東京創元社の本

流浪の月

流浪の月 凪良ゆう

「あの家には帰りたくない」 小学生の更紗を救ってくれたのは大学生の文だった。きちんとした文と自由な更紗の楽しい生活は長くは続かなかった。 世間は2人を誘拐犯とその被害者として引き裂き、好奇の目で見つめ、何年経っても彼らを苦しめる・・・という話。 この本を読んで感じたのは、最近の世の中の風潮に対する違和感。新聞記事やネットで手にした情報を元に、真実を知らない第三者が正義を振りかざして他人を平気で傷つける、そんな風潮。こんなことなくなれば良いのにと思った。 「事実と真実は違う」という言葉がこの作品を象徴している。

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厳寒の町

厳寒の町 アーナルデュル・インドリダソン/柳沢 由実子

アイスランド発の人気ミステリシリーズ邦訳最新。幼い頃に弟と吹雪に巻き込まれ自分だけが生還ししかも弟の死体は結局見つからずじまい…というトラウマを抱えた刑事が主人公のこのシリーズ。本作ではタイ人の母親とアイスランド人の父親の間に生まれた子供の死体が発見される。タイ人でアイスランドに馴染めない異父兄も同時に行方が分からなくなっており、更には兄弟が通う学校には移民排斥を声高に叫ぶ教師もいて、という状況。意思疎通がなかなかうまくいかない被害者家族や兄弟が通っていた学校の子供たちなど扱いが難しい関係者に対する主人公たちの地道な捜査が淡々と描かれている。スリリングなところは皆無で聞き込みを重ねながら、という感じの作品で陰鬱な事件、そして救いのない展開なのだけど面白かった。早くも次作が楽しみ。

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屍人荘の殺人

屍人荘の殺人 今村昌弘

最初はありふれた大学生たちが殺人事件に巻き込まれて解決するシンプルだけどトリックが難しく読み応えがある本なんだろうと思っていたが、あんな展開になるとは… 驚きの設定いれるのはどうなのかと疑問に思ったけど読んでいくうちにその世界観に虜になっていきました。 少し癖のある登場人物や設定が非現実なのにそれ含めて本格的なミステリーという真反対の分野をうまく混ぜ合わせて読んだあとのもう一度読み返したくなる満足感がありました。登場人物、設定、トリック全て本当に良かったです!  小説は本格的ミステリーなのに会話シーンが多く読みやすい印象で本に慣れていない人にもおすすめです!また、去年映画化された作品なので自分は見ていないですが、映像から入るのもいいかも!とてもおすすめの作品です!

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ジェリーフィッシュは凍らない

ジェリーフィッシュは凍らない 市川憂人

面白かったです。 パラレルワールドもわざとらしくなく、ミステリーもよかったです。こう来るかーと言う展開で、最近読んだミステリーのなかでは一番面白かった。レンとマリアの関係がベタなのは80年代だから?

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図書館司書と不死の猫

図書館司書と不死の猫 リン・トラス/玉木 亨

ダークな猫達の争いに巻き込まれて深入りしてしまった、引退した図書館司書の話。 図書館司書は、あまり関係がなかったかな。 「猫には違う世界がある」と信じてしまいそう。 血しぶきが飛ぶ内容とは! いくら喋れても可愛い猫ちゃんの話ではない。 でも、猫ってこんな感じでもおかしくない。

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償いの雪が降る

償いの雪が降る アレン・エスケンス

日本では知られていない作者のデビュー作だそうだ。電車通勤をして約1年に読んだ本の中で最も楽しめた。今後が楽しみな作者である。

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生者と死者に告ぐ

生者と死者に告ぐ ネレ・ノイハウス/酒寄 進一

邦訳が出るたびに手にとっているドイツの人気ミステリシリーズ。貴族階級の男性と同僚の女性刑事が主人公で舞台はフランクフルト近郊の街。まぁドイツに行ったことないからどんな感じかは分からないのだけど。本作ではライフルを用いた狙撃による連続殺人が発生、被害者は誰にも恨みを買いそうにない人たちで関連もなかなか見出せず無差別連続殺人への恐怖で市民に動揺が広がり…という話。地道な捜査で被害者間の関連性を見つけ出し…と言いたいところだけど犯人からのコンタクトがあってそこからヒントを見出していく展開。だからだめかというとそんなことは全くなくてむしろ天才的な閃きや偶然に頼ってない分リアリティがあるような気がした。連続殺人だけに登場人物も多く際どいところでストーリーの破綻を防いでいる印象。むしろこれだけの風呂敷をよく畳んだな、という感じ。犯人を犯罪に導いた動機を作った事件も醜悪でけっして読後感は良くないけども展開が気になって読まされてしまった感じ。やはり上手い作家。面白かった。

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九度目の十八歳を迎えた君と

九度目の十八歳を迎えた君と 浅倉秋成

不器用な高校生が大人になってサラリーマンをしている。その日常で、 好きだった同級生が今も高校生三年生を続けていることを目撃したところから物語は始まります。

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湿地

湿地 Arnaldur Indriðason

ミステリとかサスペンスは完全現実逃避できてリフレッシュする(・∀・)北欧ミステリはハードボイルドな刑事&洗練された知的なバディ、がお決まりなのかな。

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アリス殺し

アリス殺し 小林泰三

最初挫けそうになりましたが、後半からはグイグイ読めました もう一度最初から読みたいなーと思ったのは久しぶりです 面白かったのですが、結構グロいので苦手な方は注意が必要かも

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少女には向かない職業

少女には向かない職業 桜庭一樹

作者が女性だからか、若い二人の少女の心情描写が丁寧。同性ならきっと惹き込まれると思う。 桜庭一樹お得意の暗くて陰鬱な話。 この独特な暗い雰囲気はクセになる。 最後のタイトル回収が秀逸。 最後の最後で、あー、彼女には向いてなかったのね、って思わせるラスト。 もう一人の彼女には向いていたのにね。

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奇商クラブ

奇商クラブ G・K・チェスタトン/南條竹則

2019 3月課題本 新訳で出たのと、例会の間隔が短いので選書。 奇妙な商売で生計を立てる人しか入れないクラブという意味です。 そこに絞って書かれておらず、昔のロンドンの幻想小説に近い初期作品六編。 ブラウン神父は出ておりません。 チェスタトン…子供の頃、面白かったけど記憶が怪しく、大人になって読んだら読みにくい…そんな覚えです。新訳でかなり読みやすかったですが、くどい点は変わりません。 第一篇目の、ブラウン少佐の途方もない冒険がクリスティのパーカーパインそっくりで驚き。 クリスティが後作なのですが、商売という点に絞って進むシリーズなのでこちらはブレてないし、やはりクリスティは面白い。 他五篇の感想? 皆さんおっしゃいましたが、感想ありません(笑)

悪しき狼

悪しき狼 ネレ・ノイハウス

邦訳が出ると必ず読むシリーズの一つであるドイツの警察ミステリ。 貴族階級出身の刑事とその相棒の女性警官が主人公という設定だけ見るとスタイリッシュな作風かと思われるのだがナチスや環境問題などのテーマに挑んでおり毎作けっこう重厚な内容になっているところが特徴。 凄まじい虐待を受けた跡のある少女の死体を巡る捜査と、以前はドイツでも有数の刑事弁護士で羽振りの良かった男の落ちぶれた生活、扇情的な報道番組で敵の多い美貌のジャーナリストが暴行された事件、の大雑把に三つの話が並行して進み…やがてそれが収斂して、という形式。主人公達や各々のストーリーの登場人物の人間模様も丹念に描きながら醜く凶悪な事件の真相が暴かれる結末に見事にまとめ上げている。ディーバーばりのどんでん返しも盛り込みつつのそれはかなりの芸当だなと感心しました。素晴らしかった。 作品と関係無いのだが…旦那さんがソーセージ職人で旦那の店の片隅に自主出版で置いていた小説が評判になってデビューした、というこの作家のエピソードがけっこう好きだ。

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