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暇人 本の感想を書く場を求めて |
タイトルの通り、本と鍵が大きく関わるミステリー。図書委員の主人公とその友人、二人の友情の話でもある。
米澤穂信の作品の傾向を改めて評するなら「単純なハッピーエンドにならない物語」と言えるだろうが、本作も例外ではない。切れ者の男子高校生二人が鮮やかに謎を解決、めでたしめでたし!…とはなかなかいかないのだ。
開かない金庫を開けようとしたり、正体不明の本を推測したり、宝探しをしたり。さまざまなイベントを挟みながら季節は過ぎる。二人はいつまで、一介の、ただの図書委員でいられるのか。