河出書房新社の本

白磁の人

白磁の人 江宮隆之

何気なく古本屋さんで100円で出会ったが、これは陶器について学ぶ上でも民芸について考えていく上でも大変大切な1冊だと思いした。文も読みやすく厚さもあまりないので、陶器についても韓国の陶芸についても日本の民芸についても知らなくても、抵抗なく読めます。映画化されてもおかしくないなーと思ってたら2012年に映画になってましたね!

水曜の朝、午前三時

水曜の朝、午前三時 蓮見圭一

1日1日を生き抜くことが精一杯になる人もいる。 そんな状況にいつ誰がなるかは、誰もわからない。 少しでも楽に、更なる便利さを求め、陰口に反応し、周囲と比較して優越感にひたるために、われわれは過剰にエネルギーを費やしているのではないだろうか。 その分、近くの愛する人と、特別でもなんでもない、他愛ない会話を重ねたい。 それを幸せと思える人間になりたい。 そう思わせられた。

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オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題: 「あなたは自分を利口だと思いますか?」

オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題: 「あなたは自分を利口だと思いますか?」 ジョン・ファーンドン

知識は勿論、思考能力を試される問題ばかり。正解がある問いもあればないものもある。各分野の有名な問いを知るのにも良い。 問いに対する考え方の提案をする形で記述されているため、本著を読むだけで満足せずさらに理解を深めるきっかけにしたい。

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これから泳ぎにいきませんか: 穂村弘の書評集

これから泳ぎにいきませんか: 穂村弘の書評集 穂村弘

穂村弘さんの書評集。週刊文春で月に1回載っている穂村さんの書評を何回か読んだことがあり、この本も面白いだろうなと。僕は前のめりな気分でこの本を読みました。書評が曲芸的で、展開が全然予想できない。「この説明だから、こういう結末になるんだろうな」とか考えて読んでいる余裕がない。どこにたどり着くのかわからないスリリングな感じ。最後まで穂村さんに主導権を握られているな、という気分にも。色々書きましたが難しい本ではないと思います。読みやすい。けれどもこの本は読みごたえも内容もかなり凄いのではないかと。

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はい、チーズ

はい、チーズ カート・ヴォネガット

「耳の中の親友」-心の内なる声と会話をすることができる補聴器型の新製品「コンファイドー」を作った男は一攫千金の夢を見る… 「FUBAR」-重病の母親の医療費を稼ぐために閑職をやめられず、拗ねたように生きていたファズの元にある日、美人の新入社員が部下として配属されて… 「エド・ルーピーの会員制クラブ」-結婚式記念日に予約したレストランで街の有力者と喧嘩になり、殺人犯の罪を着せられ収監されてしまう夫婦の一夜の物語… などの短編が14編収録されている。去年、カート・ヴォネガットの、スローターハウス5、猫のゆりかご、タイタンの妖女(これは訳が合わなくて挫折…)などを読んで、普通ではない物語構成とアンチクライマックス的な展開に驚いたけれど、この短編集は、どれもちょっと不思議なアイディアと、技巧的なストーリーテリングに、素直にわくわくさせられる感じでどれも上手い。 喩えるなら、奇怪な絵を描くピカソのデッサンは驚くほど上手い、というあの逸話のよう。 どの短編も満足感があるし、なにしろ彼の引き出しの多さに驚かされた。

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楽園への道

楽園への道 マリオ バルガス=リョサ

ペルーの大統領選挙にも出たことがあるノーベル賞作家バルガス=リョサが描くゴーギャンとその祖母の物語。血縁以外に直接の接触がないこの祖母と孫の物語が交互に進んで行く形式。何故、ペルーの作家がフランスの画家を取り上げるのか、と思ったらゴーギャンの祖母はペルー人がフランスで産ませた私生児なんだそうだ。金融業界で成功していたのに絵にハマり、同居していたゴッホが自分の耳を切り落とした現場にも居合わせた上、最後はタヒチに渡ったダイナミックな画家の生涯はそれだけでじゅうぶん物語になると思うが祖母はそれに輪をかけて凄い人だった。私生児として産まれ、勤めた工場の主に見染められて結婚するもどうしてもその男に耐えられず当時の女性にしては考えられない行動〜家庭からの脱走〜にでて、夫から逃げる過程で自らのルーツを知ってペルーに単身渡航、そして再びフランスに戻り、女性の地位向上と労働者の地位向上の活動家となってイギリスやフランス各地で労働組合を作る活動をしていたのだそうだ。マルクスよりも前に労働者の団結を訴えていたこの女傑の話と、芸術に導かれて「真っ当な」人生からどんどん足を踏み外していくその孫の話が交互に。これが面白くならないわけがない。南米文学によくあるマジックリアリズムとは違い硬質だけど人称の混在と使い分けによって読むものを幻惑するような独特の感じも良くて素晴らしかった。

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家と庭と犬とねこ

家と庭と犬とねこ 石井桃子

装丁も石井桃子さんらしい雰囲気で良い。子どもの本を多く世に送り出した石井さんの人柄を初めて知った。多く共感できるところがあった。戦後間もなくの日本の暮らしを石井さんが語ると他の作家とは視点が異なり一等身近に感じられた。

学校の青空

学校の青空 角田光代

もっと今よりもっと若い頃、高校生とか10代の頃、命が軽かった気がする。でもそれは悪気があるわけじゃなくて無知ともまた違って、エネルギーばかり有り余ってそのままいつでも死んでしまえそうな感覚の中で生きているから仕方がなくて。そんなどうしようもない狭い世界の中で必死に生きる少女たちのお話。

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ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所

ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 ダグラス・アダムス

万物は相互に関連してるんだと嘯きながら猫探しにバーミューダ諸島まで行っちゃう私立探偵に決算書を音楽にしてしまうソフトを開発してるプログラマー(しかもその音楽がだいたい暗いってのも笑ってしまうが)、何でもかんでも信じ込む電動修道士やらヘンテコな人物がぎっしり活躍するミステリー小説らしからぬミステリー小説。作者はあの『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズの作者ダグラス・アダムス。 イギリス人らしいひねくれにひねくれまくったギャグと皮肉、ちょっとしたショートストーリーになりそうなエピソード満載という贅沢な仕様でありながら、しっちゃかめっちゃかにとっちらかった(ように見える)ストーリーを最後の最後であっというまに、その上そこかしこにばら撒かれた伏線をさくさくと回収しながら収まるべきところにストンと収束させていくというとんでもなさ。 小説というのはこういう時間の優雅な無駄使いにあるんだなーと思わされるような得難い読書経験。

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海駅図鑑 海の見える無人駅

海駅図鑑 海の見える無人駅 清水浩史

日本全国の孤島を巡る「秘島図鑑」を書いた清水さんの二作目は全国海の見える駅30選。 無人駅であり、展望が極めて優れている事、レトロ感、人気が少ない、駅周辺に見るべきスポットがあるなどなど、こだわり抜いてセレクトされた海駅の数々が美しい。 これだけの数の駅を2年間で見て回れる行動力が真剣に羨ましいのであった。

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レヴィ=ストロース まなざしの構造主義

レヴィ=ストロース まなざしの構造主義 出口顯

P189 他者のまなざしをまなざし、他者に映った自らの姿を見つめ直し、かつそれを同胞に伝え、ときには反省を促すこと、それがレヴィ=ストロースのいう「遠いまなざし」であるが、だとしたら、レヴィ=ストロースは、現代のシャーマンともいえるだろう。

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