偕成社の本

オックスフォード物語 : マリアの夏の日

オックスフォード物語 : マリアの夏の日 Avery, Gillian

(あらすじ) イングランド1875年。 早くに両親を亡くしたマリアは、厳しく支配的な大おばの家に住み、規律正しい女子校に入学する。 が、窮屈な環境に耐えきれず、オクスフォード大学寮の寮長をしている大おじを目指して家出をする。 (感想) とにかく現状を打破したい一心で、真剣によく考えてアイデアを捻り出し、勇気を出して行動に移す少女マリアに、尊敬の念が芽生えます。

パール街の少年たち

パール街の少年たち フェレンツ・モルナール/岩崎悦子

1906年ハンガリーはブダペスト。(ドナウ川を挟んでペスト側) リーダーの少年(14歳)を筆頭に、自分達の遊び場である原っぱを、よそのグループから守るために、軍隊さながらに戦う男児たちのお話。 (各国で映画化、ドラマ化)

ヒルベルという子がいた

ヒルベルという子がいた ペーター・ヘルトリング

(あらすじ) ヒルベルは、施設暮らしの9歳の男の子。 いつもやる事がメチャクチャなので、一緒に暮らす先生や子ども達に、阻害され邪険に扱われる。信用もされていない。 ヒルベルには生まれつき脳に障害があり、そのせいで頭痛やひきつけや癇癪の発作を起こす。 それと同時に、医者には治せない、心の病気も併せ持つ。 人に愛されたい、人に信用されたい、と渇望し絶望する心の病いだ。 (感想) 世の中には、ヒルベルと同じ思いをしたり、考えたりしている人は程度は違えど沢山いるに違いない。 様々な弱さで苦しむ人たちの視点を知ることは、同じ星の上で互いに支え合うためには、とても大事な事。 『ヒルベルって子がほんとにいたかどうか、そんなことはそれほど大事じゃない。大事なのはヒルベルのような、病院や施設で暮らさなくちゃならない病気の子どものことを、君たちが知るということなんだよ。』(著者あとがきより)

二年間の休暇〈下〉―十五少年漂流記

二年間の休暇〈下〉―十五少年漂流記 ジュール・ヴェルヌ

(あらすじ)15人の少年だけが乗った船が、嵐の末に無人島へ漂着。 苦労のすえに洞窟に住みかを移し、リーダーを多数決で決め、勉学と生活を両立させながら、 生活上の問題解決や、食料や燃料の確保、島内の調査探検に励んでいたところまでが上巻。 下巻では、引き続き島内の調査探検や、砂糖・塩・乳の確保、 任期満了に伴うリーダーの再選、仲間内での対立と不和・別離、 大凧に人を乗せ上空偵察する実験、病気やケガ、 遭難の末に新たに漂着した、悪党7人との決死の戦いなどなど。 (感想) 上下巻のはじめに必ず掲載される島内の地図と、少年たちが目にする様々な鳥や動植物のおかげで、 携帯を片手に画像検索をし、動画で鳥の声を聴き、地図の上を歩き回り、リアルな探検を味わえた。

ある晴れた夏の朝

ある晴れた夏の朝 小手鞠るい

平和を考えるのにすごくいい児童書!!小学校中学年くらいから大丈夫では? 日本人の母とアイリッシュ系アメリカ人の父の間に生まれたメイが、ハイスクール2年生の夏、公開討論会で4対4に分かれて、「戦争と平和を考える」テーマとして「原爆の是非」を問うメンバーに誘われる話。 アメリカが舞台の原爆の話って児童書でどうかと思いながら読み始めたが、アメリカの子どもと同じくらいの予備知識しかないだろう今の日本の子どもたちにとって、肯定派と否定派から戦争をいろんな面で切り取って見せてもらえるこの本は、とても有効だと思う。 原爆だけに限らず、「真珠湾」「バターン死の行進」「南京虐殺」「ナチ」「日系人部隊」「被爆者の形成手術を無償でしたユダヤ系アメリカ人」「杉浦千畝」などいろいろなエピソードが出てくるし、討論会なので、バトルが好きな子にも読みやすいと思う。その上で、平和について考えることができる、おすすめの本です。

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じゃがいもかあさん

じゃがいもかあさん アニータ=ローベル

旦那さんは、ふたりはともだちで有名なアーノルド。いつの頃か東と西に分かれていた国の狭間である母さんは高い塀を作って、息子2人と共にジャガイモを育てる生活をしていたという設定から戦争が描かれる。おはなしの作り方がとってもよく出来ていた。

かぜは どこへいくの

かぜは どこへいくの シャーロット・ゾロトウ

"「どうして、ひるは おしまいになって しまうの?」" 問いかけると男の子に、 ”「よるが はじめられるようによ。」” お母さんは優しく答える。 ”「ひるは おしまいにはらならないわ。べつのところで また はじまるの。そして、お日さまは、そこを てらすのよ。おしまいに なってしまうものは、なんにもないの。べつのばしょで、べつのかたちで、はじまるだけのことなの」” 「自分もいつか死ぬし、父も母も、誰もが死んでしまうんだ」ということを初めて意識する瞬間、というのが誰にでもある。その瞬間を迎える人の傍らに、この本があればいいのに、と思う。

ハンター

ハンター Cowley, Joy

1800年代、ニュージーランドに住む、マオリ族に仕える少年奴隷、ハンター。 2000年代、ヘリコプター墜落により、弟と2人きりで何としても生き抜こうとする14歳の少女、ジョーダン。 200年前に絶滅したという幻の巨鳥モア。 時を超えての交流と冒険と友情。

ぼくのまつり縫い

ぼくのまつり縫い 神戸遥真/井田千秋

この小説の主人公は縫い物、裁縫が好きな男子中学生。中学校では普通の生活を送ろうとサッカー部に入ってみたものの、ちょっとしたきっかけで中学校の被服部の面々と交流を持つようになり、やがて裁縫を取るか、それともサッカー部、普通の人生を取るかの選択を迫られることになるという展開。結局主人公は自分の好きな裁縫を取りますが、その選択を取るまでの描写が生々しい。主人公の立ち位置、裁縫好きな男子中学生というマイノリティの苦しさ。しかし、やっぱり自分の好きなものに正直であることは大切だなと。選択する勇気と、好きなものへの素直な気持ちが書かれている裁縫小説。

コレットのにげたインコ

コレットのにげたインコ イザベル・アルスノー/ふしみみさを

ブックサンタ2019の一冊にしました。 ・子どもしか登場しない子どもたちだけの世界 ・クリスマスとは関係ない ・家族関係や話が登場しない ・明るい配色とデザイン ・クスっと笑える箇所がある 以上、選んだ基準です。 ㊗️イラストレーション部門 アンデルセン賞2020 ノミネート

軽装版 風と行く者

軽装版 風と行く者 上橋菜穂子

タルシュ帝国との戦の後の話が読めるなんて。片腕を失ったタンダと寄り添うバルサを見てるだけで嬉しい。 若いバルサとジグロの戦いの場面は、激しくリアルだ。過去と現在を行き来しながら話しは進んで行くが、年を経たバルサの思いは胸にしみる。

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二年間の休暇〈上〉

二年間の休暇〈上〉 ジュール・ヴェルヌ

(あらすじ)1860年、イギリスの植民地である、ニュージーランドの首都オークランドにて。 8歳から14歳の生徒たち15人が、夏の休暇を利用して、船による『ニュージーランド一周旅行』に参加する。 が、出港数時間前に子どもだけが乗った船が、沖へ流され、そのまま嵐に巻き込まれ漂流し、名も知らぬ島へ漂着する。 子ども15人だけで、約2年間、無人島暮らしに奮闘する冒険物語の前半分。 著者まえがきにもある通り、ロビンソン・クルーソー(1719年デフォー作)に影響を受けて描かれた、無人島物語(ロビンソナード)のひとつ。 同著者による、『神秘の島』『毛皮の国』『ロビンソンの学校』も、漂流や無人島などの冒険もので、“驚異の旅シリーズ”として刊行されている。(訳者あとがきより) (感想) ぐいぐい引き込まれて、少年たちと一緒に暮らしてしまったぐらいの達成感と満足感。 偕成社を選んで良かったのは、オリジナルにも使用されている、レオン・ブネットの木版画挿絵が91点全て掲載されている事と、 訳者の大友徳明さんが、懇切丁寧なあとがきや年表を掲載してくださっている事。 ロビンソン・クルーソーはもちろん、ヴェルヌの“驚異の旅シリーズ”や、他著者のロビンソナード(『宝島』、『蠅の王』、『フライデー』シリーズなど)も、ぜひ読んでみたい。

シロガラス5 青い目のふたご

シロガラス5 青い目のふたご 佐藤多佳子

3年ぶりの新刊、待ってたよぉ〜 いくつかの謎が解決し、いくつかの謎が現れ、全部収取つくのはいつ? 各自のモノローグがいきなり入ってくるのがチョット混乱する。

川は どこから ながれてくるの

川は どこから ながれてくるの トマス・ロッカー

家の目の前を流れる川はどこからやってきているのかを辿り、二人の兄弟が祖父に連れられ大自然の中を旅する物語。 風景画のような絵を無心に眺めているだけで心が満たされる。 満月の下、川の畔にテントを立て、焚き火を囲む祖父と孫。 「その晩、おじいさんは、パチパチもえるキャンプファイアの前で、いろいろなおはなしをしてくれました。」 という描写しかないにもかかわらず、パチパチという音や、川の流れる音、フクロウの鳴き声、木々の葉のさざめき、昼間より少し冷え込んだ夜の透明な空気、夜露に濡れた草の感触や土の匂いまでもが感じられるような、不思議な感覚に陥る。

人魚の島で

人魚の島で シンシア・ライラント

大人から子供までそれぞれに味わえる本だと思います。お祖父さんの心の底にあった悲しくて複雑な気持ちや、人魚と不思議な出来事の数々。ひっそりと心にしみる童話です。