河出書房新社の本

クイーン

クイーン 

映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観て、久しぶりに本棚から引っ張り出して再読。 もうすぐ自分もフレディが亡くなったのと同じ歳になるのかと思うと、未来に何かを遺す仕事をしなくては、と焦りを感じます。

総特集 森見登美彦

総特集 森見登美彦 河出書房新社編集部

『熱帯』を読み終わった時確信した。 これはモリミーの集大成だと。全部入りだと。 そして時を同じくして15年を振り返るこの本が出た。 あまりの充実さ、内容の濃さに カルピスの原液かと思った。 ロングインタビュー、全著作解説エッセイ、 単行本未収録小説などなど。 何より最高だったのが盟友明石氏との対談。 夢かよ!と。リアル『太陽の塔』じゃねぇか!と。 『熱帯』は「読み終わるのか?」と思ったが、 この本は「読み終わりたくない!」と心底思った。 ともあれこれより森見登美彦は、 フェーズ2に移行する!

旅する温泉漫画 かけ湯くん

旅する温泉漫画 かけ湯くん 松本英子

かけ湯くんという猫(たぶん著者の分身)が色んなところの温泉に入りに行くという漫画。温泉に行く道中、入っているときの出来事、温泉がある街の光景など色んなことの描写、説明がまあ細かい。温泉や宿、食べものやアルコールなど、色んなものへの執着心が著者の松本さん強いなあーと思ってしまうぐらい細かいです。お風呂に入って絶景見たりいい気分になったなどの良いことも、浴場内でのいざこざに巻き込まれてしまうなど良くないことも両方描いてあるのが特徴的です。でもやはりいい湯、いい光景のページ。見ているとここに行きたいなー、温泉浸かりたいなーという気分になりますね。

IKEAマニアック

IKEAマニアック 森井ユカ

日本のイケアストアの裏側から、スウェーデンのIKEA museumまで出かけて、イケアデザインや会社の倫理などを体験されている、まさしくIKEAをまず知るにはもってこいかな。 IKEAを深く知りたい方向けの本も紹介されている(IKEAストア限定本から本屋に流通されてる本も含む)。

グレースの履歴

グレースの履歴 源孝志

男女の関係という視点から、人生の生き方について書かれた作品。 どこか淡白で、慈愛に満ちた登場人物達が面白く、ストーリーもすらすらと頭に入ってきました。

11 eleven

11 eleven 津原泰水

近藤ようこさんの『五色の舟』が、とても良かったので原作を読みたくなり、初津原泰水氏作品。

きょうのできごと、十年後

きょうのできごと、十年後 柴崎友香

きょうのできごと、の十年後。私の好きな女の子二人に、優しい中沢くん、顔がかっこいいかわちくん、十年後も頑張ってる正道くん、顔が似ている男の子二人。いい意味で、"彼らの十年後だけ"を見れて本当に嬉しい。それはこの日が来るまでの日常を知ってしまうよりずっと意味のあることで(もちろん日常を知れるなら膨大な量でも読みたいですが)、こうして生きてて、ままならなくて、そんな一夜は十年前のあの晩を思い出すにはぴったりの日で、この日がずっと続けばいいのにな、なんて思いながら読んだ一冊でした。

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すみれノオト ---松田瓊子コレクション

すみれノオト ---松田瓊子コレクション 松田瓊子

日本にも、戦前まではこんな「良識ある両親に育まれ、クリスチャンとしての信仰を守り、純粋で無垢で可憐なお嬢さん」が本当にいたんだなぁ… 今はもう、絶滅してしまった、そんな「お嬢さん」の描く、可憐で繊細で美しい物語。 美智子妃殿下が作者の愛読者だったのも頷ける。 ただ、作中で、19歳の自分を「こども」と自称するのはどうなんだろ?昔はもっと早熟だったのでは(女学校卒業してすぐ嫁ぐとかありふれた話だったみたいだし)?今の19歳の女の子でも自分を「こども」とは言わない気がする…ちょっと違和感。

俺のオーディオ

俺のオーディオ 寺島靖国

インシュレータの置く位置や個数、ケーブルで一喜一憂。最高の音に出会えてもしばらくすると次を探す。仲間のいい音を聴いて打ちのめされる。とても楽しそうである。何より「いい」ではなく「俺の」音を探しているのが格好いい。ところで塩梅って音楽好きの口癖でしょうか。再読。

神田松之丞 講談入門

神田松之丞 講談入門 神田松之丞

ほんとチケットがとれない神田松之丞の高座、それでもフジ系「白昼夢」(いとうせいこう・NGT48中井りか出演のさまざまな師匠にあって話を伺うドキュメント。まもなく「カメラを止めるな!」監督も登場予定のようなので気になる人は今からチェックしておきましょう)で二週に渡って登場では「天保水滸伝」の一部平手造酒の講釈を少しだけれど見ることができた。新刊が出ているのは紀伊国屋新宿店で確認、図書館ですぐに借りられるのはありがたい。ホンモノの講談のその表現の数々はつかまえることはできないが「物語を伝播する」芸の面白さに想像を逞しくする。元々、講談のそれは山田風太郎の忍法帖明治ものの下敷きにもなったり、紙芝居からくる和製テレビアニメの初期中期の骨格にもなっているため、五十男には講談のそれを体験してなくても楽しみたいと思う素地は存在してるんだよね。 「江戸の闇に惹かれる現代人」に言及する松之丞、それは「平和な現代」だからこそと言うが階級制貧富の差、それを飛び越える悪のヒーローへの憧憬は今の世相と合致すること故ではないのかな、と自分は思う。

死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相

死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 ドニー・アイカー

冷戦時代のソ連であった謎の遭難事故にとりつかれたアメリカの映像作家がその謎に迫った作品。冬のウラル山脈にトレッキングに出かけた大学生達9名。彼らは切り裂かれたテントから1キロほど離れたところで氷点下の雪山なのにろくに服も着ておらず靴も履いていない状態で、しかも何人かは大怪我しており一人は舌がなくなって発見された。しかも一部の遺体からは放射能が検出され、という事件で今に至るまで真相は明らかになっていない。冷戦時代の事件ということもあって西側にはあまり伝わっていなかったのだが、偶然の経緯でこの事件のことを知ったアメリカの映像作家は生まれてから一度も雪山に近づいたこともないのに真相に近づくためにロシアに渡り、事件の調査とともに雪のウラル山脈にも入る。そうした努力の甲斐もあって真相に近づくのだが…という作品。よくまとまっていて読みやすく彼が突き止めた「真相」もそれなりに説得力もあるのだけどちょっとあっさりしてるかな、というところと、もう少し検証できたのではないかな、という気もする。コンピュータシュミレーションとかで検証できるのでは、という気もする。できたらこの説をきちんと検証してもらいたい。それにしても最終章はジャック・ロンドンっぽくてなかなか身に迫る怖さがあった。読物としてはかなり面白かった。

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