p29
「封印されてある」ことのうちに「武」の本質は存する
p48
私たち人間は「他者の欲望の対象となること」、「他者に欲され、愛され、承認されること」を欲望している。
p59
本来「お金を稼ぐ」というのは、ある種のスキルを身につけ、その行使をつうじて、「顧客のレスペクト」と「適切な対価」を得るということである
p68
個人の努力では超えようのない差異で隔てられた人々のあいだの関係は「エロティック」になる可能性が高い
p71
倫理的であるとは、一言で言えば、「お先にどうぞ」という言葉をあらゆる機会にためらわずに言えるということである。
p83
レヴィ=ストロースが正しく指摘した通り、人間社会は「女の交換」の上に成立している。「交換」の基本原理は、「人間は自分が欲するものを他人から与えられることによってしか手に入れることができない」ということである。
p85
構造主義の個展であるウラジーミル・プロップの「昔話の形態学」は、採取したすべての民話について、物語は「家族の誰かが欠け」、それを回復することを推力として進行するという事実を指摘している。(中略)「ハッピーエンド」とは、「物語の冒頭において欠けていた家族の完成」のことである。
p98
幸福な人とは、快楽は「いつか終わる」ものだということを知っていて、だからこそ、「終わり」まてまのすべての瞬間をていねいに生きる人のことである。
p128
「ものを習う」というのは、「知っている人間」から「やり方」の説明を聞き、それを自分なりに受け入れ、与えられた課題に応用してみて、うまくいかないときはどこが違っていたのかを指摘してもらう、という対話的、双方向的なコミュニケーションを行うという、ただそれだけのことである。
p148
クライアントやパートナーにとって仕事をするのが楽しい相手というのは要するに「フレンドリー」で「正直」で「公正」な人間である。
p153
責任感があって、勤務考査が公正で、仕事のできる上司がいて、愉快な仲間がいれば、どんな単純作業であっても仕事は楽しい。
p154「毎日会社に行くのが楽しみ」であるような仕事を選ぶと楽しいよ。
p156
これは船が沈没したり、最前線が崩壊したりしたときに、最後に指揮官が兵士たちに告げる言葉である。
「生き延びることができるものは、生き延びよ」
集団として生き延びることが困難な局面では、ひとりひとりが自分の才覚で、難局を生き延びる他ない。
p174
「知性」というのは、簡単に言えば「マッピング」する能力である。「自分が何を知らないのか」を言うことができ、必要なデータとスキルが「どこにいって、どのような手順をふめば手に入るのか」を知っている、というのが「知性」のはたらきである。
p189
大人であるということは、(中略)「大人にならなければならない」という当為をわが身に引き受けることによってのみ大人になるのである。
p226
まず自分の知っているすべての技術や情報をいったん「リセット」して、師から伝えられることを受け容れることのできる「タブララサ」状態になることである。「白紙」の状態になった人間だけが、その狭隘な枠組みに邪魔されずに師の教えを習得する資格を得る。