NHK出版の本

幸福な監視国家・中国

幸福な監視国家・中国 梶谷 懐/高口 康太

単に中国怖い!酷い!という話に終始していない。 監視社会の可能性はどこの国にもある。プライバシーと代替に利便性を得ること。日本でも監視カメラが激増している背景にはそのジレンマがある。 西洋の市民革命以来の権利概念と、東洋の徳に基づく統治の理念。 便利なんだからいいじゃない。そんな功利主義が優位になると、人々は監視社会も普通に受け入れるようになるのかもしれない。 思っていたよりも噛みごたえのある良書でした。

NHK出版 学びのきほん 「読む」って、どんなこと?

NHK出版 学びのきほん 「読む」って、どんなこと? 高橋源一郎

わかりやすいもの、ヴィヴィッドなものがいい文章というわけではない。読むものを考えさせる、読んだ後にまるっきり違う人間になってしまうような文章が良い。 坂口安吾の話とか、小野ヨーコの話が印象的。読解力の深さについて考えさせられる本でした。 小さい子でも読めるようにわかりやすいのも素晴らしい。

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年金崩壊後を生き抜く「超」現役論

年金崩壊後を生き抜く「超」現役論 野口悠紀雄

金融庁が老後生活資金について2000万円必要として波紋を呼んだわけですが、そこを起点にして日本の財政と労働問題を解説しています。データをベースに解説してくれるので、分かりやすい。一方で現政策の問題点がよく分かって、少々絶望的になりますね。

やまと尼寺 精進日記 2 ふたたびの年

やまと尼寺 精進日記 2 ふたたびの年 NHK「やまと尼寺精進日記」制作班

普段TVを見ない私は、NHKでこんな番組があることを知らなかった。たまたま図書室の利用者さんが他館所蔵のこの本を返却されたことで知った。 ふもとから徒歩で40分かかる奈良の山寺で暮らす女性3人の朗らかな顔。特に庵主さんのお顔はお地蔵さんのよう。四季折々を味わい尽くすこんな暮らし、ちょっとしてみたい。こちらは2冊目。

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親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる

親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる 友田明美

自己肯定感が低い親。その親の、まず良いところを探して「褒める」。親自身を褒めて、ポジティブを連鎖させる。 マルトリートメントは奥が深い。杉山医師との対談は、その奥深さをしみじみ感じる。 トライ&エラーを繰返しながらも、地域で共同で子育てする仕組みと環境が必要。

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暴走するネット広告

暴走するネット広告 NHK取材班

ネット広告の闇の側面に迫った一冊。 悪質なアフィリエイターによるフェイク広告。勝手にページが切り替わりインプレッションを稼ぐアドフラウド等、様々な手口を紹介。 これからは広告を見る側のリテラシーも問われそう。 広告をクリックして、反社会的な存在にお金を回しているのは、自分であるかもしれないわけだ。

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クジラアタマの王様

クジラアタマの王様 伊坂幸太郎

これ、いつ描かれた作品!? 途中で思わず発行日を調べてしまうくらいリアル。 いつもの伊坂幸太郎作品に比べ、ファンタジーな要素がイラストと組み合わさり、それが伊坂ワールド独特なリアルな部分との交錯が絶妙。 「現実は、僕の触れるこの、今体感しているここだった。情報でも、ましてや夢の中でもない。」 物語の展開も、後半に向かうにつれてグングンとスピードアップ!ページをめくる手が止まらない。 伏線回収も相変わらず絶妙。 一気読み、そして読み直し間違いない!

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ネットビジネス進化論

ネットビジネス進化論 尾原和啓

アフターデジタルを読んで、オンラインとオフラインの端境がなくなり、日常がオンライン化されている事実に気づかされた。 自分が社会に出る頃にマルチメディアという言葉がもてはやされ、そのあとも、言葉は変われど色んな形でデジタルを活用した日常が広がり、リアルが進化し続ける。 人間が進化し、色んな能力、技術を使いこなしてきたが、やはりヒトは社会的な生き物1人では生きられないし、コロナも乗り越えられないだろう。 新しいフェーズに移るため、そのムーブを起こすため、ネットをタカラとした新しい能力を身につけて、世の中に活かしたい。そんなことを考えるきっかけをもらいました。

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NHK出版 学びのきほん からだとこころの健康学

NHK出版 学びのきほん からだとこころの健康学 稲葉俊郎

健康学。頭の肥大化。衛生仮説。唯識。河合隼雄。八識。偽装された感情に気づけるか?具合が悪い時に手を当てるのは、無意識にその部分(臓器)に注意を向け、情報のやり取りをしているから。小さい時から、評価を重視され続けていると、自分の感受性より、相手の顔色を伺いながら理性だけの世界で世渡りする術に長けてくる。もっと欲求に忠実に。

壱人両名

壱人両名 尾脇秀和

日本史の授業で江戸時代の身分制度、それも百姓の扱いがどうにも腑に落ちず。そういうことにはしつこいのでこういう本はどうしても手にとってしまう。なぜ腑に落ちなかったのかというと、百姓はあくまで収奪されるだけの存在、という教わり方をしたわけだが一方で公事宿というものがあったと。それは地方から裁判を受けに来たものが泊まる宿だとも教わって…本当に虐げられているだけの惨めな存在であれば裁判に訴えることなどできないはず…どうも日教組のマルクス主義的なフィルターがかかった教育を受けたのでは、という思いがあって…と前置きがかなり長くなったのだけどこれはタイトルどおり、江戸時代には二重三重に身分を持っていた、農民であり商人であり時には武士である、という人がかなりの数いたのだ、という内容。かなり地味な江戸時代の裁判記録や土地の売買の証書などを丹念に調べて検証してありかなり興味深い内容であった。江戸時代の農村支配(支配という言葉の意味合いも現代とは少しく異なるのだ)の実態なども詳しく解説されていて興味深かった。そもそも極端な格差社会であればあれほど長く徳川幕府も保たなかったとも思うし、我々の先祖が考えられているより少し自由に生きていた、と思えるのは少し気分が良かったりします。

時間は存在しない

時間は存在しない カルロ・ロヴェッリ/冨永 星

夢にまでみたSFの世界が、実は現実に存在していたかのようなワクワクした気持ちになりました。 初歩的なことなんでしょうが、時間って、場所や高さが違うと流れる速さが違うという冒頭ですでに衝撃を受けました。 読み進めていくと、筆者の言う-時間は存在しない-の理由がわかって納得。

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「いいね!」戦争

「いいね!」戦争 P・W・シンガー/エマーソン・T・ブルッキング

SNSが政治や戦争に及ぼしている影響を軍事研究家がまとめたもの。SNSを日々使っている者としては目を通しておくべき内容かと思い手にとってみた。前半の1/3くらいはインターネットの誕生とSNSの生い立ちについてまとめられているのだがこれがかなりコンパクトで分かりやすく良かった。中盤以降がSNSがいかに「悪用」されているかの実例で、ISISのSNS活用、ロシアによる情報操作とアメリカ大統領選に及ぼした影響、同じくロシアによるウクライナ紛争、インドの大規模テロにおけるSNS活用、メキシコの麻薬戦争におけるSNS活用などがこれでもか、と列挙されている。フェイクニュース、それも怒りを駆り立てる情報は真実の報道よりはるかに早く広がる、という指摘が悲しい。何気なくいいねやシェアをすることで知らないうちに我々のような一般人も戦争行為に加担してしまう可能性がある、という指摘が怖い。SNSが生まれてから実はそんなに日が経っておらず、その意味では規制なども考えられていくだろう、ということだが我々自身も気をつけなければならない、ということが分かった。それにしても透明性を気にしない国家、要はロシアと中国のことだが、のITの「悪用」の上手さはちょっと驚くほど。ロシアの活用した4つのD(批判を一蹴「dismiss」、事実を歪曲「distort」し本題から目をそらさせ「distract」、聴衆を動揺させる「dismay」)が新たなSNS時代の戦争行為における文法であり戦略であるのだそうだ。しかしいろいろな事例を解説、分析しつつもよくある規制を強化せよ、みたいな文脈にならないところはやはりアメリカの研究者だからか。なにげに使っているSNSだけれども気をつけなければいけない、と分かった。ためになりかつ面白い作品だった。

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55歳からの時間管理術

55歳からの時間管理術 齋藤孝

まだ少し先かなと思って読みましたが、将来を見越して今の時間を大切に過ごしたいという気持ちになりました。

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バシレウス

バシレウス 塚本青史

中華統一の物語。 呂不韋。秦の公子嬴異人(始皇帝の父)を人質から救い出し、王位につけた大商人の伝。 商人の目からの秦国の成り立ちの様子を描いている。 アレクサンドロスの血脈が、語られている。 有名な人物やお話があったので飽きることはなかったが、それなりに頑張って読んだって感じです。 「キングダム」読まないと!