小学館の本

残りの雪(上)

残りの雪(上) 立原正秋

上巻だけの美で云えば、この戀愛小説を最もお薦めしたい。 明治以降、暦を棄てたのをかわきりに異様なまでの西欧化に堕した我が國は、國の根本と云っても過言ではない色戀もすっかり野暮になってしまった。 連載当時、里子擁護派と里子反対派で大論争が起こったという、はかなくも美しい物語となっている。 兎にも角にも、里子のような女もすっかりと減ってしまったし、坂西のような男は絶滅危惧種に近い。 大人が等しく幼稚になってしまった。 もしたしかな大人になりたいのであれば、自己啓発なんかしていないで、本書を読まれたほうがよろしい。 #リジチョー。

ダンデライオン

ダンデライオン 中田永一

頭に衝撃があった次の瞬間には、20年前へ、そして20年後へタイムリープ。もし過去に戻れたなら、今を変えられただろうか、結局は同じ未来になるんだろうか。やっぱり間違いなく面白くて一気読みしてしまった。

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永遠の詩02 茨木のり子

永遠の詩02 茨木のり子 茨木のり子

もっと早く出会っていればと後悔。 読者の頬を殴るように叱咤激励するもの、 そのままでいいんだよって優しく許容してくれるもの、 日常の何気ない煌めきを切り取って額縁に飾るようなもの。 いずれも説教臭くなくて、この人自身がダメだったり、気づいた経験から謳われているのが良い。 独特の感受性も、特に終わり方がおしゃれな表現力も素晴らしい。 好きな人が一人増えてしまった。 2018.10

天皇はなぜ紙幣に描かれないのか: 教科書が教えてくれない日本史の謎30

天皇はなぜ紙幣に描かれないのか: 教科書が教えてくれない日本史の謎30 三上喜孝

タイトルに惹かれて。有名な先生なのかな…自分は存じあげなかったけれど…の歴史エッセイ集。新書とかで日本史ものが流行ってたのでその流れかもしれない。タイトルになった話もさることながら、お寺の落書きにまつわる話とか、古代ではなく近世の木簡の話とか、義経ジンギスカン説とか、騎馬民族征服説とか、よく言えば縦横無尽に、悪くいうとまとまりなく(笑)書かれた話がどれも興味深く楽しかった。役に立つかどうかは別として…雑学好きの人にはおすすめかな。

子どもは「この場所」で襲われる

子どもは「この場所」で襲われる 小宮信夫

関係者から講演を聞いて、内容を忘れないうちに読んだ1冊。 「犯罪機会論」と「犯罪原因論」を考え分けることが、少しできるようになった気がする。 犯罪とは無縁ではないことを自覚して、地域を歩いてみようと思わせられた。時々強引なところもあったかな…

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英国紅茶予言師 古城の悪魔

英国紅茶予言師 古城の悪魔 七海花音

2018/11/29読了 一作目の方が話としてはまとまってたし、起承転結もベタとはいえ面白かったかなぁ。 今作は多分、主人公である心の境遇とか今後出てきそうな血縁関係の運命みたいなものとかを新しく出来た友達の姿を通して暗示させる伏線の回なのかも知れないけど、それにしても微妙だった。 クリスマスに食べる伝統的な食べ物や習慣など、イギリスの風俗にまつわる本筋ではないところは面白かったけど。あと結構ちょくちょく出てくる駄洒落部分が読んでいて引っかかる。あれのせいで集中出来なくなる人いると思う。

ガラパゴス 下 (下)

ガラパゴス 下 (下) 相場英雄

上巻に続いて一気読み。ストーリーがスピード感もあって、本当に面白かった。 働く環境、身分、現状を考えさせられた。

エンブリオロジスト-受精卵を育む人たち-

エンブリオロジスト-受精卵を育む人たち- 須藤みか

就活終了して内定式も出たのに、大学の求人票で不妊治療クリニックの胚培養士の募集を見つけて興味を持った。この本を読んで、胚培養士の仕事の責任の重さ、不妊治療を受けている患者さんの思いや辛さを知って、胚培養士になってどんな仕事をしたいのか、患者さんとどう向き合っていくか考えさせられた。1%の可能性を信じて、最後まで諦めない根気強さ、受精卵取り違えを防ぐために細部まで注意を払い、チェックを怠らない慎重さが求められる職業だと思った。

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風光る (42)

風光る (42) 渡辺多恵子

総司の血痰を始末するおセイちゃんに、喜べない… セイちゃんの度胸も、愛情も全部感じるけど、もっと幸せなシーンだったらよかったのに。 でも幕末ももうすぐ終わる頃、みんなの命の終わりを知っているからこその切なさも相まって、だんだん読むのが辛く悲しくなる。 一方で、どう描かれていくのか、期待も高まる。

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四辻屋骨董店主の嫁取り

四辻屋骨董店主の嫁取り 室たた

どうやらあたしゃ、室たたさんの描く男のヒトがツボなんだなとようやく気がつきました。 表題作はシリーズ化して欲しいー!! セクハラ、セクハラと説明書きにはありますが、そんなに書かれるほどでもないので、安心してくらさい。店主の求愛はそれは可愛らしく、時に真摯なものかと。

ルイ・ブライユ

ルイ・ブライユ 新井隆広

小学校図書室より拝借。 6点点字を開発したルイブライユ。 盲人に光りをもたらした というニュアンスの文章が印象的。 (印象的だったのに正確には覚えていない。) 学びたいという気持ちは、人生を豊かにしてくれる。今、当たり前に学べる環境にあることを感謝しなくてはいけない。 知ることの面白さを子どもたちに伝えていきたい。 決められた内容だけだなく、子どもたちの興味のあることを、もしくは、子どもたちが興味をもてるように伝えることを、大切にしたい。 ルイブライユから離れたが、ハンディキャップがあっても、努力と熱意次第でどうにでもなるということを彼から学んだ。