晶文社の本

ミャンマーという国への旅

ミャンマーという国への旅 Larkin, Emma

しりとり読書3冊目。『紙の民』からの「み」ではじまる本。 年末年始のミャンマー旅行のために読んだ本。(感想書くまでに時間あいてもた。) ジョージ・オーウェルのビルマ時代の足跡を追う著者が訪れたのは、オーウェルが感じ取ったビルマそのものなのか、ミャンマーへと姿を変えた新しい国なのか。 そういった社会への問題も描きつつ、彼女が出会った各地の風景や人々の描写も読みどころのひとつ。 国は「国家」が作るのではなく、土地と人が作るものだと思った。 次は「び」からはじまる本。 ブックデザイン 坂川栄治+田中久子(坂川事務所) カバー写真 山本宗補

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橙書店にて

橙書店にて 田尻久子

熊本の本屋、橙書店の店主田尻さんがお店のこと、お店に来るお客さんのこと、本のことなどを書いたエッセイ。この本は「見る」というより「眺める」という感じで触れた方が良いんじゃないかな、と僕は思います。石牟礼道子さんのことが書いてある部分など本の中に食いつきたくなる部分が沢山ありますが、そういう部分だけに注目してしまうと本の流れや雰囲気が楽しめない、味わえないというか。著者田尻さんの文章のなめらかさ、田尻さんとお客さん、田尻さんが触れた本のこと。それらに触れながら本の全体をなんとなく眺めてみて、本の中の世界を楽しむことをおすすめします。

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7袋のポテトチップス

7袋のポテトチップス 湯澤規子

あとがきから読むといいと思う。読み終わったら、食に対して敬虔な気持ちが湧いてくる。周りに勧めまくってます。

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異教の隣人

異教の隣人 釈徹宗

興味深い皆さんが話題に出されていたので手にとってみた。日本の特に関西を中心にいろんな宗教施設や団体を僧侶でもある宗教学者を中心としたメンバーが訪問し対話する、というもの。とりあげられている宗教団体はイスラム教、ジャイナ教、ユダヤ教、台湾仏教、シク教、ベトナム仏教、ヒンドゥー教、正教会、韓国キリスト教、コプト正教、朝鮮半島の巫俗、で他に外国人墓地、修道院、ペルーのカトリックの祭、日本人ムスリム、ブラジル教会、ムスリムのファッション、ラマダン明けの祭、タイ仏教の終末ケア、イラン人の商人、在日クルド人、春節を祝う人達、なども訪れる。共通していることは異郷にあって同一の宗教体験を共有できることが人々の心を強くしている、ということ。文章は記者が手がけていて読みやすく、日本にもこれだけいろんな宗教が入っているのか、という驚きもあり非常に興味深かった。

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cook

cook 坂口恭平

毎週末、podcastを聞きながら料理をする。ぼーっとしながら平日のお弁当に備えるこの行為があることで、私はかなり救われていると思う。 何も考えない、無の時間。それは、自分で自分をケアする時間でもあると思っていた。 この本では、まさに"ケアとしての料理"について力説されている。単に料理ができるようになりたい!というポジティブで元気な原動力なんて、なくてもいい。料理はひとを救うことがある行為なのだと、改めて感じた。

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病気をしない暮らし

病気をしない暮らし 仲野徹

こちらはよく売れた人間がなぜ病気になるのかを説明した本の二匹目の泥鰌として出されたものらしい。タイトルのとおり、病気になりにくくするために日常どういう注意をすればよいか、という作品。前作と異なってこちらは専門用語も少なく非常に分かりやすく自分にもほとんど理解できたと思います。風邪とインフルエンザの違いや、どうして風邪に対する解決策がないのか、またどういう注意をするとよいか、についてが特に良かった。いや、知らなかったな。これは。他にアルコール依存の問題や癌についてなど興味深い内容でした。こういう内容を非常に楽しく読めるというのは意味があるなと思いました。

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毎日ワールド・ミュージック1998‐2004

毎日ワールド・ミュージック1998‐2004 北中正和

14年前の本だけど、世界中のワールド・ミュージックの紹介とそのアルバム。キューバのソンやフィンランドのヨイク、明るく爽やかな風のようなマリの音楽やボスニア・ヘルツェゴビナ、パレスチナの歌や地中海音楽。任意のページをめくり、アルバム全て買えないので、YouTubeで検索して聴いて楽しむ。目と耳でワールド・ツアーに出かけよう!(CMみたいだな)

鯨

鯨 チョン・ミョングァン

母子二代にわたる途方もなく脂っこい大河ドラマ。この長大な物語の荒波を渡り切った後だけに見ることができる景色は、曲者ばかりが跋扈するキテレツな躁状態からは思いもよらない、底なしに深い静かな祈りだった。まさかそんな角度から心をえぐってくるとはー!

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急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる 宮野真生子/磯野真穂

確率論を装った弱い運命論(エビデンスを基にした)もしくは偽装された粗雑な運命論(代替医療)そのどちらでもない合理的な知性の働きというよりも快適さや懐かしさといった身体感覚になじんだ選択。選ぶというよりはすうっとなじむように落ち着くこと。 本書には哲学的な問いかけも数多くあるが、小豆島で書いた手紙の冒頭にグッときた。というか 上記のように身体感覚になじむ。 「私は休みを利用して瀬戸内海の島に来ています。この島では五時半になると「夕焼け小焼け」が流れて、「皆さんお家に帰りましょう」と町内放送で呼びかけられます。思わず私は、小さくてさくっとした歯触りの烏賊(このあたりではベイカと言うそうです)をさらっとお醤油でにつけたものかな。あの煮付たお汁を白いご飯にかけて食べるの、お行儀が悪いけど、おいしいんだよな。 今ある自分の人生とはまったく別の一生を思い浮かべてみる。私が旅に出る醍醐味はこれに尽きます。今の人生に不満がある、というわけではありません。むしろ満足している。けれどもそれでも、自分の人生が全く別のものであった可能性を考えてみることは、私が自分の人生というものを引き受ける上で、大切な思考の手がかりである気がします。」 p.23~24

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原子力時代における哲学

原子力時代における哲学 國分功一郎

フロイトは、幼児期に誰もが持ちながら成長とともに消え失せた全能感は、ある条件が揃うと「誇大妄想」という形で現れるという。 そこで著者は、スタンドアローンで完全に自立・独立できる原子力こそは、その全能感へ寄り添って離れない、つまり「贈与を受けない生」の実現として人間を魅了するのだと位置づけます。 脱原発に対しての分かりやすい理由があったとしても、それは政治的ドクトリンにすぎず、根本からの解決はない。いつでも同じ理由で原発推進に取って代わるだけたからと、安易な賛同を懸念します。 そんな「思惟からの逃避」が原発を推進し続けてきたとし、原子力を使いたくなる人間の心性を、ハイデッカーからフロイトを用いて、じわじわと明らかにする。 とても刺激的な本です。

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レンタルなんもしない人のなんもしなかった話

レンタルなんもしない人のなんもしなかった話 レンタルなんもしない人

レンタルなんもしない人 交通費のみで様々な依頼に答える。 しかし、何かするのではなく何もしない。 まさに空気のような存在。 それでも多種多様な依頼があり、依頼者は満足して いるので面白い。 普通に生活していては経験できないことをたくさん 経験できて少しうらやましい。

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書店に恋して: リブロ池袋本店とわたし

書店に恋して: リブロ池袋本店とわたし 菊池壮一

リブロ池袋店閉店時の店長によるリブロ史、リブロ本は数多く出ているのだが、著者は元々書店畑ではなく百貨店からの入社なので経営に対しての冷静な視線が面白い。 東京時代の20年間は池袋店の新刊台?入口壁面のあの場所が大変参考になり、今の出版状況を一目で把握できるありがたい場所だった。

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樹海考

樹海考 村田らむ

樹海には人を引き寄せる魔力がある。樹海死体マニアのKさんを深く取材して欲しい。

あまりにも真昼の恋愛

あまりにも真昼の恋愛 キム・グミ

最近韓国の本屋や出版事情が話題だけど、文学も面白い。この〈韓国文学のオクリモノ〉シリーズはどれも必読かと。

無窓

無窓 白井晟一

建築の知識は無くても読めます。美意識やイズムにまつわる随筆集です。指針としたい本の一つです。