筑摩書房の本

評伝 獅子文六

評伝 獅子文六 牧村健一郎

0175 2020/01/28読了 娘と私、また各小説のあとがきや解説などで何となく知ってきた獅子文六の半生を知れた。「昭和」という時代も知れる。 今のところ私が読んだ作品は再評価後に人気になった作品が多いぽい。戦中・戦争直後の作品の方が当時は人気だったようだ。 まだ読んでない作品もどんどん読みたいし、映画も観たい。

ことばの教育を問いなおす

ことばの教育を問いなおす 鳥飼 玖美子/苅谷 夏子

毎日会話しているようで、実は極端な省エネモード(摩擦を起こさず通りのよさそうな言葉で間に合わせ、かんたんに共感しやすい短い言葉を多用する)を繰り返す日々を過ごしていることを実感。 思考力を鍛えるためには、小さな違和感を大切にして使う言葉を丁寧に選びたい。

世界最強組織のつくり方

世界最強組織のつくり方 國井修

その辺のビジネス書とは一味違うマネジメント論理。何せ、この組織はHIV、結核、マラリアの三大感染症を相手に、公的私的を問わず資金を集めてきて闘う国際組織。そこでは、徹頭徹尾実践的な「マネジメント」が求められる。医療福祉という結果が数字で読みにくい分野で、どのように目標を設定するか。説明責任(accountablity)と実行責任(responsibility)との差異。組織の目的と、個々人の働きをどう結びつけるか。ステークホルダー全員を動かして、プロジェクトを遂行するという断固たる意志と行動力に支えられて彼らは今日も任務を遂行する。組織論としても大変示唆に富む内容。

ザ・ヌード

ザ・ヌード Clark, Kenneth McKenzie

著者が日本語版への序文でいうように、「本書の基本的な議論は、〜紀元前五世紀のギリシャの流れを受けていない文化圏においては理解しえないに違いない」。バッハの宗教曲をどれだけ理解しているか、同様、この600ページの本を読むのにはかなりの忍耐を要する。 それでも読むのは、人間の裸体の表現に西欧の人々は何故これほど執着するのかという疑問からだ。 答えは?んー。

変半身

変半身 村田沙耶香

いつからかわからないのだけど、確かに幼い頃、今生きているのは、生かされているのは「期限付き」なのであって、何か悪いことや失敗をすると、「えーと、じゃあ終わりね」と宣告されてしまうものだと、和式トイレにしゃがんでお腹を一人さすっていたのを思い出す。 とうぜん今はどうしてそうなっていたのかわからないのだけれど、その時は「そう」としか言えない、身体で諒解していたわけで、信じるというのはそういうものだ。 村田沙耶香『変半身(かわりみ)』。どう言えばいいのか、言葉に窮する。とてもラディカルだけど、心地よいのは何故なのか。「本当」というベールを何枚も何枚も脱ぎ捨てて、別のベールを被っては信じるの繰り返し。どうしようもない人間が「ポーポー」叫び倒す。その先にあるのは全く同じ構図で、タマネギの皮よりタチが悪い。 村田沙耶香の小説は『コンビニ人間』しか読んだことはないけれど、残酷さをさらりとむきだしにするから、とてもある意味で倫理的な現象を読者に換気する。自分が倫理的な存在なのだと気付かされる。 『コンビニ人間』も『変半身』も人間についてのはなしだ。小説はだいたい、人間についての話だけれど、正確にいうと、人類、ヒトについての話だ。どこか生物学的で、文化人類学的で、種としてのヒトを扱っている。だから、村田沙耶香の描く人間は強い。次々に別のものを信じていくしかないどうしようもなさは「弱さ」ではない、むしろそこにあるのは種としての「強さ」だ。 ひょっとしたら、僕が語ると次々に出てくる「本当」にクラッシュして、皆が手を繋いで海に飛び込む人間を描いてしまうことになるかもしれない。けれど、種としての人間はそんなことをしない。だから、村田沙耶香のこの小説は、「人間を脱ぎ捨てる」にも関わらず、とってもヒューマニズムな小説で、面白い。 ちなみに『人間が終わる』ということについて僕は別の方向があるのではないかと思っていて、それは中沢新一とかそっち側に何かあるんじゃないかと思っている。備忘録ついでに。

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自公政権とは何か

自公政権とは何か 中北浩爾

大学の恩師の著書。 選挙制度と政党の関係から連立の枠組みの論説に加え、90年代以降の日本の政治における連立の歴史をわかりやすく論じている。 とてもわかりやすく、リアリティのある内容でとても面白い。

沙羅乙女

沙羅乙女 獅子文六

0128 2019/07/31読了 今までに読んだ獅子文六作品の中で一番衝撃的…。 ドタバタ劇はいつものことだが、ハッピーエンド?なのか?ハッピーにならないなんて…。切ないままだった。 今だから戦争がどうなっていくかわかるけど、当時の人たちはどう考えていたんだろう?吉郎が軍需工場のことをさらっと話しているのをみるとドキッとする。 大団円でいいのかな〜?!というラスト。

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死体は誰のものか

死体は誰のものか 上田信

自体の扱いが宗教や文化によって異なることが明らかにされておりとても面白かった。特にキョンシー(見たのはだいぶ前だけどうろ覚え)がなぜああなのか、それが理解できただけでも有意義

やっさもっさ

やっさもっさ 獅子文六

0170 2020/01/15読了 限定デザインの崎陽軒デザインカバーがかわいい。 元のカバーの束芋さんのイラストも、読み終わった後に見るとなるほどなあと。作品を要約したようなイラストが素敵。 ドタバタ喜劇。戦後の横浜の暮らしがわかる。喜劇だけど、横浜の戦後現実がリアルで大変な時代がこの街にもあったんだなと改めて思った。獅子文六自身が出身であり、住んでいたこともあって、横浜の街並みの描写が細かい。他の作品よりも風景がたくさん出てきて細かいなと感じる。 登場人物もみんな愉快。左右田寧もっと出てほしかったな! そして女性が力強い。亮子はもちろんだがいわゆるパンパン達や園長など、女性キャラが強くてたくましい。

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猫語の教科書

猫語の教科書 Gallico, Paul

0161 2019/11/26読了 猫語…!そういうことか! まさか猫視点の解説本とは思わなかった。こうして私たちは猫に服従させられてるのか…。声なしのニャーオ聞きたいなあ。

言の葉(2)

言の葉(2) 茨木のり子

あの、自分の感受性くらい自分で守ればかものよ、の茨木のり子さんの詩とエッセイ集。 中でも面白かったのは、金子光晴さんについて。金子さん自体が面白いのに茨木さんのエッセイ。面白くないはずがない。その中で言う、チェホフの名言、「男とつきあわない女は色褪せる/女とつきあわない男は馬鹿になる」また、金子さんの詩、「おれは六十で/君は十六だが、/それでも、君は/おれのお母さん。」