家の娘

エヴァンズ家の娘 ヘザー・ヤング

同居中の男性から度を過ぎた束縛を受けるシングルマザーのジャスティーン。 亡き大叔母が自分に遺した古いロッジに二人の娘とともに逃げ込んだ彼女は、その場所でかつて大叔母の幼い妹エミリーが行方不明になったことを知る。 本書は過去パートである姉リリスとエミリーとの日々を描いた大叔母ルーシーの手記と、現在パートであるジャスティーンと娘たちの経済的、精神的苦境やストーカーに怯える日々が交互に描かれる。 ジャスティーンの母モリーも含め、代々のエヴァンズ家の娘たちが底なし沼みたいな男性関係の不幸の中にズブズブとはまり込んで行く恐ろしさ。 彼女たちは、みな互いへの愛ゆえに行動しているのに、いつもすれ違い傷つけあう。 登場人物の一人が『自分がまったくちがう人間だったらよかった。勇気ある人間。もしそうだったらたくさんの人生が今とはちがっていただろう』と過ぎた日を悔いる。 ラストでジャスティーンが見せた勇気を彼女たちが見ていてくれたら、と思う。 MWA賞など各新人賞の候補作になった著者のデビュー作。

アルテミス(上)

アルテミス(上) アンディ・ウィアー

『火星の人』の第2作。『火星の人』が好きすぎるので、今作の評価が難しい。個人的に主人公が悪いことをするのは、好きではない(笑)

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君の話

君の話 三秋縋

まずとても綺麗な作品です。 どこの表現をとっても美しい。 スピンオフ特別編の 聖地巡礼を見た際には思わず涙が出てきました。 とにかく、1度は読んでおいた方が良い作品であると思います。

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ポクスル・ウェスト最後の飛行

ポクスル・ウェスト最後の飛行 ダニエル・トーデイ

どこかで書評を見かけて興味を持ったので手にとってみた。主人公はユダヤ人の少年と家族の知り合いであるおじさんの二人。ナチの迫害から逃れて紆余曲折を経てイギリス空軍で爆撃機のパイロットとして活躍していたというおじさん。少年はおじさんのことが誇らしく彼の武勇伝を聞くのが楽しみだった。作家を志すおじさんがノンフィクションに見切りをつけて自伝を書き、それが話題となったことからますます少年の自慢になったのだが、なぜかおじさんは姿を消してしまい...更に醜い話が聞こえてきて、という話。少年の語りとおじさんの著作の二本立てで進んでいく物語。おじさんの話がなぜそこまでうけたのかというと、迫害されていただけという印象のあるユダヤ人が実際に爆撃機に乗り組んで一矢を報いたという話だったからで、なるほどそういう目線もあるんだなと思った。おじさんの自伝から読み取れる東欧のユダヤ人が辿ったあまりにも過酷な運命と、それを踏まえた現代の物語の絶妙なからみあいがなんとも素晴らしい。戦争の酷さをこういう形で上手く描く方法もあるのだな、と思った。素晴らしかったです。

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書店主フィクリーのものがたり

書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・ゼヴィン

素敵な物語。 古き良き「北米文学」 紙の本で、しかも文芸作品を読むという行為が既にノスタルジックになりつつある中でこの物語は古き良き北米(アメリカとは言ってない)文学体験を思い出させてくれる。 ポール・オースター、カポーティ、メルヴィル、フォークナー、ヘミングウェイ、ルーシー・モンゴメリ・・ 本を読むのが大好きだったし、書店が好きだったし、古本屋も好きだった。 しかしいつからか読書から遠ざかり、お気に入りの書店は縮小され、或いは閉店し、気付けば電子書籍リーダーやらスマホやらで活字中毒の禁断症状を癒した事もあった。 『いまやチェーンの大型書店もいたるところで姿を消しつつある。彼の見方では、チェーンの大型書店のある世界よりもっと悪いのは、チェーンの大型書店がまったくない世界だ。』(p.287) この物語は孤独、ひとりぼっちだった主人公たちが読書を通じて、書店を通じて、繋がりを得てゆく物語である。 このプロセスはまるでモンゴメリの『赤毛のアン』よりもむしろ『可愛いエミリー』を読んだ時の体験に似ていたかもしれない。 しかし、やがてAmazonや「電子書籍リーダー」の登場と加齢が迫ってくる。 現代は、活字を、言葉を失いつつあるのだろうか。 むしろ、我々はもう既に十分過ぎるほど言葉を失い、文芸を読むという行為を失い、豊かな感情体験をする機会を失い、共感する心もなくなりかけているのだろうか。 読書は元来孤独な行為だったが、読書をする人はより一層孤独になってゆくのではないか。 このようにも感じる事もある。 そこで、『ぼくたちはひとりぼっちではないことを知るために読むんだ。ぼくたちはひとりぼっちだから読むんだ。ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぼっちではない。』(p.327)というフィクリーの言葉が刺さる。 そして、各表題代わりの短編の名前とフィクリーの名で書かれた読書リストが、最後の最後に活きてくる。 この素晴らしくノスタルジックで素敵な物語体験は本が好きでよかった、としみじみと感じさせてくれる。 古き良き北米文学だった。

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冬の炎

冬の炎 グレン・エリック・ハミルトン

前作が面白かったので手にとってみた。泥棒の祖父に育てられ早くから仕込まれていたのだがいろいろあって陸軍に入っていた主人公。エリートのレンジャー部隊員としてイラクやアフガニスタンに派遣されていたという設定。前作で祖父に呼び戻された主人公、その祖父も亡くし、本作では軍を辞めて新たな生活を始めようとしている。そんな中で祖父の犯罪仲間から金持ちの息子と付き合って家に帰ってこない姪を探し出して欲しいとの依頼を受ける。新たな生活の元手を稼ぎたい気持ちもあって軽く引き受けたのだが、二人を追って行った山荘で悲惨な状態になった死体を発見してしまい…という話。けっこう入り組んだ設定になっているのだが混乱することなく最後まで楽しめたのは作家の力量だと思う。脇役含めた登場人物の設定や描写も良くて早くも自作が楽しみなシリーズになった。

永訣の波濤

永訣の波濤 五代ゆう

栗本薫亡き後、ケイロニアパートの宵野ゆめと、その他パートの五代ゆうの二人体制で、刊行が再開されていた本シリーズも、宵野ゆめが病気?のため脱落し、五代ゆうの一人体制に。去年は一冊しか出なかった。このペースで終われるのだろうか、、激しく不安になってくる。 お話そのものの展開もスローペースで、ヤガの話いつまで引っ張るのという感じ、ずっと読んでる読者はもう若い層でもアラフィフ。そろそろ鬼籍に入り始めてる人もいるくらいだから、ホントにキチンと「完結」させる事を視野に話を進めて欲しいところ。

アガサ・クリスティー完全攻略

アガサ・クリスティー完全攻略 霜月蒼

ハヤカワポケミスのアガサ・クリスティを収集するのに参考にさせて貰っています。 知らなかった作品に星5が付いていたりするので、改めてワクワクしながら購入し、読んでいます。

IQ

IQ ジョー・イデ

面白い。いや、面白い。贖罪と復讐という根の元に選べず、関わった事件を一歩二歩進んだ洞察力で解き、暴くIQは、当たり前だがやはりアメリカ人であり、日本人の描く天才、ないし秀才探偵とはどこか趣きが違う。んー、映画化ありそうだなあ。次作も楽しみたい。

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第六大陸〈2〉

第六大陸〈2〉 小川一水

なるほどー。うまく纏めてる作品です!ただ、5巻くらいまで続篇が書けそうなくらいの魅力ある作品です!そりゃ、『プラネテス』の作者の幸村さんがイラスト描くよね。ぴったりです。