洋泉社の本

米軍が見た東京1945秋 : 終わりの風景、はじまりの風景

米軍が見た東京1945秋 : 終わりの風景、はじまりの風景 佐藤洋一

1945年当時の東京を把握する試み。当時の写真は国内には殆ど遺されていない。物資の窮乏に加え、国民自身が相互監視によってカメラを構えられなくしていた。しかし米軍の手になる写真は豊富に残っている。多くの写真において撮影意図は明確。空襲の計画をたて、実行したのちの効果を検証するため。上陸作戦を立てるため。進駐してからの活動記録。その中で日本人の死を垣間見せる諸々は巧妙に避けられている。本書は米軍撮影の写真に日本人による手記を併置することで、写真から取り除かれた死を浮かび上がらせることに成功している。

批判的主体の形成

批判的主体の形成 田川建三

・存在しない神に祈る もし神が存在しないとすれば祈ったとしても無駄であるのだが、だからといってそれではもう知りませんよというわけにはいかない。 今のところ自分がどんなにじたばたしても超えることができない現実がそこにあり、しかしその現実は我々としてはどうしても越えなければならないものとして存在している。 この現実の矛盾が存在する限りにおいてそれによって多くの人々がなにほどか人間らしくなくされていく非人間的にされてゆく。 そういうような人間の矛盾の現実が我々の目の前にある。だからこれは乗り越えなければならない。できるかどうかはいわばその先の問題なのでともかくやらねばならない。その現実となんとか取り組もうとするときにそれが「祈り」になる。 →祈りは何か目的を持ってやるものではなく、どうしても越えなければならない人間の矛盾から生まれる結果である? ・遠藤周作の弱者の論理 12人の弟子を主人公にして聖書を読み直してみると、そのテーマは弱者はいかにして強者になったかということに キリスト教における執拗な、弱さの問題を解消していく動きは居直りの中に逃げ込める思想構造であり、体制の保守をうみ、その結果本当の弱者を抑圧する(本当に弱い者達はそういう論理の中では弱いものとして扱われないから)。 ・キリスト教における観念性 自由とは何らかの仕方で現実を克服することでなければならない。現実の規定に自覚的に服従するいわゆる自律なるものが自由であるはずがない。 現実を否定して行く自由を求めるならば、現実を現実の場においてではなく、徹底的に観念的に否定する。

哲学者のいない国

哲学者のいない国 中島義道

何故哲学者のいない国であるのか、執筆当初も、そして今尚続く自国の惨状への警笛として読んだ。 惨状とか警笛という表現をすると、表紙のような熱量のある怒りのように感じられるが読んでいる時の感触としてはむしろドライで読みやすく、フランクな印象だった。 導入が筆者自身の私生活の描写から始まり、過去の哲学者であるカントのエピソードを組み込んだりと、クスッと笑えるような肩の力の入らなさがある。 この著書にあるのは、切なさなんだなと思う。

頼朝の武士団 ~将軍・御家人たちと本拠地・鎌倉

頼朝の武士団 ~将軍・御家人たちと本拠地・鎌倉 細川重男

義経のエピソードは様々な場で語られてきたし、興味があった。 それに対して、頼朝にはあまり興味が湧かないでいた。 この本は、そんな頼朝に興味がない人も楽しく読めて、頼朝の印象が変わること間違いなし。

解説者の流儀

解説者の流儀 戸田和幸

戸田和幸のイメージは日韓W杯で定着した「赤髪の潰し屋」だ。 現在はサッカー解説者として、視聴者にサッカーの魅力を伝えてるために、サッカー特有の複雑な事象を言語化することに徹底的に磨きをかけ、戸田和幸にしか出来ない解説をブランディングした。 引用 注目選手が目立つ活躍を見せていないとする。すると、注目選手を中心に話を進めるという「縛り」があるため、「今日はどうしたんでしょうか?」ということになる。しかし、サッカーはそういうスポーツではない。解説者としては、「なぜシュートが打てないか」という理由をひも解く必要だある。相手の守備がいい場合もあるだろうし、味方からのパスの質に問題があるケースもある。ゲーム全体を見て、バランスよく語らなければ、サッカーの本質は伝わらない。 所感 赤髪の潰し屋からサッカーの魅力を言語化する解説者となった著者の人生観や努力に感銘する。 サッカー初心者にも、サッカーをより深く本質的な観戦をしたい人にもおすすめの一冊です。

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サイコパス解剖学

サイコパス解剖学 春日武彦

第三弾から読んでしもうた。あなたの隣にいる「日常を非常事態として生きる」人々についての与太話。大笑いとゾッとする修飾語と。

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必ずOKがもらえる資料作成術

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「伝わる」プレゼン。それは… 1、構成 2、書体と文字組み 3、配色・写真 4、レイアウト 5、グラフ・表 なるほど!

地図で楽しむすごい神奈川

地図で楽しむすごい神奈川 都道府県研究会

地質学、近代史、日本史、世界史、民俗学など様々な視点から、素人にもわかりやすく面白く紹介していて、神奈川が少しだけ好きになりました。