文藝春秋の本

熱帯

熱帯 森見登美彦

私はひとつの本を追っていたはずだけれど、いつのまにか不思議な物語に巻き込まれていた。 ぐるぐる目まぐるしく展開されていって、一度じゃ到底理解できそうにない。私も一つの本に翻弄せれてしまったのかもしれない。

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十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたち 冲方丁

面白かったです。 ずっと気になっていましたが、文庫本になったということで購入しました。 本を読みなれてないので、冒頭、登場人物が順番に次々と登場し、一人一人の動向を見せられた時は混乱しました。 しかし、話が進むにつれて、それぞれの性格の特徴、過去が見え隠れし、個人でも様々な予想ができて楽しかったです。 複雑な部分がありましたが、見取り図のおかげで比較的簡単に理解、納得することが出来ました。 実写映画化するという事なので、見た目や言動がどのように表現されるのか見たいなと思います。

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銀漢の賦

銀漢の賦 葉室麟

第14回松本清張賞受賞作品。 源五と小弥太と十蔵の友情が羨ましい。男として生きる道が異なる中で、信念を貫きお互いを認め合う。 それが、辛く心に傷を残しながら生きる事であったとしても。 侍には珍しく、主人公源五のキャラクターがユルイのがいい。小弥太と対象的だ。人生も……。 歳を取り人生の先が見えた時、振り返りそして前に進む力を持っている二人の頭上に天の河が横たわる。 徐々に明かされる友情と陰謀、終盤は疾走感があります。読後感はすっきりといっていいでしょう。 歴史的に有名な侍は出てこない葉室麟さんらしい、時代小説です。

自転車泥棒

自転車泥棒 呉明益

自転車を巡る台湾近代史とも言うべきかそこに家族の物語、戦争の記憶、動物たちそしてマレー半島と話は広がっていくが全てが複雑に絡み合っている著者の手腕にうならされる。ゾウが奏でる音階とこの世ではないどこかが印象深い。 「次の日、太陽が出ると、億万の微塵と花粉一ミリに満たぬ小さな昆虫が四方へ八方へと飛散し、世界は混濁した。兵士は大きな穴を掘り、長老ゾウを埋めた。このとき、いちばん前に並んでいたメスの象が低く、でも透き通った音階を奏で、リフレインした。音は階段をひとつひとつ上っていくように高まり、ピークに達して、しばし休止すると、今度は下へとひとフレーズひとフレーズ下りていき沈黙へ返った。それを三度繰り返したところで、二度目のゾウが加わった。ふたつの音像は、互いにエコーしあい、さらに三頭目、四頭目の唱和を誘った…ユニゾンでもなくハーモニーでもなく、ただそれぞれの悲しみが即興的にあふれるままの鳴き声だった。そして、同時に、お互いを慰め合うスキンシップのようだった。ゾウたちがそろって、額にある鼻道と頭骨のあいだをかすかに脈動させ、空気へ発した音は、それ自身に意思があるように兵士の体のなかへ潜り込んで膨張していき、彼らに苦しさと恐れと虚しさを伝えた。十数分後、音は停まっていた。リード役だったゾウは足を前へ踏み出し、兵士たちはその時初めて、自分たちが泣いていることに気づいた。その涙にはなんの意図もなく、だから涙を流したあと彼らはかつて経験したことのない、静けさと清らかさを感じた。」P.344~345, 訳者の天野健太郎さんのご冥福をお祈りいたします。

アメリカの食卓

アメリカの食卓 本間千枝子

食べ物からみたアメリカの文化史。この国の多様性と、それでもまだ現在より落ち着いていた時代だったと実感する。

輓馬

輓馬 鳴海章

東京で事業に失敗し、借金を背負った男が北海道でばんえい競馬の調教師をしている兄の元に居候することになり・・・というお話。 何百頭もの輓馬と、その世話をする人たちで構成されている「厩舎村」。 公営競技のため、レース開催期間は出るのも入るのも禁止、という特殊な舞台。(今は毎週やってますが、どうなってるんでしょう・・・?) そんな環境で、東京に染まり疲れ果てた主人公の再生が描かれる。「田舎らしさは都会人の贅沢品だ」みたいなセリフも出てきたり、ローカル対グローバルな小説でもあるかも・・・ 主人公のことを気にいっている馬のウンリュウ。 気づいたら仲良くなっていたので、もっと距離が縮まるまでの過程が読みたかったかも。この小説は、一癖ある登場人物、特殊な舞台、変わった競技を扱ってるのに、けっこう展開が早いんです・・・。 矢崎のことを気に入って口をもぐもぐするウンリュウ、乗馬してるときのウンリュウの耳、いたずらをしかけてくるウンリュウ、とにかく馬はかわいい・・・帯広競馬場で間近で見た馬のかわいさ、暖かさを思い出します。また帯広行きたいなあ。 追記/実写版、伊勢谷友介さんなんですね!ステキ!読みながら、天野浩成さんで再生してました。

数字を一つ思い浮かべろ

数字を一つ思い浮かべろ ジョン・ヴァードン

引退した刑事に大学時代の友人からの相談。奇妙な、脅迫とも言える手紙が届き、その友人の思い浮かべた数字が手紙の差出人には見抜かれていた。 トリックや犯人を推理するのが得意でも好きでもないので、謎は謎として素直に読み進めて楽しめた。 個人的には、ミステリーとしてよりも主人公のキャラクターが好きだ。仕事では優れた能力を発揮するのに目立つのが好きでないとか、自分の好きなこと得意なことに没頭できる一方で、人間関係を築くのに必要な何か欠けているようなところがあったりして思い悩むような不完全さが。

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