中央公論社の本

夢にも思わない

夢にも思わない 宮部みゆき

閉館時間ギリギリに急いで借りた(よくある)本 知ってる作家の本だとハズレがないことを確信した。前作は読んでいない。 感想としては そりゃあ夢にも思わないだろう といったところ 頭がまわる友人と、それに引っ張られるように勘が鋭い主人公。 中学一年生ということを考えれば、ヒロインの主張はもっともだとも言える。もちろん、だからと言って許せることではないけれど。 それは今後学んでいくことじゃないか。最初から思慮分別や、自分の言動にたいする責任感がある人なんていやしないし、いくつになってもいいかげんな人間だっている。 これまで色んな本を読んできて、登場人物の年齢を気にすることなんてそんなになかった…はず。 言い方を変えれば、読み終わってから「そういえばこの人たちは中学生だった」と思ったのは初めてのことだ。だとしたら随分な子供達だ。ある程度の年齢になったら世間を見下さないだろうか、彼らが人生を楽しいと思うことはできるだろうか、と非常にお節介なことを考えた。 他の出版物がどうかはわからないけど、自分が借りた本はパラパラ漫画が4作ほどついていた。面白い発想だと思った。

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雨森芳洲―元禄享保の国際人

雨森芳洲―元禄享保の国際人 上垣外憲一

対馬藩にいた、江戸時代の国際人。国の尊い卑しいは立派な人が多いか少ないか、国民の道徳の水準で決まる、また今栄えているからといって、いつ没落するかわからない。納得です。

真昼のプリニウス

真昼のプリニウス 池澤夏樹

生きる、という感覚と他者 生の実感を持てないものは 持つものに憧れる それを愛だ恋だと錯覚する 物語ることへの疑問 消費社会への根本的な嫌悪感と 人間の生のように熱い火山たち そして恋人 欠けていたピースが徐々に揃う 結末は書いてないけれど。

ひとびとの跫音〈上〉

ひとびとの跫音〈上〉 司馬遼太郎

真面目な文章で、なのに笑ってしまう箇所が沢山ありました。 司馬さんの人間への愛情を感じる一冊やと思います

夢を走る

夢を走る 日野啓三

薦められて読む。 とても読みやすくて面白く、不思議な静けさがある。知れて良かった作家。日常の切れ目はそこかしこにある。異世界へ通じる穴だったり、妖しく咲く鉱物の庭だったり、ネコのみる夢だったり。一見、これといった関係のない七つの短編は、どこか深いところで共鳴している。『夢を走る』の中で夢みる(夢みられた)茶色い小動物は言う、「夢は現実、現実は夢」。幻想的な物語と言うより、世界を透徹した目で見た姿を、精緻に描写した散文といった方がいいかもしれない。衒学めいたところや冗長さが全くないので、すっと話に入り込める。

中国傑物伝

中国傑物伝 陳舜臣

古くは春秋戦国時代より辛亥革命まで、16名の中国の傑物を取り上げた1冊です。 知らない人物も多く、東洋西洋、古代から現代まで死ぬまでまだまだ充分歴史をたのしめるぞと安心しました。 勿論、陳舜臣さんの確かな文章で読み応えがあります。

対話 日本の原像

対話 日本の原像 梅原猛

PP111 あの世の性質をあいまいにしているのが、日本人の信仰だと言う。

ライダーズ・ハイ

ライダーズ・ハイ 山川健一

夏の陽ざしや、いきなり影の中に入った時の感覚や、雨の匂いや、湖におちる青い月の光や海の香り、夕焼けに染まった空や、なによりもタイヤが路面をたぐりよせる感覚や傾いて見える世界がおれを再び温かく迎えてくれた。

バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉

バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉 村上春樹

昔から好きな作家だし訳者だし、ほぼ全部読んでるはずだし再読するか、と思って手にとってみたらこれが未読の〜正確にいうと短編5編のうちいくつかが読んだ記憶のないもの〜作品集でなんか得した気分。短編と訳者である春樹さんのエッセイ、それに作者の「再発見」に貢献した文芸評論家の序文が収められている。「不躾なくらいに気前よく才能を撒き散らす作家」と訳者が言うとおり今読んでも古さを感じない作品ばかり。特にタイトル作は何度読んでも味わい深く素晴らしい。