河出書房新社の本

遺族外来

遺族外来 大西秀樹

著者は埼玉医科大学国際医療センターに設置されている精神腫瘍科の先生。精神腫瘍科ではがん患者の方とその家族の精神的ケアを行うそうで、そこで全国で初めて設置された遺族のためのケア「遺族外来」のお話でした。遺族ケアの重要性はもちろん、人間の底力みたいな強さを感じられる、希望に満ちた本でした。 本の中に出てくる素敵な短歌があります。「憂きことも力に変えて生きようと凌霄花の蔓を断ち切る」。遺族の方が新しい生活に適応していく中での生きようとする気持ちが込められてて、読んだ瞬間ふつふつと生きる気力が生まれてきた。 This is the collection of true stories about grief care for the people who lost their family members. The author is Hideki Onishi , a physician of psycho-oncology, who started the first outpatient clinic for people who suffer from the loss of their family members. Each episode starts with pain or grief, but in the end you’ll find yourselves encouraged by how they try hard to overcome the deaths of loved ones and to live their lives. If you want to support someone in grief, perhaps no word will be needed. Just stay with them and listen to them.

漫画超進化論

漫画超進化論 石ノ森章太郎

0275 2022/03/24読了 石ノ森章太郎が超豪華メンバーと漫画のことについて語り合う。 石ノ森章太郎含め、映画が好きな人たちばかり。漫画が好きなことはもちろんだけど、表現方法として行き着いたのが漫画だったとは。「映画のような手法」というより、映画を漫画に落とし込むとこうなる、というコマ割りだったんだなあ。 漫画に限らずだが、文化や政治が統制されると新しい文化が生まれる…。この時代のひとたちは第二次大戦がそれだろう。 手塚治虫との対談の後半、1988年の時点で未来を予測していたとは! アトムは2003年にできなかったし、2030年もどうだろう、という感じだけど、世界の危機については当たってしまったなあ。 少し先の未来を描くことが漫画家に必要なことだけど、やはり…。 今、手塚治虫や石ノ森章太郎が生きていたら、どんな漫画を描いていたのかなあ。

少年たちの終わらない夜

少年たちの終わらない夜 鷺沢萠

エモいってこういう事なんだろうなと思う。 高校生ぐらいの時によく読んでいたから余計にそんな風に感じるのだろう。

ジュリアン・バトラーの真実の生涯

ジュリアン・バトラーの真実の生涯 川本直

ジュリアンバトラーは愛くるしく好きです(架空人物) ただ全編に通して作者のスノッブが鼻につきます。僕ってこれだけアメリカ文学(作家)を知っていますよ。という作品です。個人的にサリンジャーを切り捨てたところも気に入りません。(あえてそうしたのかも、バトラーの共著者はサリンジャー?)

教育

教育 遠野遥

2022/04/14 読了 何なんだこれは?

幻島図鑑

幻島図鑑 清水浩史

侵食で消えたエサンベ鼻北小島。柿本人麻呂最後の地、鴨島。虫害で消えていくホボロ島。住人一名の島、黒島。炭坑の空気穴として作られた人工島、初島、三池嶋他、日本各地の幻島17の往訪記。 漁船をチャーターしたり、干潮時に渡渉したり、筆者のパワフルさが凄い。 好きなことを追求している人が書いた本は読んでいて楽しいですね。

鞠子はすてきな役立たず

鞠子はすてきな役立たず 山崎ナオコーラ

とても面白くて一気読み。 ナオコーラさんの独自の柔らかい目線で、ジェンダー・主婦・学歴社会・非正規雇用などの社会問題を上手く小説に落とし込んでいる。

日本史の法則

日本史の法則 本郷和人

たまには小説以外にも手を伸ばしてみました。 日本史が『ぬるい』というのが、しっくりくる。平和のために支配構造でも違和感の無い民族、ってのが、ふむふむ、って感じでした。日本の国民性を実感できる本でした。

図解いちばんわかりやすい強迫性障害

図解いちばんわかりやすい強迫性障害 原井宏明

2021.9.19 読了 書いてあることは納得できるのですが、読む人によってはしんどいかも。 私は少ししんどくなりました。 なのに最後の締めの"気楽にね♪"に少し救われる。

大河への道

大河への道 立川志の輔

さらっと読めて面白かった。江戸パートが良い。人情味あふれる感じはやはり落語ならでは。

十二神将変

十二神将変 塚本邦雄

2005年に亡くなった代表的な前衛短歌の歌人、塚本邦雄の「絢爛豪華な傑作ミステリ」だ。何が絢爛豪華なのか。 罌粟栽培の秘密を守る人々と異様な愛、それゆえの殺人事件。白罌粟と九星の花々。鍵を握る十二神将。散りばめられた難解な語句と例えばフランクの『天使の糧』などの音楽。一度の読了では到底読み尽くせない小説だ。

星のせいにして

星のせいにして エマ・ドナヒュー/吉田 育未

1918年、第一次大戦下のアイルランド、ダブリン。 20世紀最大のパンデミック、スペイン風邪が猛威を振るう中、産科発熱病床で働く看護婦ジュリア・パワーを主人公とした三日間の物語。 大戦中であったため、医療現場にはヒトもモノもない。入院してくる妊婦たちの多くは、絶対的な貧困下にあり、栄養状態も悪い。 貧困、階級格差、男女差別。本来なら命が生み出されるはずの場所が、凄惨な看取りの場と化してしまう。絶望的な環境の中で、最善を尽くそうとする主人公のひたむきな姿勢が、読み手の心を撃つ。 赤、茶、青、黒、各章のタイトルの意味が、最終章に明かされたときの戦慄。

鉄分強壮薬

鉄分強壮薬 エドワード・ゴーリー/柴田 元幸

ゴーリー 本、今年の新刊!最近は年末のお楽しみになってる感じ。 サブタイトル「あるいは、寂しい谷間の冬の午後」が、内容を的確に表している感じ。 14枚の雪の情景。寂寞感。気怠さ。孤独。諧謔。ブラックユーモア。そこから何を読み取るかは読み手次第。この季節にちょうどいいかなあ。

死にたくなったら電話して

死にたくなったら電話して 李龍徳

身近にいる個性的な子を思い浮かべてしまいました。 この本は読者に破滅に導くのか、救いを与えるのか。これ系の本を最近読んでなかったけど、店頭で手に取らせる力を感じました。

白い薔薇の淵まで

白い薔薇の淵まで 中山可穂

こんな熱狂的な恋愛自分にはできないなと思った。軽い気持ちで読み始めたけど終わったら虚無感半端なかった。