DU BOOKSの本

音職人・行方洋一の仕事 伝説のエンジニアが語る日本ポップス録音史

音職人・行方洋一の仕事 伝説のエンジニアが語る日本ポップス録音史 行方洋一

音響エンジニアの草分けの方の武勇伝。時代もあってか、会社に縛られずかなり自由に仕事をしていらっしゃる。録音が好きで、仕事にいろんな工夫をして、だからこそいろんな人に信頼されたんだろう。せっかく書いて下さってる機材名は、素人の私は全くわかりませんでした。

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ジャジューカの夜、スーフィーの朝 ワールドミュージックの現場を歩く

ジャジューカの夜、スーフィーの朝 ワールドミュージックの現場を歩く サラーム海上

曖昧な定義だけど欧米と自国以外の音楽、いわゆるワールドミュージックをその道専門の評論家が現地で聴いてまとめたもの。取材した国は、パキスタン、レバノン、イスラエル、インド、モロッコ、トルコ。親切なのは巻末にQRコードが載っていて作者のyoutubeサイトに行くことができ、実際に動画で確認することができる。また、おすすめの盤もいくつか載っていてストリーミングの契約をしていればすぐに聴くことができる。自分も順次、と思ってまずはパキスタンのミュージシャンのジャズ・アルバムをDLして聴いてみた。昔なら興味を持ったミュージシャンをメモって買うかツタヤや図書館で探すしか無かったが…これはいいことなのか悪いことなのか分からないけども少なくともあらゆる音楽へのハードルを下げてくれてはいるだろう。ストーンズのブライアン・ジョーンズが紹介していたモロッコのジャジューカ村、インドのマハラジャが自分の城で開催するスーフィー・ミュージックのフェスティバルなど海外旅行嫌いな私でも凄く現地で体験してみたい、と思わされたものがいくつかあった。面白かった。

リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡

リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡 アンディ・ハミルトン

リー・コニッツが演奏しているときに何を考えているのか、チャーリー・パーカーの時代から現在まで、レニー・トリスターノの思い出を挟みつつのインタビュー。 ジャズ演奏者でなくても、ジャズファンなら楽しめる内容でした。ジャズ演奏者でなくてもなにかしらの即興演奏に携わる人なら必携の一冊。

VIVIENNE WESTWOOD

VIVIENNE WESTWOOD ヴィヴィアン・ウエストウッド

パリコレクションを直前に控えた、ヴィヴィアンウエストウッド・グループによるプロの仕事が描かれるところから始まる。この描写がお見事で、舞台裏の混沌とした慌ただしさ、モデルたちの香水の匂い、緊張と高揚が溶け合う心の瞬間を、臨場感ある文体で描いている。 この600ページもある分厚い書籍を鞄に入れて、電車で移動中に読む時間は至福であった。 いつまでも続きますようにとさえ思った。 時代時代のファッションや流行りの音楽、出会った人達から、ヴィヴィアンが当時の気持ちを素直な表現で振り返っている。言葉が素直だからスッと入ってくる。その時々のイギリスの空気に身を浸しているかのようだ。 私には似合わないだろうけど、ここのニットを買おう。薄茶色か黄色。セットアップのスーツもいい。それと、ピストルズも今なら心に染みるだろう。

ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法

ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法 冨田恵一

ウォルター・ベッカーが亡くなって改めてスティーリー・ダンに目を向けてたりしてるので手に取ってみた。完全に音楽オタクの作品(笑)ドナルド・フェイゲンの不朽の名作を自身もミュージシャンでレコーディングにも精通した有名音楽プロデューサーの著者が掘り下げる。まぁ俺には到底無理だけど一曲ずつこんな聴き方してたらぐったりしないのか、と思うくらい精緻に聴き込んだ解説本。今の録音作品はこうやって作られてるんだなと技術面の解説も興味深かった。これ読んでる間にも五回くらい聴き直したけど全然飽きないってやっぱり凄いことだなと改めて。思えばAjaとGaucho、そしてNightflyって三作は人生で一番聴いてるアルバムかも知れない。面白かったけど専門用語が多過ぎたかな。

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いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。 小西康陽責任編集・大映映画スチール写真集

いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。 小西康陽責任編集・大映映画スチール写真集 山田宏一

眼福。今更ながら、本編のシーンではない「スチール写真」の凄さを思い知る。53ページの「ごろつき犬」の田宮二郎のポーズなんでカッコよすぎで寝小便漏らす勢い。「最高殊勲夫人」の川口浩・若尾文子の写真は国宝にしてよいと思ってる。

プリファブ・スプラウトの音楽 永遠のポップ・ミュージックを求めて

プリファブ・スプラウトの音楽 永遠のポップ・ミュージックを求めて 渡辺亨

1985年発表の[STEVE McQUEEN]のジャケットをイラスト化した表紙が美しい本書は1980年代中期から活動するイギリスのバンド「PREFAB SPROUT」の作品を詳細に読み解いていく。音楽はとても好きだったけどその背景や影響までは全くと言っていいほど知らなかったもしくは興味がそこまでいかなかったので改めて過去の作品を聞きながらなるほどとうなずくこと多し。音楽の楽しみがまた広がってくる一冊。 [STEVE McQUEEN]は冬の朝とでもいうべきヒンヤリとした空気感と切なさに胸をかきむしる永遠の名盤。

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ホエール・ミュージック 駄目な僕の未完の大作

ホエール・ミュージック 駄目な僕の未完の大作 ポール・クォリントン

ハチャメチャなロック小説。酒とドラッグ浸りの天才ロックミュージシャンが自分を取り戻していくある意味では癒しの物語。 ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンがモデルらしいけどそれを知らなくても十分楽しめる。 いかれたエンジニア、フレッドが渋すぎる。

SEMPE IN NEW YORK ジャン=ジャック・サンペ ニューヨーカー イラスト集

SEMPE IN NEW YORK ジャン=ジャック・サンペ ニューヨーカー イラスト集 ジャン=ジャック・サンペ

サンペ最高です! フランスの漫画家サンペが、”The NewYorker”の表紙を飾ったイラストの画集。 贅沢♪ サンペと言えば、プチ・ニコラ。 プチ・ニコラも愛すべき作品で大ファンですが、パリとかニューヨークとか大都市の一コマを描いた絵も大好きです。 ユーモラスで、あたたかくて、たまにホロッとしちゃう。 作品からサンペの、人に対するあたたかい視線を感じます。

「アラブの春」と音楽

「アラブの春」と音楽 中町信孝

これはかなり凄い本。エジプトを中心にここ数十年のアラブにおけるポップミュージックの変遷を描いたもの。 失礼な言い方になるかもだけど、アラブにロックバンドやラッパー、はてはアイドルまでいるとは不学にして全く知らなかった。言われてみたらベリーダンスの本場だもんね。 歌詞も丁寧に紹介されていてあちらの音楽がより政治に密接に関わっていることが分かる。 個人的にはメッセージソングの類は好まない〜音楽はあくまで旋律とリズムで何かを表現すべき。政治について語りたいのであれば政治家になるべきで歌手になるのは違う〜と思っているので好みはしないけども。 かなりの労作でウード入りのロックバンドとかちょっと聴いてみようかと思った。

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ヒップの極意 EMINENT HIPSTERS

ヒップの極意 EMINENT HIPSTERS ドナルド・フェイゲン

CDとか持っているのが嫌で殆ど処分してデジタルデータにしてしまった結果、自分のiPodには今、25,000曲くらいの収録がある。一番多いのはMiles Davisで350曲くらい。一番再生してるのはBlue Mitchelのある曲なんだけどアーティストという意味ではSteely Danの再生が一番多い。 そんな私だから物凄く読んでみたかったドナルド・フェイゲンの自伝的エッセイ。Jazz好きじゃないとちょっと辛いかなという部分もあるけれど(SF好きではないのでSFについて書かれた章はまるまる退屈だった...)全体的にはウィットがきいてて面白い本でした。 今、ボズ・スキャッグス、マイケル・マクドナルドと3人で往年のヒットを演るツアーをやってる作者ですが、観客を見渡して「今の私の仕事は老人介護だ」と書くあたり皮肉も効いてて面白い。 12歳からヴィレッジ・ヴァンガード(雑貨屋じゃないほうの!)に出入りしてたという羨ましい経歴の作者。わざわざ独立した章を割り当ててるのがレイ・チャールズとアイク・ターナーというところも興味深い。 取り敢えず作者が好きという「ゲッツ・ミーツ・マリガン」を聴きながら俺も出かけることにしよう。