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女になりたいのではない、「私」でありたい ゆるやかな絶望を生きる男が唯一求めたのは、 美しくなることだった 選考委員・磯﨑憲一郎、斎藤美奈子、村田沙耶香、... 続き

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美しさを求めるのは必ずしも女性の特権ではなく、女性の姿をすることが美しいと感じていて、それを求める私がいるのも別におかしいことではない。確かに、自分だって男に性器を触られたら勃起するだろうし、女に触られても然りだ。あるのはこう美しくありたいという願いだけで、そこに男も女も関係ない。性の多様性という問題は「男」と「女」という2つのカテゴリーから自由ではないが、この遠野遥『改良』で語られているのはすでにそれらのカテゴリーの軛から自由だ。

河出書房のつけた「ニヒリズムの極北」「困惑そして驚愕」という謳い文句が的を外れていることはなはだしい点は置いておいて、遠野遥が後半にかけてみせる筆の畳みかけよう、展開の作り方は大変興味深い。

それは明らかに全体を通して抑制が効いている語りであることを前提に、それでいて「カオリ」に対して一気に沸点に達し、多目的トイレではセリフを全く使わず緊張感を出させる。テンポが会話だというのはそうだけれど、人間は本当にシリアスな場面ではどちらかというと無口なほうかもしれない。

読者

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破局

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芥川賞受賞、おめでとうございます。 『今度はちゃんと見ようとふたりで笑いながら、もう一度再生ボタンを押した。 そして今度もゾンビが出る前にセックスを始めた。 馬鹿みたいだった。 でもおかげで誰もゾンビに食われずに済んだ。』 大衆向けではないが、コアなファンには刺さる1冊。 主人公の視点で物事が進み、本当に些細であるが主人公の感じたことも分かる。 冷めていて、虚無で、礼儀や法律を重んじる主人公が、陰毛や通り過ぎる人に気を止めるのが個人的に好きです。 最後、彼はゾンビになれたのでしょうか。

5か月前

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