青土社の本

ユリイカ 2017年2月臨時増刊号 総特集◎矢野顕子

ユリイカ 2017年2月臨時増刊号 総特集◎矢野顕子 矢野顕子

矢野顕子のデビュー40周年記念のムック、2冊目。ぴあの本に比べると地味ですが、あがた森魚が書いていたり、レコーディングエンジニアの吉野金次、制作ディレクターの篠崎恵子へのインタビューがそれぞれ載っていたりして、なかなか面白い。

働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち

働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち トム・ルッツ

なぜ私達は働かない人に対して怒りを感じるのか、を追求すべく怠け者の歴史を掘り下げた本。確かにアダムとイブが楽園から追放された時に神が「これからお前たちは働かないと飯が食えない」と我々を呪ったように特に西欧においては労働とは原罪のひとつなのだという立脚点が興味深い。古代ギリシャにおいてもプラトンやソクラテスは労働とは奴隷がやるべきことであり文化的な人間は働かないのだ、ということを堂々と述べており、更に歴史を紐解いていくと労働とは忌むべきものである、という考えが脈々と続いていることが分かる。テーマは非常に面白いのだけど学者の書物にありがちな引用が多く持って回った表現の多用で読み難く結局何が言いたいのかいまいち分かり難かった。面白い引用やエピソードもいろいろ盛り込まれていたのにちょっと残念。

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氷河期以後 (下) -紀元前二万年からはじまる人類史-

氷河期以後 (下) -紀元前二万年からはじまる人類史- スティーヴン・ミズン

紀元前20000年から5000年までの人類の歴史を辿る旅の下巻。 この15000年を通じて現代を見つめれば、氷河期からの激変にも似たような大きなうねりが見られる。それが今後にどう影響していくのか。筆者はやや懐疑的だが、それも宜なるかな。 土器を世界で初めて使いだしたのは日本だそうだけど、それが農耕より前の土器がさほど必要でもなかった時代だったそうで、そんなころから日本って悪い意味でなくガラパゴスだったんだなあ。 最後に青土社さん、いつものことですが校正はしっかりお願い。助詞の抜けとかが数ページごとに出てくる。数百箇所はあったんじゃないかな?ちょっと多すぎ。大冊だし大変なのはわかるけど、いい本なんだしもったいない。

昔話にみる悪と欲望 -継子・少年英雄・隣のじい- 増補新版

昔話にみる悪と欲望 -継子・少年英雄・隣のじい- 増補新版 三浦佑之

日本神話と絡めての隣の爺考察が面白かったです。 こどもの頃読んだカチカチ山で、ウサギはひたすら狸をいじめ倒すけど何されたんだっけ?ウサギひどい奴だなって思ってたんだけど、小6くらいで婆汁のくだりを知ってまさかのカニバリズムに衝撃を受けたのを思い出した 装丁がクラフトエヴィング商會なのは一目見てわかったけど、この著者が三浦しをんの父親なのは後書き読んでから知りました

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ソナチネの木

ソナチネの木 岸田衿子

2019/3/26読了 星はこれいじょう 近くはならない それで 地球の草と男の子は いつも 背のびしている (p33) この詩が一番好きかなぁ。 安野光雅さんの絵は見開きで見るように描かれていて、それでいて隣同士のページの詩が必ずしも同じモチーフなわけでもないのに、絵の効果なのか連続して流れている心地よさがある。 この本がきっかけで、岸田衿子さんの他の本も気になり出した。

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ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集-

ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集- チャールズ・ブコウスキー

俺たちのブコウスキーが帰ってきたぜ! 死後にアメリカで編まれた未収録+未公開作品集。翻訳は中川五郎氏。 師と仰ぐジョン・ファンテとの作品の出会いから、序文を書いて復刊したあと、実際に晩年の彼に会って結んだ魂の交歓を書いた「師と出会う」は泣ける。。

猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか

猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか 斎藤環

タイトルに騙された。内容は批評文集。まどマギからクリストファー・ノーラン、果ては古事記に至るまでの多様なコンテンツを題材に、その作品の有り様や、心理学的な解釈が楽しめる。気になる章だけ読めばよく、それ以外は眠くなる。猫はほぼ関係ないので犬好きが読んでも大丈夫。

右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語る -

右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語る - マイケル・S・ガザニガ

右脳と左脳は脳梁という器官でつながっている。重度の癲癇などで止むを得ず脳梁を切断した患者たちは、左目、つまり右脳が見たものを話すことができなかった。 脳梁から左右の脳に分断された分離脳の不可思議な振る舞いを発見し、認知神経科学を創設した科学者の半生記。分離脳をめぐる議論が初期の頃からほぼ最新の知見までまんべんなく、自伝の体を取っているだけに分かりやすく紹介されている。文中にも出てくるギフォード講義をまとめた『“わたし”はどこにあるのか』とまとめて読むとよく理解できる。 しかし優秀な頭脳の側には優秀な頭脳が集まるものだ。またその頭脳に対する大学なり組織の信頼がすごい。

その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く――

その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く―― 森川すいめい

精神科医が生きやすさをの答えを求めてフィールドワークするお話。物質的に満たされた世の中で、悩みなく前向きに生きていくことは不可能だけど、悩みと向き合いながらバランスよく生活していくことが重要で、決して強要したり、政策的に解決できるものではない。 本書では自殺希少地域と呼ばれる地域での調査と、それを通じて著者が考えた結論が書かれている。

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