早川書房の本

冬の炎

冬の炎 グレン・エリック・ハミルトン

前作が面白かったので手にとってみた。泥棒の祖父に育てられ早くから仕込まれていたのだがいろいろあって陸軍に入っていた主人公。エリートのレンジャー部隊員としてイラクやアフガニスタンに派遣されていたという設定。前作で祖父に呼び戻された主人公、その祖父も亡くし、本作では軍を辞めて新たな生活を始めようとしている。そんな中で祖父の犯罪仲間から金持ちの息子と付き合って家に帰ってこない姪を探し出して欲しいとの依頼を受ける。新たな生活の元手を稼ぎたい気持ちもあって軽く引き受けたのだが、二人を追って行った山荘で悲惨な状態になった死体を発見してしまい…という話。けっこう入り組んだ設定になっているのだが混乱することなく最後まで楽しめたのは作家の力量だと思う。脇役含めた登場人物の設定や描写も良くて早くも自作が楽しみなシリーズになった。

エヴァンズ家の娘

エヴァンズ家の娘 ヘザー・ヤング

同居中の男性から度を過ぎた束縛を受けるシングルマザーのジャスティーン。 亡き大叔母が自分に遺した古いロッジに二人の娘とともに逃げ込んだ彼女は、その場所でかつて大叔母の幼い妹エミリーが行方不明になったことを知る。 本書は過去パートである姉リリスとエミリーとの日々を描いた大叔母ルーシーの手記と、現在パートであるジャスティーンと娘たちの経済的、精神的苦境やストーカーに怯える日々が交互に描かれる。 ジャスティーンの母モリーも含め、代々のエヴァンズ家の娘たちが底なし沼みたいな男性関係の不幸の中にズブズブとはまり込んで行く恐ろしさ。 彼女たちは、みな互いへの愛ゆえに行動しているのに、いつもすれ違い傷つけあう。 登場人物の一人が『自分がまったくちがう人間だったらよかった。勇気ある人間。もしそうだったらたくさんの人生が今とはちがっていただろう』と過ぎた日を悔いる。 ラストでジャスティーンが見せた勇気を彼女たちが見ていてくれたら、と思う。 MWA賞など各新人賞の候補作になった著者のデビュー作。

新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求

新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求 ドナルド R キルシュ

ドラッグハンターたちの格闘の記録。彼らの着想と執念と奇蹟のおかげで今の私達の健康がなされていると思うと感動すら覚える。中でも登場人物が目まぐるしくリレーで繋がれるピルの話と、真の開発者がナチス権力のために黙殺されたアスピリンの話は秀逸。

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トッカン 徴収ロワイヤル

トッカン 徴収ロワイヤル 高殿円

あまりの面白さに、あっと言う間に読んでしまいました。読みながら思わず場面を想像してしまい一人ニヤニヤした場面多数有りです。早く、続きがでないかなぁ?

グリフォンズ・ガーデン

グリフォンズ・ガーデン 早瀬耕

1992年に刊行された早瀬耕のデビュー作である単行本を、改訂し文庫化したもの。先だって刊行され、読んで衝撃を受けた『プラネタリウムの外側』の前日譚ということで発売を楽しみにしていた。元はゼミの卒業制作として書かれた作品と知る。(出典 HAYAKAWA BOOKS & MAGAZINE の 2017/9/13 の記事より) コンピュータや工学系についてはほとんど詳しい知識はないけれど、登場する恋人たちの会話の流れで難しい言葉もある程度、理解できる構造になっている。 結局、最後はどうなったのか。まだ読み終えたばかりで受け取ったものが上手くまとまらない。人によって捉え方も違うと思う。読んだ誰かと語り合いたい気持ち。 『プラネタリウムの外側』のときも思ったけれど、何度も読み返したい本の一冊に仲間入りした。

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放たれた虎

放たれた虎 ミック・ヘロン

前の二作が面白かったエスピオナージュのシリーズもの邦訳最新なので手にとってみた。日本でもリストラ部屋とか報道にのったことがあるけどそれのスパイ版。イギリス諜報部だと007が有名だけど(笑)ポンコツもいて、彼らが押し込められている部署が通称泥の家。しかも遅い馬と呼ばれてる彼らを主人公にしたシリーズももう三作目。 今回は泥の家を率いる往年の名スパイ〜今は昼間から酒飲んで部下の面前でも平気で屁をひる〜の元アル中の秘書が拐われて、という話。最初は設定が荒唐無稽という気もしたが最後には上手くまとめてあって感心。アクションも適度にあって面白かった。これはおすすめ。

永訣の波濤

永訣の波濤 五代ゆう

栗本薫亡き後、ケイロニアパートの宵野ゆめと、その他パートの五代ゆうの二人体制で、刊行が再開されていた本シリーズも、宵野ゆめが病気?のため脱落し、五代ゆうの一人体制に。去年は一冊しか出なかった。このペースで終われるのだろうか、、激しく不安になってくる。 お話そのものの展開もスローペースで、ヤガの話いつまで引っ張るのという感じ、ずっと読んでる読者はもう若い層でもアラフィフ。そろそろ鬼籍に入り始めてる人もいるくらいだから、ホントにキチンと「完結」させる事を視野に話を進めて欲しいところ。

アガサ・クリスティー完全攻略

アガサ・クリスティー完全攻略 霜月蒼

ハヤカワポケミスのアガサ・クリスティを収集するのに参考にさせて貰っています。 知らなかった作品に星5が付いていたりするので、改めてワクワクしながら購入し、読んでいます。

第六大陸〈2〉

第六大陸〈2〉 小川一水

なるほどー。うまく纏めてる作品です!ただ、5巻くらいまで続篇が書けそうなくらいの魅力ある作品です!そりゃ、『プラネテス』の作者の幸村さんがイラスト描くよね。ぴったりです。

伊藤計劃記録:第弐位相

伊藤計劃記録:第弐位相 伊藤計劃

伊藤さんにシン・ゴジラを観てほしかったし、ブレードランナー2049を観てほしかったし、震災後の日本を見てほしかったし、スマホがこんなに普及した世界を見てほしかった。 私は伊藤さんにはなれないけど、私の中の伊藤さんを生かし続けるために、何度も大切に読み返そうと思います。

コールド・コールド・グラウンド

コールド・コールド・グラウンド エイドリアン・マッキンティ

1981年、イギリス連合王国の一部である北アイルランドの首都ベルファスト。 当時の北アイルランド地域は、イギリスとアイルランド、プロテスタントとカソリック、ナショナリストとユニオリストという相反する存在が互いに自分の是を声高に主張し殺しあう場所だった。 そこで起こったのは体内に残された楽譜、別の誰かと交換された被害者の手という猟奇的な連続殺人事件。 事件を担当する巡査部長ダフィは、カソリック教徒で、また大学で心理学を学んだという警察隊の中の異分子で、その宗教的、政治的に微妙な立場は、捜査を困難なものにする。 IRAやUDR、UFFと言った名称が頻出するので巻末を確認しながら読み進めたが、慣れてくると苦にはならない。 それよりも各陣営の主張や立場を理解するに従い、犯人探しだけでなく「こいつが悪い」と名指しできないこの紛争の複雑さと矛盾に満ちた政治や宗教の問題についても考え込んだ。

プラネタリウムの外側

プラネタリウムの外側 早瀬耕

SFは苦手です。そして、現実かプログラムなのか微妙な感じに鳥肌が立ちました。それに、ほのかな恋愛がからんでくると。それはそれで至極受け入れやすくなってしまうのが不思議ですね。いやぁ。私の判断は、私が本当にしたのかな?なんだか不安になる。

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謎まで三マイル モース主任警部

謎まで三マイル モース主任警部 コリン・デクスター

モース主任警部の若き日のTVシリーズを視聴して、ついモースのオックスフォード時代の話がでてくるアレは何だっけ?と本棚を探して再読。 いやーやっぱり面白い! 頭と手足の切られた死体から、次々に湧き出るモースの直観と推理。 これは誰の死体なのか? たった一つの質問に、書いては消し書いては消される可能性のパズル。 個人的にシリーズ屈指の名作だと思う。

おばあちゃんのごめんねリスト

おばあちゃんのごめんねリスト フレドリック・バックマン

お婆ちゃんの、おとぎ話はじっくり読まなければならなかったし、疑ってかからねばならなかったのだろう。視線は常に7歳の女の子から見た世界だった。シニカルで、斜め下から見上げる目線は時に悲しくて逞しかった。こんなお婆ちゃんいたら、うーん困っただろうな。最高すぎて。バックボーンが日本と違うので、その辺は調節しながら読みました。愛がいっぱいだ。

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アルテミス 上

アルテミス 上 アンディ・ウィアー

「火星の人」のアンディー・ウィアーの2作目。今作も最高でした。リアルな宇宙科学をふんだんに盛り込んでいるのが魅力で、今回は観光で栄えるドーム型の月面都市とより大きな世界が舞台。禁輸品の運び屋をしている女の子が、ふとしたことから面倒な事件に巻き込まれていきます。

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