角川春樹事務所の本

おやすみ、東京

おやすみ、東京 吉田篤弘

夜に出歩くと、少し不思議で楽しい、そんな縁に恵まれる気がする。あんなにたくさんの人が住んでいる東京で、偶然にもまた会う人がいて、そこから仲良くなったり。なにもかもばらばらに見えて実はほんの一筋違う道を歩いていただけ、みたいなことがたくさん起こるこの世界で、この本の中の夜の住人たちの世界に少しおじゃまさせてもらいたくなった。

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店長がバカすぎて

店長がバカすぎて 早見和真

作中で小柳さんという人が言っていました。 物語の持つ力の一つは「自分じゃない誰かの人生」を追体験できることだと。 けれど、読み終わった僕は思ったのです。 「これは自分の人生かもしれない」と。 会社から、 版元から、 お客様からの理不尽に耐えながら、 時に苛立ちながら、 何故書店で働き続けているんだと。 それはもう 「本が好きだから」 という一点でしかないのです。 それでも溢れ出る不安に、 立ち込める暗闇に、 優しい一筋の光を照らしてくれるような小説でした。 「なんてタイトルなんだ」と思うでしょうが、 最後は「これしかないな!」と納得します。 あと、 この本で「天中殺」という言葉を覚えました(笑)

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救いの森

救いの森 小林由香

児童保護救済法が成立して、非常の時は児童救命士が子供達を救う。という世界で、新人児童救命士が成長していく話。4件の事件の物語。 長谷川を指導する新堂の機転により事件は解決し、長谷川はこの仕事の奥深さを学ぶ事になる。 「なにかを選択できる大人になるまで生きる事」その言葉が、これらの問題の根深さを語っているだろう。 長谷川と一緒に涙した。

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今日のハチミツ、あしたの私

今日のハチミツ、あしたの私 寺地はるな

2年間同棲した安西に連れていかれた故郷で彼の父親に結婚を反対された碧。 彼女は、中学生の頃に偶然出会ったハチミツを手掛かりに、頼る人もいない場所で自分の居場所を求めて孤軍奮闘する。 食べ物をテーマにした小説はどれも好きだ。 登場人物が何かしら食べていてくれると、心底安心して先を読むことができる。 拒食症に悩んだ碧の、どんな時も自分と、そして目の前の人にちゃんとしたものを作って食べさせようとする姿勢に共感を覚えた。 蜜蜂たちが懸命に集めた金色の恵みが、人間の寂しさや悲しみを癒す薬になる。 それは人間の毎日が、小さな自然の恵みによって支えられていることを再認識させてくれる。

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散歩するネコ れんげ荘物語

散歩するネコ れんげ荘物語 群ようこ

れんげ荘物語、第4弾。主人公にもそれぞれの住人たちにも大なり小なりの変化が起きるけど、相変わらずみんな平凡につつましやかに生きている。なんかうれしい。私もベランダの花を摘んで部屋に飾ろうかな。 続きが楽しみです。

九十九書店の地下には秘密のバーがある

九十九書店の地下には秘密のバーがある 岡崎琢磨

人は失敗しながら多くのことを考え成長して行く。 周りの人から見れば大したことでなくても、本人にとっては耐えられない悩みになることもある。 そんな時に受け止めてくれる場所や人がいる(できる)と、心の底から感謝したい気持ちになる。 この本は、自分で立って歩くための「居場所」とは何かを教えてくれる物語。 どんなにどんなに頑張っても、自分一人で立てずに動けなくなることはある。 人や場所、本や経験が背中を押してくれるきっかけになることを物語を通して伝えてくれている。

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幻想古書店で珈琲を7 あなたの物語

幻想古書店で珈琲を7 あなたの物語 蒼月海里

今巻で完結。 思えば、ただただ頼りないだけの司が、だいぶ地に足ついて来たと思う。彼の本には何かまた文字が現れていたんだろうな。この先も紡がれていくんだろうな、と思える終わり方。ここ物語らしくて素敵な終わり方でした。

くらまし屋稼業

くらまし屋稼業 今村翔吾

ノンストップエンターテイメント時代劇とはーーまさしく! 「くらまし屋稼業」平九郎一味は、一癖も二癖もある、其々に謎を背負ってる人達の集まりです。知恵を使っての「くらまし」も小気味がいい。 シリーズ敵役も堂々登場!これから、如何に話が進んで行くか、楽しみです。

おやすみ、東京

おやすみ、東京 吉田篤弘

深夜1時に、さまざまな人のもとに些細なできごとが起こり、そしていつの間にか皆がつながってゆく。東京だったらこういうことも起こるのかなあ、でも(私の住む街は人が少ないからともかく)あれだけ人が多いとそうは起こらないよなあ…と思いつつ、ではどこに話が収束して終わるのかなあ…と、ここちよい困惑が楽しかったところです。 1度に読まないと、この登場人物って何をしてる人なのか、わからなくなりますね。それより著者としては、「その情報は、作中世界の理解に重要じゃない」と思ってるからこそ、そのあたりを伺わせることまでほとんど明記していない。その気持ちはわからなくはないものの、私には人の区別がつかなくなってしまうんです(特に女性陣)、おおよその年齢すら全くわからないと…。

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夏の戻り船 くらまし屋稼業

夏の戻り船 くらまし屋稼業 今村翔吾

第三弾。今回の晦ましは、故郷に帰りたい将翁。幕府の思惑に阻まれ、政治の暗躍に阻まれ、謎の集団「虚」の思惑に阻まれている。さて、どうやって余命いくばくも無い老人を眩ませるか!人情と豪剣と知恵が話を盛り上げます。

童の神

童の神 今村翔吾

わかってはいたけれど、ラストが泣けて……。 登場人物達の豪華な事!そして、見事な事!白髪の安倍晴明も渋い! 何故なのだろう異端を忌み嫌うのは。現代でも桜暁丸の志しが、決してかなっているとは言い難いのが。 悔しい。悲しい。 「奥州ぼろ鳶組シリーズ」の、怒涛の展開はそのままに、命をかけて希望に向かう男達を丁寧に長い時をかけて描いている。 解決の糸口が見つからない重い話を、塞ぎ込む事なく読めたのは、桜暁丸と今村先生のおかげかな。

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春はまだか くらまし屋稼業

春はまだか くらまし屋稼業 今村翔吾

今回の仕事は少女救出です。 江戸の大きな闇の影は、チラホラ出てきますがそこは、まだ謎です。凄腕の「炙り屋」も登場。飛脚の風太さんも、素敵です。 情が厚くて優しい所を捨てきれない堤平九郎は、これからどんな依頼をこなしていくんでしょう。楽しみです。

ネコと昼寝 れんげ荘物語

ネコと昼寝 れんげ荘物語 群ようこ

勤めていた会社を自ら辞め、月10万円という予算で貯金を切り崩しながら日々を生活するキョウコのれんげ荘物語、第3弾。第2弾の「働かないの」というタイトルに惹かれ読み始め、第1弾、第3弾と変則的に読み進めてきた。今回はわりと過去にこだわり、読んでるほうもちょっと暗い気持ちになったり。でもお金があろうとなかろうと、自由であろうとなかろうと、人は悩みや不安は尽きないのが当たり前なんだよねえ。大きな岐路に立ちそうな予感を感じつつ、つぎの展開を楽しみに待とう。

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北方版三国志 全13巻

北方版三国志 全13巻 北方謙三

今まで読んだ三国志の中で一番面白かったなぁ。 登場人物ひとりひとりがとても魅力的に描かれてます。 この作中に出てくる呂布や張飛に惚れる人が続出すること間違いなし!か否かはアナタ次第です!

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キッチン風見鶏

キッチン風見鶏 森沢明夫

「キッチン風見鶏」で働く漫画家志望の翔平の悩みは、幽霊が見える事でした。 怪談ではなく、優しいお話です。 章ごとの目線の切り替わりがありますが、これは効果と仕掛けでしょうか。 読者に伝えたい思いがハッキリしているので、気持ちいい読後感です。 連ドラにして欲しい。翔平君は神木君で。

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