福武書店の本

サラサーテの盤

サラサーテの盤 内田百けん

チゴイネルワイゼンの作者、サラサーテの自作自演の録音には、本人が何かを言っている声が入っている。それを聞いて、死んだ同僚の妻が、「いえ、いえ、違います」と呻いて泣きだすのだ。この短編集は何か不思議な不合理な世界に引き込まれてしまう。

白河夜船

白河夜船 吉本ばなな

これは再生の物語 何もできなくて、身動きすらできない悲しみのなか、ただ眠ることだけが救い ゆめなのかうつつなのかわからないなかで見る、 いなくなってしまったあの人の幻 でも、眠りはいつか再び立ち上がるための休息 人にはそういう時間が必要なときがある とてもよい本でした

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キッチン

キッチン 吉本ばなな

『キッチン』の夜中のラーメン。『満月』の伊豆のカツ丼。読み返すたびに、食べて生きて命をつないでいく人類の営みに思いを馳せる。私たちって本来はものすごーく単純な生き物なんだよな。

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お供え

お供え 吉田知子

日常的風景から突然悪夢のような非現実へ突き落とされる、そんな不気味な世界がループされるような感覚を得た。

狂人日記

狂人日記 色川武大

「自分は生きるに値しない。それを記せば身も蓋もない、のだから嫌になる。生きるに値しないのが、生きないわけにもいかない。」 色川作品の中では笑いも少なく、ずっと抱いてきたテーマを真摯に掘り下げた作品。最後の主人公の台詞が、みっともなく切なくて、もう。