毎日新聞出版の本

踏み跡にたたずんで

踏み跡にたたずんで 小野正嗣

短編集。一編あたり5ページの文章。所々に文章の内容と共鳴する写真が挿入される。国内外の町や村。目の前にいる老人や動物。彼等と触れ合いながら、その場所に気配を残している過去の誰かや何かの吐息を聴く。消失する寸前に。

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待ち遠しい

待ち遠しい 柴崎友香

お隣さん同士の20代沙希、30代春子、60代ゆかり。独身の春子は「標準」であることができない人はどんどんふえているのに、それを認められない空気が強まっていると感じる。それなりに生活出来て自分の好きなことが少しできればいいと思うのに、沙希からは生き方を否定され落ち込み、良かれと思って世話を焼くゆかりに怒り、2人の今までを聞けば心配し気を揉む。女性同士って子供の頃から同志になったり、敵対したり、羨んだり、思いやったり、忙しい。ずっとこんな感じよねと読了後思ったのでした。

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針と糸

針と糸 小川糸

小川糸さんが好きだ。 小説は多分ほとんど読破したかなぁ。(ライオンのおやつはまだ) 挫折したり、近しい誰かとの確執のあった主人公が、立ち直る、再生していくっていう物語が多いかも。 それが淡々と、でも丁寧に日常を紡ぐ感じが好きで、奇想天外な話ではないからこそ、共感もできるし、入り込める。自分の気持ちを後押ししてくれるような物語が多いように感じる。 そして、あははという大笑いではなくて 口角をちょっとあげる程度の微笑みを、たくさん散りばめた本の数々のは、どれも私の気持ちに寄り添ってくれる。 そんな糸さんの書くエッセイ。 その人のこと、成り立ち、何を考えているか、何が好きで嫌いか。 生活を少し覗かせてもらってる感じで、人のエッセイや紀行文を読むのがすごく好きなのだけど 大好きな作家さんだから、面白くないわけがない! 気に入った箇所を抜粋。 この本を書いている時、糸さんはドイツのベルリンに住んでいたのでドイツと日本の違いを記したものが多い。そのひとつ。 日本とドイツ、何が違うのだろう、と考え、私なりに見出した答えは、余裕である。 その差は、決してすごく大きくはないのだが、ドイツの方が日本より、ほんの少し、気持ちに余裕が持てるのである。 ドイツでは、国民全員がなんらかの健康保険に入る義務があり、医療にお金がかからない。だから、大病をして入院しても、それに対しての自己負担はほぼ発生しない。子どもを出産するのにもお金がかからないし、産後のケアも、かなり保険でカバーされる。それに、大学まで教育は無償で、要するに、日々の生活費さえきちんと確保できれば、大きな出費がないのである。 当然のことながら、社会保障を充実させるためには、税金が高くなる。けれど、税金がきちんと自分たちの元に戻ってきていると実感できるシステムが成り立っているので、高くても納得できる。そして、政治というものが、国民の暮らしの延長戦上にある。もちろんドイツにも、問題はたくさんあるのだろうけど、ドイツ人の主権者意識というのは、日本人が見習うべきもののひとつのように感じている。 余裕。 これは私も大事にしたいなぁと思ってること。 自分の気持ちにちょっとしたスペース、余白があることは、とても大事なんじゃないかと思うのだ。 余白があるからこそ、新たに何かを学びたいと思えるし、 気持ちに余裕があれば、他の人やモノに目を向けて優しくなれる。 じゃあその余裕はどうやって作れるのか。 無理しない、頑張りすぎないっていうのが大事なんじゃないかなぁ。 私自身もそうだけど、ちゃんとしなくちゃっていう意識を減らすこと。 怠けるっていうのとは違うし 自分を追い込んで頑張るっていう時も必要だと思う。 それで見えてくることもいっぱいある。 なんていうのかな、欲張らないってことなのかな。 もっともっとじゃなくて 足るを知るという感じかな。 私自身偉そうなことは言えないし もっとこうしたい、こうなりたいって思ってばかりの日々だけど こんな風にちょっとでも、振り返れる時間の余裕があることは とてもとてもありがたいことなのです。

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お徳用 毎日かあさん 3+4巻

お徳用 毎日かあさん 3+4巻 西原理恵子

男の子の母です。 母親から見た男児の意味のわからなさがものすごくツボです。 そしてそれだけじゃなくて、子育ての中で忘れたくない大事な事や、夫婦の姿も。 涙がわいてでました。

ライト マイ ファイア

ライト マイ ファイア 伊東潤

「よど号」ハイジャック実行犯に公安がいた!その謎をめぐって過去と現在が交錯する設定の妙もさることながら現在から考えると無駄に熱い当時の雰囲気を追体験した。 数ある登場人物の中でもそこまで登場することもないが重要なカギを握る上昇志向の強い地方出身者で最終的に東京に飲み込まれ時代に取り残された石山が何故か印象深い。 同著者の「横浜1963」でも登場した打越、山元町と当時のハマの風景を思い浮かべる町小説としてもおもしろい。 おそらくフェリス女学院の場所が架空の雄志院大学のキャンパスなのだろう。そして震災復興建築のデザインを色濃く残すえんじ色が印象の打越橋を渡るときは前後に注意せねばと思った次第。表紙に教育大全共闘の旗。

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我らが少女A

我らが少女A 高村薫

昭和、明治時代の文体⁉️我らが合田警視は、脇役で、主人公は、平成という時代とその不良たち。なぜかもの悲しい。

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尼子姫十勇士

尼子姫十勇士 諸田玲子

時代版ファンタジーと言っていいのだろうか。 どうしても、登場人物に同化出来ずに終わってしまった。

「腸にいいこと」だけをやりなさい!

「腸にいいこと」だけをやりなさい! 藤田紘一郎

腸の声に従い、生きていく。こじつけのように思えることもなくはないが、腸が重要な臓器であることは確か。「いま、ここ」という、マインドフルネスに通ずるところもあり、現代に生きる上で処方箋のような本とも言えよう。

あなたが消えた夜に

あなたが消えた夜に 中村文則

よくもまあ、ここまで不幸な境遇の人達が集まったなと思う。やはりこの世の悲劇の原因は、大半が生まれ育った家庭環境にあるのではないかと思わずにはいられない。中村さんの作品は3冊目だけれど、狂気を描くのが抜群にうまい。終盤の書記には、恐怖を通り越して哀しみを感じた。 何故不幸になるために生きなければならないのかと疑問を感じるけれど、本当の絶望を知らなければ、理解することは難しいのかもしれない。

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