早川書房の本

零號琴

零號琴 飛浩隆

一昔前のSFとはかのように面白いものかと思ってしまった!久々の楽しい夢が見れる内容であった。

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暗殺者の潜入〔上〕

暗殺者の潜入〔上〕 マーク・グリーニー

暗殺者グレイマンシリーズの邦訳最新。今、一番優れたアクション・シリーズと思うのだけど本作もまだ勢いを保っている。元CIAの軍事組織で最高級の腕前とされていた主人公、身に覚えのない理由でCIAから「見つけ次第射殺」とされていたのも昔の話、今はCIAからも発注を受けるフリーランスの立場で活動している。本作ではシリアの反政府組織からフランスに来ているモデルを拉致してほしいという依頼を受ける。このモデルがシリアの大統領の愛人で、内戦を止め得る情報を持っているからということだったのだが…拉致してみるとシリアに大統領との間に産まれた子供を残してきているということが分かってしまう。仕方なく民間軍事会社の戦闘員に偽装して内戦中のシリアに渡り、子供と子守の二人を救い出すという困難に挑む、という話。冒頭から主人公がイスラム国に処刑されつつある捕虜の状態で現れる作品。ゴルゴ13の小説版と思って貰えばだいたい間違いないのだが、本作はシリア内戦という現在進行形の危機を舞台に名前こそ変えてあるが実在のシリア大統領夫妻を彷彿とさせる人物も出てきてよりリアルな印象。強力な悪役も出てきて今後もますます目が離せないシリーズ。

夢幻諸島から

夢幻諸島から クリストファー・プリースト

時空の歪みのせいで地図が作成できない多島海。そこに混在する数千の島々のガイドブック、という体の本書。 何々島の風土はどうで、通貨はこうで、と、初めは不思議な島のるるぶ(笑)を読んでいるような感覚が心地よい眠気を誘いますが、1/3程読み進めると、ある一つの事件と、その真相が浮かび上がるという作りになっています。 大枠としてはSFですが、難解な科学用語はなく、むしろミステリに近いかと。

夏の王国で目覚めない

夏の王国で目覚めない 彩坂美月

あらすじ難しいなー。確かにミステリーだけど、青春感を味わえる珍しい作品でした。ちょっとスッキリする感じですね。ツッコミしたいところも、たくさんあるけどね。

永訣の波濤

永訣の波濤 五代ゆう

栗本薫亡き後、ケイロニアパートの宵野ゆめと、その他パートの五代ゆうの二人体制で、刊行が再開されていた本シリーズも、宵野ゆめが病気?のため脱落し、五代ゆうの一人体制に。去年は一冊しか出なかった。このペースで終われるのだろうか、、激しく不安になってくる。 お話そのものの展開もスローペースで、ヤガの話いつまで引っ張るのという感じ、ずっと読んでる読者はもう若い層でもアラフィフ。そろそろ鬼籍に入り始めてる人もいるくらいだから、ホントにキチンと「完結」させる事を視野に話を進めて欲しいところ。

アガサ・クリスティー完全攻略

アガサ・クリスティー完全攻略 霜月蒼

ハヤカワポケミスのアガサ・クリスティを収集するのに参考にさせて貰っています。 知らなかった作品に星5が付いていたりするので、改めてワクワクしながら購入し、読んでいます。

第六大陸〈2〉

第六大陸〈2〉 小川一水

なるほどー。うまく纏めてる作品です!ただ、5巻くらいまで続篇が書けそうなくらいの魅力ある作品です!そりゃ、『プラネテス』の作者の幸村さんがイラスト描くよね。ぴったりです。

行動経済学

行動経済学 ミシェル・バデリー

昔ファスト&スローを読んで行動経済学の面白さを感じた。久しぶりに勉強してみようと思い手に取った。 思いの外時間かかったが、非常に面白く読んだ。特に前半が読みやすくて楽しかった。

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ポクスル・ウェスト最後の飛行

ポクスル・ウェスト最後の飛行 ダニエル・トーデイ

どこかで書評を見かけて興味を持ったので手にとってみた。主人公はユダヤ人の少年と家族の知り合いであるおじさんの二人。ナチの迫害から逃れて紆余曲折を経てイギリス空軍で爆撃機のパイロットとして活躍していたというおじさん。少年はおじさんのことが誇らしく彼の武勇伝を聞くのが楽しみだった。作家を志すおじさんがノンフィクションに見切りをつけて自伝を書き、それが話題となったことからますます少年の自慢になったのだが、なぜかおじさんは姿を消してしまい...更に醜い話が聞こえてきて、という話。少年の語りとおじさんの著作の二本立てで進んでいく物語。おじさんの話がなぜそこまでうけたのかというと、迫害されていただけという印象のあるユダヤ人が実際に爆撃機に乗り組んで一矢を報いたという話だったからで、なるほどそういう目線もあるんだなと思った。おじさんの自伝から読み取れる東欧のユダヤ人が辿ったあまりにも過酷な運命と、それを踏まえた現代の物語の絶妙なからみあいがなんとも素晴らしい。戦争の酷さをこういう形で上手く描く方法もあるのだな、と思った。素晴らしかったです。

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冬の炎

冬の炎 グレン・エリック・ハミルトン

前作が面白かったので手にとってみた。泥棒の祖父に育てられ早くから仕込まれていたのだがいろいろあって陸軍に入っていた主人公。エリートのレンジャー部隊員としてイラクやアフガニスタンに派遣されていたという設定。前作で祖父に呼び戻された主人公、その祖父も亡くし、本作では軍を辞めて新たな生活を始めようとしている。そんな中で祖父の犯罪仲間から金持ちの息子と付き合って家に帰ってこない姪を探し出して欲しいとの依頼を受ける。新たな生活の元手を稼ぎたい気持ちもあって軽く引き受けたのだが、二人を追って行った山荘で悲惨な状態になった死体を発見してしまい…という話。けっこう入り組んだ設定になっているのだが混乱することなく最後まで楽しめたのは作家の力量だと思う。脇役含めた登場人物の設定や描写も良くて早くも自作が楽しみなシリーズになった。

エヴァンズ家の娘

エヴァンズ家の娘 ヘザー・ヤング

同居中の男性から度を過ぎた束縛を受けるシングルマザーのジャスティーン。 亡き大叔母が自分に遺した古いロッジに二人の娘とともに逃げ込んだ彼女は、その場所でかつて大叔母の幼い妹エミリーが行方不明になったことを知る。 本書は過去パートである姉リリスとエミリーとの日々を描いた大叔母ルーシーの手記と、現在パートであるジャスティーンと娘たちの経済的、精神的苦境やストーカーに怯える日々が交互に描かれる。 ジャスティーンの母モリーも含め、代々のエヴァンズ家の娘たちが底なし沼みたいな男性関係の不幸の中にズブズブとはまり込んで行く恐ろしさ。 彼女たちは、みな互いへの愛ゆえに行動しているのに、いつもすれ違い傷つけあう。 登場人物の一人が『自分がまったくちがう人間だったらよかった。勇気ある人間。もしそうだったらたくさんの人生が今とはちがっていただろう』と過ぎた日を悔いる。 ラストでジャスティーンが見せた勇気を彼女たちが見ていてくれたら、と思う。 MWA賞など各新人賞の候補作になった著者のデビュー作。

IQ

IQ ジョー・イデ

欧米の有力なミステリ新人賞を総ナメにしたということですごく楽しみにしていた作品。舞台はロサンゼルス南部。主人公はイニシャルと頭の良さから「IQ」と呼ばれている黒人青年。唯一の保護者である兄を亡くしてからその才覚で一人生き抜いてきた無免許探偵という設定。本作では腐れ縁の元ギャングで現胡散臭い実業家から持ち込まれた「有名ラッパーを狙っている殺し屋を探せ」という事案に挑む。正直なところミステリとしてはかなり荒削りだけども、エキセントリックというかサイコパスというか…のかなりいかれてる殺し屋とか、売れ過ぎておかしくなってしまったラッパーなど、登場人物の設定や描写がかなり面白く、細部の描き方やちょっとした挿話も上手い。BGMとしてケンドリック・ラマーなどかけながら読んでみたらかなりハマった。これは楽しみな作家に出会えた。あとがき読んでびっくりしたのはこの作者、黒人ではなくて家が貧しくて黒人街で育った日系人で50過ぎてからデビューした遅咲きの新人なんだそうだ。早くも次作が楽しみ。

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