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Koppepantaro 身の丈五尺八寸、中盛無料と戦う日… |
著者のアン・ウォームズリーは自身が路上で首絞め強盗の被害に遭ったにも関わらず、刑務所読書会のボランティア活動に参加したのだそう。
読書会を通じて、メンバーとの関係性を築きながらも恐怖と信頼の狭間で葛藤するアン。けれども、受刑者たちと文学を分かち合って紡いだ絆は確かに友情と呼べるものになっていき、そうした繋がりがまた互いの支えになっていく。これはそんな一年の物語で、もちろん全員が全員ハッピーエンドに落ち着く訳ではないけれど、それでもやっぱり本って凄いなぁと思わざるをえない、そんな物語でもある。
トロントの恐らくはハイクラス女性読書会の優雅な集まりと、筋骨隆々全身刺青ガッツリ男性囚人たちの刑務所読書会を、スタインベックの『怒りの葡萄』で繋げようなんて考えた主宰者キャロルに脱帽する。思わず参加したい!と思ってしまった。