河出書房新社の本

はっとりさんちの狩猟な毎日

はっとりさんちの狩猟な毎日 服部 小雪/服部 文祥

猟銃片手に野山に分け入る登山家の妻は、 ワイルドな世界とぼくたちの生活圏の狭間 に居てくれる。 お金持ちやほんとは環境のことなんて これっぽっちも考えていない大企業の なんちゃってエコロジーとは違っていて、 生活の中に自然を感じるのがいい。 じゃなきゃ横浜でニワトリを飼った際に 近所の人に「うるさかったら言ってください。 すぐシメますから」と旦那が語る訳がない。 飼ってたニワトリをいただいたり、 鹿を解体して、食べることだったり、 お肉を食べるってほんとはそういうこと たよなぁって思うエピソードかたくさん。 スーパーで値札と睨めっこするのとはちと違う。 悪いことじゃないけど、そこに命をいただくということのリアルはないもんなぁー。 あとは何気に巻末の旦那の後書きが ひねくれていていい味出してるぜ。 さすが密着ドキュメントのラストで 谷底に滑落した男は違う。 いやそんな生活に付き合う家族がすごいのか。

かわいい夫

かわいい夫 山崎ナオコーラ

エッセイ。旦那さんの話だけでなく、家族の話。大事な人を失くしてきたナオコーラさんだから書ける話もある。

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出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと 花田菜々子

単行本で読み逃していたが、マイ書店の神奈川本コーナーにて文庫版が展開。何故神奈川?と思いきや読んで納得。なかなかにパンチのある出会い系で巡り合う人たちが面白い。 「しかしそれにしても。とりあえずセックスって言ってみるやつ。とりあえず結婚してるけど俺は問題ないって言ってくるやつ。とりあえず時間いっぱい手品とポエムの発表をするやつ。とりあえず年収5千万と突飛な嘘をつくやつ。こんな人ばかりのサイトなのか。もうめちゃくちゃじゃないか。めちゃくちゃすぎるだろう。」P.43 しかし読み進めていくとまともな出会いを求める人も多くいるし時代は変わった。 本書は本を媒介として一人の女性が別れから新しい道を見つけるまでの過程を綴った物語だ。 旦那さんと別れる場面でCKB「ある晴れた悲しい朝」が脳裏をよぎった。 「これで終わりかと思ったら、思わず涙がこぼれ出た。二人で暮らしたマンションが~」 そして雑貨のある書店が田舎臭いオタクショップに変容していく様子が辛い。

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呼吸をふわっと整える

呼吸をふわっと整える 片山洋次郎

呼吸が人の身体にどのような影響を与えるか、著者が自らの経験に基づいて解き明かす。生活の中で、こういう経験あるなということに、一つの答えを提示してくれる。古来から、養生法や武術で呼吸は重視されてきた。東洋においてはヨガや禅、太極拳、日本の古武術など。自分の呼吸を通して、自分の身体を操作する、相手との関係を作っていく。からだから心へ、心からからだへのサイクルの中で呼吸がどれくらい重要な位置を占めているか気づかせてくれる整体書。

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トップナイフ

トップナイフ 林宏司

TVドラマ化 この本を読んでおくと主人公などの背景がわかるので、ドラマが分かりやすくなる。 ドラマ見るなら、早めに読んだ方が良いです。

荒木経惟

荒木経惟 

一見、破天荒な生き方をした人と思うけれど、アラーキーの撮る写真は愛と慈しみに溢れたスタンダードなものだ。作品集ではなく、彼の人間そのものを沢山の人が語る本。

狂瀾怒濤

狂瀾怒濤 エドワード・ゴーリー/柴田 元幸

スクランプ、ナイーラー、フィグバッシュ、フーグリブー、謎のキャラクター四人の不毛な戦いを描いた作品。キャラが超カワイイ。 まさかのゲームブック方式で何度でも楽しめます(笑

大親分!

大親分! 北野武

最後の粗忽長屋が良かった。世相と毒舌、ユーモア。

オイディプスの刃

オイディプスの刃 赤江瀑

何人かの人々の死と、生きている人々の思い。 自分にとって、 本当にしなければならない、たったひとつのこととは何か。 中学生の時に初めて読んでから20年。 いまだにこれだと言い切れないまま生きている。 絶版が多かった赤江作品がここ数年復活してきていて、 本当に嬉しい限り。 他作品たちの復活も強く望む。

自生の夢

自生の夢 飛浩隆

2月11日朝8時半、将棋観戦の前、有楽町マリオンのカフェでコーヒーを飲みながら飛浩隆の本を読む。スローテンポの誰かの曲、少し離れた席のヨーロッパ風の男と髪の長い日本人女性の会話。コーヒー豆を挽く音。文庫本の文字が頭の中を埋めていく。『海の指』はスタニスワフ・レムのソラリスを思い浮かばせる。 あ、次第に客の数が増えて現実に引き戻されていく。読み始めると途端に飛浩隆の生と死と夢と幻の世界に引き込まれていくのに。

イチョウ奇跡の2億年史

イチョウ奇跡の2億年史 ピーター・クレイン/矢野真千子

装丁の美しさで手に取った本。かつては、世界中に生息し、繁栄を極めた後、氷河期には最後の一本となり、絶滅寸前まで、追い込まれる。その後、中国の山奥→日本の長崎→欧州、そして再び世界中に広がり、今日の繁栄にいたる歴史が、丁寧に描かれています。科学的な本ですが、イチョウと人の歴史書とも呼べる、奇跡の一冊です。

くらげが眠るまで

くらげが眠るまで 木皿泉

夫婦って素敵だ。おもしろくて、時に憎くて、やっぱり愛。いろんな夫婦のカタチがあるけれど、こんな夫婦の友達がいたらきっとたのしい。おもしろくて、ふいに現実的で、でも最後は感動。こんな人生なら、いいな。

改良

改良 遠野遥

美しさを求めるのは必ずしも女性の特権ではなく、女性の姿をすることが美しいと感じていて、それを求める私がいるのも別におかしいことではない。確かに、自分だって男に性器を触られたら勃起するだろうし、女に触られても然りだ。あるのはこう美しくありたいという願いだけで、そこに男も女も関係ない。性の多様性という問題は「男」と「女」という2つのカテゴリーから自由ではないが、この遠野遥『改良』で語られているのはすでにそれらのカテゴリーの軛から自由だ。 河出書房のつけた「ニヒリズムの極北」「困惑そして驚愕」という謳い文句が的を外れていることはなはだしい点は置いておいて、遠野遥が後半にかけてみせる筆の畳みかけよう、展開の作り方は大変興味深い。 それは明らかに全体を通して抑制が効いている語りであることを前提に、それでいて「カオリ」に対して一気に沸点に達し、多目的トイレではセリフを全く使わず緊張感を出させる。テンポが会話だというのはそうだけれど、人間は本当にシリアスな場面ではどちらかというと無口なほうかもしれない。

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約束された移動

約束された移動 小川洋子

世界の片隅で、そっと息をして、誰にも迷惑をかけず、自分だけのささやかな喜びのタネを胸に抱えてひっそり暮らすひと。 確かに存在するのに、自分から手を上げたり声をあげようとはしない、自分だけの王国を大切に守るひと。 そんなひとを描くのが小川洋子さんはうまい。

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