東京創元社の本

ローマ帽子の謎

ローマ帽子の謎 エラリー・クイーン

新作劇“ピストル騒動”上演中のローマ劇場の客席で、弁護士のフィールド氏が毒殺された。現場から被害者のシルクハットが消えていたことを手がかりに、ニューヨーク市警きっての腕ききリチャード警視と、推理小説作家エラリーのクイーン父子が難事件に挑む!巨匠クイーンのデビュー作にして、“読者への挑戦状”を掲げた“国名シリーズ”第一弾の傑作長編。

ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

ヨーゼフ・メンゲレの逃亡 オリヴィエ・ゲーズ

アウシュビッツの医者でガス室送りの選別をし、囚人達を生体実験でいわば拷問して殺したナチスの医者ヨーゼフ・メンゲレ。敗戦と共に親ナチスだったペロンのアルゼンチンに逃亡した彼がブラジルの海岸で心臓発作で亡くなるまで、をあくまで小説として描いた作品。同じ南米に逃げた戦犯でもイスラエルに拉致され処刑されたアイヒマンと違って最後まで逃げおおせた逃亡生活が追う者達の立場も押さえながらリアルに描かれていてさながらノンフィクションのようでもある。道を踏み外した医者の生家が今では消滅してしまったものの世界的な農機具メーカーであり比較的潤沢な資金援助が得られたこと、また追う側の中心であったイスラエルも中東戦争などより優先度が高い事案が生じたことなどもありあと一歩まで迫られながらも逃げおおせた逃亡生活は追手に怯えながらの惨めなものであったと描かれているのだけども果たしてそのようないわば同情的な筆致が必要だったのか、ベートーベンを口ずさみながら人の生き死にを決めていたという純然たる悪に対してはもっと過酷な運命があっても良かったのでは、などなど考えさせられる作品でした。読み物としてはかなり面白かった。

魔術師

魔術師 江戸川乱歩

とある一家を執拗に狙う犯人。その家の娘と滞在先で仲良くなった明智は、事件に巻き込まれていく。悲劇へのカウントダウン。悲しい笛の音。名探偵も先手を取られてしまう。これでもかと派手な事件が畳み掛けられ、真相もかなり扇情的。読者の心を惹き付け走り切る、大衆作家の本領発揮か。

探偵は教室にいない

探偵は教室にいない 川澄浩平

自主登校拒否をしている甘党鳥飼歩は、凄く頭が冴えていて、偏屈者だ。 日常の謎を、嫌々、推理解説してくれる。 人の心にズケズケ物言う酷い奴だが、ワトソン役の海砂真史が相手だと、笑えてくる。 内容はありがちだったけど、14歳っていう設定が中途半端で新鮮。子供に極めて近い青春ゾーンにいて、大人の顔もできる。ワクワクする世代の話です。

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刀と傘

刀と傘 伊吹亜門

明治維新の頃の京 尾張藩士の鹿野師光と佐賀からきた初代司法卿となる江藤新平が謎をとく連作短編集 維新志士の怪死、密室で発見された刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人等 2人で解決してきたが 近い将来 すれ違っていく2人 離れた鹿野と追う江藤 離れても心の奥底では親友だと思っていたと信じたい

白銀の巫女

白銀の巫女 乾石智子

オーリエラントの魔導師シリーズ【紐結びの魔導師】全3巻のうち2巻 1巻目で集まったキャラクターの姿をすぐに連想出来るまで、少々時間を要してしまったが、ここは押さえどころなのでしっかり頭に叩き込む。前巻での盛り上がりを復活させて、いざ! 余裕のあるリクエンシスもテンパってるお茶目なリクエンシスも大好きだ。 魔導師は闇と共に生きる。辛いです。 縦横無尽にキャラクター達は脳内で活躍しました。 最終ページまで読み進めたにもかかわらず、もう一枚めくってしまった私。そうだよね、3巻が最終巻でした。 早く次が読みたい。 大人ファンタジー渋い。 ああ、他の魔導師も読みたくなってきた。

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魔術師ペンリック

魔術師ペンリック ロイス・マクマスター・ビジョルド

ビジョルドの新作は五神教シリーズの新作。 なんと本シリーズは2018年のヒューゴー賞最優秀シリーズ賞を受賞したとのこと。 今回の主人公は、田舎貴族の三男坊でお人好し美男子のペンリック。 本書は彼が偶然にも、あれよあれよと言う間に10人の女性と2匹の動物を宿した「魔」を受け継ぎ、彼女らの助けを借りながらやがて一人前の魔術師へと成長していく姿を描く3つの中編が収められている。 魔を管轄するのは曲者、庶子神であるから、当然ペンリックたちが遭遇するのも、ひねくれた変わった事件ばかり。 その度に彼とデズデモーナ(10人の女性たちの総称というか…)の名コンビが難事件を推理し解決する、というミステリー要素と、さらに過去のシリーズよりコメディ色が強い作品になっているので読みやすさはピカイチだと思う。 末っ子らしい愛嬌と素直さ、けれど意外と芯の強いペンリックは、老獪な女性(たちの集合体)デスデモーナも心を許し、厳格な王女からも信頼を得る、と熟女たちを陥落させるツボをしっかり押さえている。 そして複雑な設定と奇抜な登場人物たちを、自然にしかも無類の面白さで描くビジョルドの「読ませる力」に惚れ惚れする。 未訳作品もあるようなので、続編に期待。

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夜は千の目を持つ

夜は千の目を持つ ウイリアム・アイリッシュ

2018 12月 課題本 前半の物語と後半の警察介入で話が代わり、どう展開していくのか見ものでしたが、最後はなんだ…という印象です。 目に見えないものへの恐怖は今よりももっと大きかったことを考えると、仕方ないのかも。 全般通して私の感想は ロマンチックだなぁ~(笑) だって~タイトルカッコイイよね!

ミステリを書く! 10のステップ

ミステリを書く! 10のステップ 野崎六助

小説の書き方と言うか、その前段階の練習についても書かれている親切な本。ジャンルに限らず小説全般に通じる考え方な気もする。個人的には、また読本にお決まりの古典ミステリのネタバレに当たり、打ちひしがれるなどした。自業自得なので、いい加減に学習すべき。

魔導の黎明

魔導の黎明 佐藤さくら

著者が巻末に書いたように、登場人物は欠点だらけで、欠点というか致命的な何かを背負っていたりするけれど、そういうものを一切持たない人間がいるだろうか? タイプの違う登場人物たちのそれぞれの悩みに共鳴し、疑問を呈し、呆れながら「私にもこういうところあるな」と思わされる。そこがこの物語の魅力なんだろう。 レオンが禁術の只中で感じた世界が、この物語の全てであるように感じた。