KADOKAWAの本

ドゥ・ゴール

ドゥ・ゴール 佐藤賢一

フランスの英雄ド・ゴールの伝記。著者は東北大大学院で西洋史学を専攻した小説家。ド・ゴールの事績について何となくしか知らなかったが、「フランスとは何か?」という問いの答えを探すためには「ド・ゴールとは何(誰)か?」という問いに答えなければいけないような気が前からしていたので、読んでみた。 以下簡単に要約。ド・ゴールの事績は①戦時中と②戦後の2つに分けることができ、第二次世界大戦中にはドイツの傀儡政権であるヴィシー政権を批判して亡命政権を作り、米英ソ等大国の思惑の中で難しい舵取りをしながら連合国軍に参加、フランスを「戦勝国」に押し上げた。その後一度引退するもまたも政界に呼び戻され、アルジェリア独立時の内戦の危機を回避したことが主な業績。その後核開発やNATO脱退、西ドイツとの和解・協力深化、イギリスのヨーロッパ共同体加盟拒絶など、米英から距離を置いて大陸ヨーロッパを国際関係の極の1つにしようとする外交を展開したが、急進的な姿勢から反発が強まり、辞任。 ド・ゴールについて、これまで自分は「戦中戦後に活躍したアメリカ嫌いのフランス人」くらいの認識しかなかったので、そういう人にとっては勉強になる。ド・ゴールのラフスケッチが頭の中に描かれるイメージ。一方で、「歴史評論めいた叙述を避け」たとあとがきで著者自身が述べるとおり、ド・ゴールを相対化したり、一見不可解な行動の裏にどのような思考があったのかなどを突き詰めて考察したりはされておらず、だいたいのことがド・ゴール(やその他登場人物)の「性格」、「信条」、「国民性」等に帰されているので、学術書としてではなく伝記と思って読むのが適切。その分読みやすいのはこの本の良い点。 特に気になったのは、西ドイツとの融和はどのような考えのもとで進められたのか?ということ。この本だけを読んでド・ゴールを分かった気になるのではなく、他の本も読まないときちんとは語れないな〜と思ったので調べていると、以下のような本が見つかったので御紹介します。 『独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序 ドゴール外交とヨーロッパの構築1958-1969』(創文社、2007年) この時代でいうとスペイン内戦もどういうことだったのか、ラフスケッチすら頭の中にない状態なので、それも今後読んでみたいと思う。歴史は(その評価はさておき、)ファクトなので、自分という個人の知の地平を手っ取り早く広げることができる。知の地平が増えたってだから何になるのだ、と言われればおっしゃるとおりだけど、以前も述べたとおり知の地平を広げること自体が長期的に見て重要だと考えている。その上で、個人が自らの知の地平を広げる当座の有用性としては人と話すネタが増えたり、「教養」があると思われる確率が上がる、といったことが挙げられると思う。

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くらやみガールズトーク

くらやみガールズトーク 朱野帰子

女性のリアルな悩みが詰まった短編集。 男性視点で読むと、そんなに難しく考えなくてもいいのでは‥とも思えちゃう。 でも、登場人物たちの心理を表す独特な感情表現によって、女性の立場に引きずりこまれ、女性ならではの苦労を痛感させられる。

ひとり旅日和

ひとり旅日和 秋川滝美

読み終わってすぐ、ひとり旅っていいなーって思っちゃう。日常と非日常、本書に記載のあった言葉だと「ハレとケ」を気軽に体験できるのはやはり、旅行だなと確信できました。内容にひとり旅指南(初心者向け)も書かれていたりするので、小説も楽しめるガイドブックの側面もあります。わたしも本書を参考にしてひとり旅行の計画を立てました。とっても楽しみです。

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ゼロから始める日本酒入門

ゼロから始める日本酒入門 君嶋哲至

情報を鵜呑みにせず、まず、舌で確かめる 自分を納得させるためには、基本的知識と背景を学ぶ。 固定概念にとらわれない、"粋"な日本酒の楽しみ方提案が、入門書らしくなくよい。 頭と舌で味わう日本酒はまた格別!

鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ

鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ たままる/キンタ

第4回カクヨムWeb小説コンテストの異世界ファンタジー部門大賞を受賞したそうな。 余りにも転生ご都合チートものを読んでいてウンザリしていたものだから、まったく期待しないで読んでみたんですが、これ面白いです。 ちょっと「チート」って煩く思えるところがありますが、平々凡々な日々と、つい呼び出される騒動とメリハリがあってサクサク読めてしまう。

外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者 1

外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者 1 荒木 風羽/ケンノジ

元・勇者のパーティの一員だった暗殺者のロラン。 魔王を倒した暁に手にしたのは、“普通の生活”。 でもその“普通”の感覚が周りとはずれていて、そこが面白さの一つかなと思います。 今は冒険者ギルドで働き始め、最初は事務的な業務だったけど、何やら実務的な事も頼まれそうな予感…。 暗殺者の身分を隠しつつ、普通でどこまでやれるのか? 我慢できるのか? もう少し様子見したいと思います。

七つの魔剣が支配する

七つの魔剣が支配する 宇野 朴人/ミユキ ルリア

このライトノベルがすごい!で文庫部門1位だったので読んでみた。 あっライノベの方向ってこうなるのかって読了して思った。 戦闘が達人すぎて、素人には解説付きじゃないとわからないとか、関節技の掛け合いを見ているようで、コアな人向けなのか、素人の私のは茫然自失。 それ以外の要素は昔ながらの復讐譚。なんとなく先が読めそう。「死国」みたいに甦ったら面白いけど、多分そうはならんでしょう。 タイトルの意味は1巻読んだだけでは不明。

AX アックス

AX アックス 伊坂幸太郎

高校3年生で自分が何者なのか何者であるべきなのか考えていた去年の今頃、何度も何度も読み返した。何度読んでも飽きない、そんな言葉で表したくはないけどその言葉通り。結局自分が何者なのかは分からなかったが、分からなくても生きていていいと思えたし人生の指南書、という内容ではないのに私に生きる希望をくれた。 読んでいて、楽しかった。旅行をするよりも楽しかったかもしれない。本屋さんで何となく眺めて買ったけど買ってよかった、私の中で兜も妻も医者も、みんなみんな生きている。私が普段嫌いなあの子も裏では事情があって社会の為にたっていたらいいな、なんて思った。自分からの視点で物事を考えるのではなく客観視するのが良いんだと、そう思った。日本中の全ての人にすすめたい。

七つの魔剣が支配するIII

七つの魔剣が支配するIII 宇野 朴人/ミユキ ルリア

前作と続けて読まないと「思い」が半減。 久しぶりに泣かそうとする本を読んでしまった。この結末はズルいです。 作者の罠にはめられて、泣きそうになった自分が、年くって涙脆くなったのか、日常生活ですり減り、喜怒哀楽が出せなくなったのか。 物語としては、脇に逸れているので話としてはこれでいいのか?疑問が残るところ。

実録 保育士でこ先生

実録 保育士でこ先生 でこぽん吾郎

「『小さいからまだ何を言ってるか分からないだろう』とか、『この位の表現なら傷つかないだろう』とか思わないでほしい 子どもは全部分かってますよ!」(19ページより)

マイ・ブロークン・マリコ

マイ・ブロークン・マリコ 平庫ワカ

「ううん マリコ あんた何も悪かない あんたの周りの奴らがこぞって あんたに自分の弱さを押し付けたんだよ」 シイちゃんが走る。ただ走る。大切な名前を何度も何度も呼びながら。なんで死んじゃったのって泣きながら。たったひとり、マリコを想って躊躇いなく腕を伸ばし、どこまでも飛んでいけてしまうシイノトモヨという人間の誇り高い魂が、ずっとずっと彼女自身の行く先を照らしていってほしい。その道はきっと、透き通る波に脚を浸して立ち尽くす、シイちゃんが今いちばん会いたいと願っている女の子に続いているはずだから。

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ラストシュート 絆を忘れない

ラストシュート 絆を忘れない 小宮良之

少年向けのサッカー小説。こんなサクセスストーリー、現実であるはずはありませんが、嫌いではないです(寧ろ大好き)。

空の青さを知る人よ ビジュアルガイド

空の青さを知る人よ ビジュアルガイド アニプレックス

なんだかあっという間に映画本編が上映終了してしまって、映画の振り返りをするなら(ソフトの発売まで)文庫本かビジュアルガイドで返すしかない。個人的に驚いたのは、舞台探訪マップが公開されていたことだ。秩父市街はもとより、下吉田、荒川、黒谷に長瀞と広域に渡っていて、クルマが必要だと思って決行に至らない。

虹を待つ彼女

虹を待つ彼女 逸木裕

主人公の独善的でステキな性格(←嫌味)に多少イライラしつつも、謎と伏線回収のバランスが良く、続きが気になりほぼ一日で読破。 ラストで「ざまぁ!」と思うか「哀れ…」と思うか。 それは読者次第。