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まこと 二児の父親 |
シリーズ三作目。
キューバ独立戦争の最中、盟友ピノとともにスペイン軍を脱走したアンヘルは米西戦争ではアメリカに肩入れすることで後に農場主として財を築く。アンヘルと小作農の娘との間に生まれたフィデルは、自らを助けてくれたロコ団の仲間や彼らの兄貴分ギテラスから強い影響を受け、次第に反米思想を強めていく。類い希なる記憶力と情報処理能力を武器に自らの未来を切り開き、演説家「フィデル・カストロ」が誕生するまでの物語。
自分がいかに中米の歴史に疎かったか、思い知らされる。
物語としては前半がアンヘル、後半がフィデル中心だが、やはりフィデルの方が華があり魅力的。特にフィデルがメラメラと胸の内に革命思想を燃やすようになっていくところ、そして自らの未来のために才知を発揮していくところが読んでいて面白い。
「〈リベルタ・オ・ムエルテ、ベンセレモス〉(自由か死か、勝利の日まで)」
物語のラストのフィデルの演説は感動的だ。
エルネストとフィデルの人生がこれからどう交わるのか。非常に楽しみ。