河出書房新社の本

吉田秀和

吉田秀和 河出書房新社編集部

なぜ今、吉田秀和なのか?分からないけれど、僕のクラシック音楽の趣味や嗜好や生活や行動は彼によってほぼ出来上がったので、本屋で見つけて速攻で買いました。つまり、丸谷才一氏曰く、われわれクラシック音楽愛好家は吉田秀和によって創られた。 追伸 西洋史の堀米さんとの対談の中で、ひとつ、誤植見つけた。でも、この中にも出てくる、武満徹や東野芳明との対談もすごく面白くて、禅問答みたいで、つい見逃しちゃったんだろう。

マーラー

マーラー 吉田秀和

「マーラーはむずかしい、私には。」いきなり、こんな言葉で始まる。好き嫌いを通り越した体験の記録としてのマーラーを聴き記す。そう、マーラーは「私の時は、いずれ、来るだろう。」と言ったという。

履歴書代わりに

履歴書代わりに 吉村昭

敬愛する吉村昭。 彼のエッセイを読めすぎて、もはや既視感しかないけど、それでもやっぱり好き。 終盤に載っていた青春〜の話は、淡々としていてそれでいて氏の死生観が表れているところが素晴らしかった。

三日月少年の秘密

三日月少年の秘密 長野まゆみ

2019/2/10読了 大好きな「天体議会」「三日月少年漂流記」と同じシリーズではなかった。初期の長野まゆみの文体を期待して読むと、やっぱり違うなという感想。 書き下ろしと文藝に掲載された二つの中編で構成されているけれど、後半の「鞄の秘密篇」が特にわかりにくい。

総特集 森見登美彦

総特集 森見登美彦 河出書房新社編集部

『熱帯』を読み終わった時確信した。 これはモリミーの集大成だと。全部入りだと。 そして時を同じくして15年を振り返るこの本が出た。 あまりの充実さ、内容の濃さに カルピスの原液かと思った。 ロングインタビュー、全著作解説エッセイ、 単行本未収録小説などなど。 何より最高だったのが盟友明石氏との対談。 夢かよ!と。リアル『太陽の塔』じゃねぇか!と。 『熱帯』は「読み終わるのか?」と思ったが、 この本は「読み終わりたくない!」と心底思った。 ともあれこれより森見登美彦は、 フェーズ2に移行する!

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台風一過

台風一過 植本一子

「台風一過」植本一子著河出書房新社、この日記文学シリーズも4冊目。うちの本棚にも4冊目が並ぶことに。YouTubeおすすめで動画が出てくるの場面での下の娘さんが小声で耳打ちする言葉にはっとするというか心が揺さぶられる。挟み込まれる写真の光線の具合が良いな。

〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。

〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。 レンタルなんもしない人

大学院まで出て凄いことを始めたのだなと。なんもしない、個性を出さない、距離は縮めないけども孤立させない、お金に縛られない、AIに対抗しない。無気力という訳ではない、よく考えている著者だというのが印象。共感出来ることがいくつかある不思議な読後感。

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夢も見ずに眠った。

夢も見ずに眠った。 絲山秋子

淡々と静かに進んでいくのだけど、どこかですれ違いそして、後半にかけてのぐんぐん雲が晴れていくような雰囲気がすごい。こういう夫婦関係も素敵な気がした。

趣味で腹いっぱい

趣味で腹いっぱい 山崎ナオコーラ

働かない人は駄目な人という風潮と生き辛さを強く感じる現在の社会において、おおらかに趣味に生きる人たちが魅力的に描かれていてます。読んでいて楽しくなります。 生産性は無くとも、心の豊かさや癒しを周りの人に与えてくれる、そんな趣味人の目に見えない価値を教えてくれて、またどんな人も肯定してくれるような優しい気持ちになる作品です。

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いつか深い穴に落ちるまで

いつか深い穴に落ちるまで 山野辺太郎

日本とブラジルを繋ぐトンネルを開発する会社の広報課の物語。 突拍子もない計画のすぐそばで発表することのない原稿を書き続ける、広報課、鈴木一夫。 穴を掘った副産物の温泉に浸かりながら、彼はいつか来る計画の完成を待っている。 そして深い穴がトンネルになったとき、彼は物語の表舞台へと登場する。 いつか深い穴に落ちるまでの軌跡がこの物語であり、鈴木一夫の仕事なんだ。 鈴木の意志を継いだ後輩、大森が語る鈴木の最後の様子。語り手を大森にするなんて、洒落た演出じゃないか、ほんとに。 もしほんとうにこんな事業が秘密裏に行われていたのなら、そしてどこかに鈴木がいたのなら、いや、やめておこう。 この計画を表沙汰にするにはまだ早い。 ぼくたちの社会がもう少しゆとりとユーモアを取り戻すことができたなら、大森よ、存分にプレスリリースを発表してくれ。 ぼくたちはまだ深い穴に落ちる準備ができていないのだから。

クイーン

クイーン 

映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観て、久しぶりに本棚から引っ張り出して再読。 もうすぐ自分もフレディが亡くなったのと同じ歳になるのかと思うと、未来に何かを遺す仕事をしなくては、と焦りを感じます。

すみれノオト ---松田瓊子コレクション

すみれノオト ---松田瓊子コレクション 松田瓊子

日本にも、戦前まではこんな「良識ある両親に育まれ、クリスチャンとしての信仰を守り、純粋で無垢で可憐なお嬢さん」が本当にいたんだなぁ… 今はもう、絶滅してしまった、そんな「お嬢さん」の描く、可憐で繊細で美しい物語。 美智子妃殿下が作者の愛読者だったのも頷ける。 ただ、作中で、19歳の自分を「こども」と自称するのはどうなんだろ?昔はもっと早熟だったのでは(女学校卒業してすぐ嫁ぐとかありふれた話だったみたいだし)?今の19歳の女の子でも自分を「こども」とは言わない気がする…ちょっと違和感。