コメント
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とみー Una design |
東京って何?ある人にとっては幻想、ある人にとっては現実。経験を重ねると共に、虚構やその世界の小ささを、どこにいても越えられる力を付けていける。与えられた名前、振る舞い、ブランドを脱ぎ捨てて。はじめの部分は、華子の未熟さがあるからなのか、表層的な情報ばかりで感情移入しにくいが、情緒に素直な美希のおかげで、やっと視点に寄り添い始めることができた。キャラ設定などしっかりできていることがいい点だろう。
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とみー Una design |
東京って何?ある人にとっては幻想、ある人にとっては現実。経験を重ねると共に、虚構やその世界の小ささを、どこにいても越えられる力を付けていける。与えられた名前、振る舞い、ブランドを脱ぎ捨てて。はじめの部分は、華子の未熟さがあるからなのか、表層的な情報ばかりで感情移入しにくいが、情緒に素直な美希のおかげで、やっと視点に寄り添い始めることができた。キャラ設定などしっかりできていることがいい点だろう。
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acop 30代♀ |
地方出身女子の心をゆさゆさと揺さぶる。東京の私立大学に行ってたらこんな感じだったのかなぁ。地方から東京に大学進学とともに上京した美紀に色んなところで共感する。かといって、東京出身のお嬢様である華子に対して全く共感できないかといったらそうでもない。生まれや育ちがどうであれ自分に正直に自由に生きていけたらステキだなーと思った。
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snowparade 漫画多めです。小説も読みます |
山内マリコさんって、田舎と都会を比較させたら随一だなぁと思える作品でした。
上京してきて食らいつくようにやってきた美紀のサバサバとした「ザ・都会」な女性も魅力的だし、小さい頃から東京にいて不自由なく暮らしてきた華子のような「余裕のある」女性も魅力的です。
そして、どちらにもダメなところもあれば良いところもあるというのが凄く効いてくるんです。
ストーリーが華子の結婚を主軸に展開していくので、華子の心情面がクローズアップされていき、それとともに華子の煮えきらなさやネガティブな感情に「どうしたものか…けど分からなくない」と共感してしまいます。
そして美紀と初めて会うシーンの、お互いへの印象がかなり象徴的なんです。
美紀からすれば、華子のような、東京にいながらもゆとりを持った身のこなしが出来る「いいところ」出身特有のオーラは羨ましく感じます。一方、華子からすると美紀のような自分の力で生きてきた上京者のオーラは輝かしく感じます。
どちらの良さも凄く分かるからこそ、両方に惹かれてしまうんです…そして、幸一郎が特段良い人ではないことを知りつつ付いていってしまう気持ちも凄くわかってしまう…この共感の嵐こそ、山内マリコさんの真骨頂だなぁと思います。
物語の多くは導入部分的な役割に等しくって、そこかしこに山内さんの主張が散りばめられています。そして、その主張の一番強い部分が、美紀と相楽さんの会話部分だと思いました。そうだよね、そういうことなんだよね!とついついなってしまいます。
さらに、ラストにはそれぞれのキャラへのフォローも忘れないところが良い!
読後感はスッキリとして、それでいて「自分も頑張ろう」と思えます。幸一郎も最終的には悪役で終わらずに済んでますし。笑
山内マリコさんの作品がやっぱり好きだー!と触れ回りたくなるくらい好きな作品でした。
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6人 |
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さみしくなったら名前を呼んで
さくさく読める。物語の始まりは読めるかなー?と思うものでも、いつのまにか先へ先へ読み進めたくなっている。 ひとつひとつの話の中に昔どこかに置いてきた自分の感情がある気がする。
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パリ行ったことないの
2018年152冊目。
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かわいい結婚
結婚に際した女性に関する物語が3つ入っている短編集。 個人的にすごく面白かったのが2つ目の「悪夢じゃなかった?」。 「女性専用車両にわざわざ乗るのって、なんでみんなババアなの?」 とナチュラルに疑問を持つ男性が、ある朝起きると、女性になっているという、<グレゴール・ザムザ >か、<君の名は。>と言った物語。モチーフとしてはとてもありがち。を通り越して手垢のつきまくったものだけれど、それにしてもすごく面白い。 おおよそ、女性が外を歩いている時に被るであろう被害と、そして恍惚を経験する地獄めぐりの果てに彼が見たものは…。 その、多くの男性にとって、自分の身体に、注目され、凝視され、欲情や批難の視線を浴びるという経験をすることは無い。 だから、そういう楽しさや疎ましさは分からなかったけれど、彼女の文章は読みやすいけれど、精密に描かれているので、なんとなく分かるかもという感覚になったし、それ以上に、「女性」をすることができる女性がちょっと羨ましくもなった。 たとえば、ペディキュアなんかがそうだろう。男性にとって自分の足というのは、まあそれほど綺麗なものでもないし、そもそも気になる身体の部位なんかではない。せいぜいたまに数週間に一回程度、身体を丸めながら爪を切るときくらいしか気にしない。それも靴ずれしない程度に、ささっと適当に爪を切るだけだ。
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あのこは貴族
東京出身のお嬢様気質の華子と、地方出身で上京してきた美紀が、1人の男性を結節点にして、人生が交差する話。 東京という土地と、上京してきた人。 しかし、上京してきて、1人で東京という土地で、立身出世するというのはとにかく大変なんだろうな、と思う。自分は、どちらかと言うと、埼玉と見分けがつかない東京の一番端っこで、生まれ育ったので、どちらの人種でも無いので、程よい距離感を持って読むことができた。 でも、なんとなく彼ら彼女らを取り巻く倦怠と焦燥の筆致はリアルな感じがする。そして、筆が滑るように、ストーリーが転がるわけでもなく、常に地に足をつけた感じも好き。
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