東京創元社の本

流浪の月

流浪の月 凪良ゆう

文庫になったので、早速購入。 P333の「彼が本当に悪だったのかどうかは、彼と彼女にしかわからない」この文章に尽きる。 外野の勝手な想像と色眼鏡、ずれたお節介。

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深夜の博覧会

深夜の博覧会 辻真先

時代描写が長く、事件に入るまでに挫折しそうになりました。内容もグロテスクで、自分の好みには合いませんでした。

ロンドン謎解き結婚相談所

ロンドン謎解き結婚相談所 アリスン・モントクレア/山田久美子

著者のクリスティ好きがよく分かる(笑) 結婚相談所はパーカーパインの悩み解決 探偵ごっこはトミーとタペンス(本家は男女) 時代背景も第1次と第2次で違うが 戦後の物資不足など酷似が多い 内容は庶民寄りで クリスティよりハーレークイン要素が多く 残念ながらミステリは及ばないし 男性にはウケない一冊だろう ただクリスティ好きとしては オマージュと思うとシンプルに嬉しい グヴェンの先行きも気になるし 続編読んでみようか、目下悩み中

はじまりの24時間書店

はじまりの24時間書店 ロビン・スローン/島村 浩子

前作よりも更に童話的、寓話的要素が色濃く、登場人物たちの言葉の裏側にある暗号をなんとか読み取りたいと思ってしまう。 ペナンブラ氏の若かりし頃、24時間書店の誕生秘話。

越境者

越境者 C・J・ボックス/野口 百合子

邦訳が出るたびに読んでいるミステリのシリーズももう14作目とか。アメリカのど田舎ワイオミング州で猟区管理官を勤める主人公。本来は密猟を取り締まりにあたっているのだがトラブルに巻き込まれやすいというか自分から首を突っ込んでしまうというか…なので上司と地元警察との仲はすこぶる悪い。しかしながら型破りな知事に気に入られており確か何度目かになると思うのだけど前作で辞めた職にまた復帰している。密猟を取り締まるのが主な仕事のくせに銃の扱いが下手で突出した能力があるわけでもないのだが「田舎を踏み台に都会で出世しようと思っていない」FBIの支局長、やり手の妻とかなり凄腕の戦闘能力を持つ謎の鷹匠、達の力を借りつつ持ち前の正義感と粘り強さでに事件に対処している様が共感を得ているのだと思う。毎回思うのだけど地方を舞台にしたことによって自然破壊や代替エネルギー、カルト集団など都会を舞台にするよりも幅広いテーマを盛り込めており上手いな、と思う。本作では知事の特命を受けて州内でも特に辺境に派遣されることになる。過疎化が止まらない街に都会から移り住んできた富豪がおり街はほぼ彼の王国のようになっている。偵察に赴いた犯罪捜査官が不審な死を遂げたことから主人公にちょっと現地の様子を見てこい、と言われてのことなのだがそこは主人公。おとなしく偽装に留まるわけもなく…ということで今回も強大な敵と相対する主人公、鷹匠だったり過去の因縁の相手も登場し今回も緊迫感溢れる仕上がりとなっている。また本シリーズでは主人公の家庭問題も上手く盛り込まれているのだが里子で問題児の次女がまたもやらかして…というところで次作をお楽しみに!という終わり方になっている。このところこのシリーズは完結しつつも次作への伏線をチラ見せする形で終わっておりまたも作者の術中にはまってしまい次が楽しみでならなくなっている。大変だけどできれば最初から読んでほしいシリーズ、おすすめです。

感応グラン=ギニョル

感応グラン=ギニョル 空木春宵

空木春宵のファースト作品集。 「ベストSF2021」では、国内部門、第三位。 残酷でキレイで汚くて、淫靡で退廃的。奇想に溢れた珠玉の作品集。高評価も納得の一作。個人的には吉谷信子の『花物語』のオマージュ作品、『徒花物語』が好みかな。

ボーンヤードは語らない

ボーンヤードは語らない 市川憂人

主要メンバー短編4篇 久しぶりに会えて嬉しい満足でした 好みは『赤鉛筆は要らない』 登場する九条蓮と 日本家屋のベタな密室ミステリが 意外な組み合わせで面白かった どれも良かったけど いつもの幻想的な長編がそろそろ読みたい

風よ僕らの前髪を

風よ僕らの前髪を 弥生小夜子

第30回鮎川賞優秀賞作品。 裕福な家に生まれながら、複雑な生い立ちゆえに過酷な青春時代を過ごした志史。 成人した志史の周囲で相次ぐ不審な死。その背後に隠された昔年の愛憎を描く。 ミステリというよりは、ビターな青春小説の要素の方が強いかな。 探偵役の事件にこだわる理由が、一応あるにはあるんだけど、そこまでする理由になってるのかやや疑問。プライバシーに踏み込み過ぎなのでは、とも感じる。

見知らぬ人

見知らぬ人 エリー・グリフィス/上條 ひろみ

教師、その娘、刑事、3人の登場人物たちがそれぞれの視点で学校を舞台にした恐ろしい連続殺人事件の語り手となる。 そして事件と微妙にリンクするヴィクトリア朝時代の(架空の)作家ホランドの短編「見知らぬ人」。 学生たちの肝試しが、次々に悲惨な死に繋がっていくというこの怪談の断片が、本筋で語り手が交代する合間にタイミング良く割り込み、ひたひたと恐怖を煽る。 ちょっと複雑な構造に戸惑うものの、この「見知らぬ人」の挿入がなければ、本書はありがちな犯罪小説で終わっていたかも。 スマホを駆使する現代と魔術や呪いが日常に満ちていた時代の雰囲気がうまくブレンドされていた。 同じ出来事をまるで違う感性と語彙で語る3人の女性たちは、個性豊かで鼻につく欠点を含めてとても魅力的。 そして真犯人の正体と共にホランドにまつわる謎も最後に解き明かされ、すっきりした読後感が得られる作品だった。

兇人邸の殺人

兇人邸の殺人 今村昌弘

特異なクローズドサークルを作る手腕はお見事。ただ今回はトリックに合わせるため、偏った作りになっていた気がします。 ラストシーンから次回作に期待。

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