KADOKAWAの本

女が死んでいる

女が死んでいる 貫井徳郎

短編集。普段、貫井さんの重いイヤミスをが好きな人は物足りないかも知れないが、ちゃんとどんでん返しはあるので楽しめた。軽く読みたい時には良い。

今日どこさん行くと?1

今日どこさん行くと?1 鹿子木灯

上司(かみつかさ)さんの5MTアルトで坂を登ったり降りたりしながら、熊本県の名所をドライブする戸部下(とべした)君。熊本県、それも熊本地震後を舞台にしており、どのキャラも熊本弁で話しているのが素朴。坂を攻めるのではなく、ただただ安全運転で熊本を満喫する作品。またTwitter上では本作の略である『#今日D』を付けて、出かけた場所をupすることも。

ペキ男とガサ女

ペキ男とガサ女 ggeika

Instagramのなかをふらふらしていて、偶然見つけたお話。 ガサ女ちゃんの暮らしっぷりにはえらく共感してしまうわたし(°-°;)自分のことはさて置いて… ガサ女ちゃんの『ガサ』は、表面的に見えるわかりやすい部分でのガサツさであって、心の中のこととはまた別なのです。 本にはInstagramには出ていない、二人の今までのことが描かれていて、それが何ともまた切ない感じなのです。誰もみな規模こそ違えど、誰かとの距離感の中で起きる切ない出来事や 投げつけられた言葉によって傷ついちゃったことがあるんだろうなと、しみじみ思ってしまう読後でした。 それぞれが自分への小さな絶望を胸に秘めてる感じと、それに妙に共感してしまう自分とで、切ない気持ちが出来上がってしまいました。 この後 二人がどうなるのか静かに楽しみにしていようと思ってまふ。

偽弾の墓 警視庁53教場

偽弾の墓 警視庁53教場 吉川英梨

前作を読んだ上で、教官と学生の成長物語として見ると非常に面白く読めました。 警察小説として見ると、事件の部分が少々雑な気がします。ネタバレになってしまいますが、ある場面を見てしまったことで被疑者は被害者に対して犯行を決意していますが、ちょっと有り得ない感じがします。 フィクションなので実在の団体おは一切関係が無いとしても、もう少しリアルに近づけた方がいいのではないのかなあと思いました。

喜連川の風 明星ノ巻(一)

喜連川の風 明星ノ巻(一) 稲葉稔

いつのまにか主人公の子ども清助が大きくなって。主人公も後添えをもらっていたし。あれから少し時間が経ってからの喜連川です。 江戸屋敷が火事になったりしますが一番は清助の成長が喜ばしいお話でした。

放課後カグラヴァイブス (1)

放課後カグラヴァイブス (1) 鈴見敦

主人公の高校生が広島の高校に転校し、部活、神楽部に入っていきなり神楽の舞台を踏むことになるというところまでが描かれた第一巻。神楽とは何か、舞台上で何をやっているのかという説明が分かりやすい。神楽について何となく程度の知識、興味があれば読めるのではないかと。神楽は実際に広島県の北部で盛んだそうで、主人公が入った神楽部がイベントで組まれた舞台で踊ることになるなど話のリアリティ、題材への誘導もいい感じです。しかし主人公は神楽未体験なのに神楽部に入って踊ることになるので、なかなか大変そうです。でも逃げずに続けるそうで。神楽のマンガです。

脳科学捜査官 真田夏希

脳科学捜査官 真田夏希 鳴神響一

美人心理分析官の初陣の話。といってもキャラクターの魅力が際立ってる作品ではなく、犯行予告をする犯人をどう捕まえるか、を楽しむエンタメ小説です。読みやすいし、骨子はちゃんとしてるので、面白かった。最近ライトに読める作品が気分に合うので、この作品はちょうど良かった!

火の鳥6 望郷編

火の鳥6 望郷編 手塚治虫

テーマが宇宙だから地球という故郷が主題だけど、これをもっと狭く、日本だったり、実家のある地方だったり…と自分の身近な対象に考えを馳せることができるわけです。途方もなく大きな大きな例え話が、急に現実味を帯びてきて、命だけではない別の命題が見えてくるのが、この望郷編。

火の鳥5 復活・羽衣編

火の鳥5 復活・羽衣編 手塚治虫

命とは?ロボットと人間の違いとは?人はどこまでが人なのか?に力強く切り込んだ復活編。 ロボット3原則の持つジレンマも、ロビタという存在を使って投げかけてくる。彼の存在は、同じ手塚作品の心を持つロボット、アトムの存在とリンクし、思考の輪を広げさせられる。 最後に登場する猿田を見て、全ては未来編と同じ世界で起きていることだと知らされる。猿田は鳳凰編の我王の子孫。巡り巡る世界の深みは、これらの問いが私たちの生きる世界にも投げかけられている問いなのだと気付かされる。 深い深いこの物語が次はどこで繋がるのか、ということも楽しみ。

ニック・メイソンの脱出への道

ニック・メイソンの脱出への道 スティーヴ・ハミルトン

前作が面白かったので手にとってみた。やむなく手助けした窃盗現場で警官殺しの罪に問われることになってしまい25年の刑に服していた主人公。妻子に会いたいが故に刑務所で知り合った裏社会の大物の申し出を受けてしまう。その申し出とは即時釈放と引き換えに大物からの指令をいついかなる時にでも受けなければならない、というもの。前作では葛藤しつつも裏社会の殺し屋になってしまう様が描かれていた。本作で主人公は大物の裁判で証言することになっている保護プログラムで守られた証人達を始末せよ、との指令を受ける。図らずも殺人者として成長してしまった主人公のアクションシーンと葛藤とが適度に相まって優れた作品になっている。本作では証人になってしまった前任者〜アイルランドから来た殺人マシーン〜との対決もあり目が離せない展開が見事。ラストの転換も素晴らしく、続きが楽しみなシリーズである。

火の鳥4 鳳凰編

火の鳥4 鳳凰編 手塚治虫

我王と茜丸という対極の境遇の二人の対比を通じて感じられたのは、生きるということの悩ましい姿でした。何かとままならない人生ですが、その中に絶望も希望もたくさんあって、その中で生き抜いていく姿に感動します。