文藝春秋の本

廃墟ラブ 閉店屋五郎2

廃墟ラブ 閉店屋五郎2 原宏一

20210202 読了。 閉店屋五郎の続編。相変わらず人情にほだされる五郎。そこで展開される人間模様。

孔丘

孔丘 宮城谷昌光

孔子さまの苦難の人生。 今から2500年ほど前の時代なのに中国には身分や社会的な階級とか確立されていて凄いなあと思った。ただ何より恩師と弟子の関係の美しさみたいなもの、現代では消えつつあるものを感じた。 内容はとても難しい。 また読むかは不明。

森へ行きましょう

森へ行きましょう 川上弘美

同じ日に生まれた「留津」とルツ、平行世界に生きるふたりはあったかもしれないもう一ついや数多くの可能性を秘めた人生という名の森を歩む。 「無数の岐路があり、無数の選択がなされる。そのことを「運命」というらしいけれど、果たして「運命」は、一本道なのか。左を選んだ時の「運命」と、右を選んだ時の「運命」は、当然異なるはずで、だとするならば「運命」は選択肢の数だけ増え続けていくのではないか」p.106 この運命の奇妙さとはいかに。 そして奇妙な運命というやつに翻弄されながらも「みんな、森に行っちゃうんだな。ルツは思う。森で、迷って、帰れなくなって、でもそれでも、いつの間にかどうしても森に行っちゃうんだな。」p.548 人生という森は怖くもあるけどおかしいこともある。 「すあま、食べたかい。ピンクのすあまが、おいしいよ」p.410

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クラシックCDの名盤 大作曲家篇

クラシックCDの名盤 大作曲家篇 宇野 功芳/中野 雄

この本を買った時、「あー、同じ本を2冊買ってしまったー。」と思ったが、先のは平成11年第1刷発行の『クラシックCDの名盤』、今度は平成26年発行の大作曲家篇。前の教科書的な案内書と変わって、実に楽しいエッセイ集みたいになっている。執筆の三者が各々の想いや好き嫌いも正直に書いている。 僕は特に中野雄氏の『丸山眞男 音楽の対話』に感動したひとりなので、よりうれしい一書である。

日本沈没2020

日本沈没2020 小松 左京/吉高 寿男

まずこの本を読むと家族に会いたくなる笑 スケールが大きい話ですが普通についていけてしかも何度も涙が出るくらいの感動する話です! しかも現在の社会情勢と同じコロナ禍が進む世界の話で、今(2020年)読んでる方はより親しみやすい本なのではないでしょうか。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭

◎ 「ぼくは今から5日間だけ、灰色の街と無関係になる」そう言って東京からキューバへと旅に出る。 資本主義と新自由主義によってもたらされた、分断と格差は、わたしたちが気づかないうちに、「血の通った関係や没頭」を希薄にしてしまっていたみたいだった、わたし、が生きづらいのは、わたし自身のせいだけではなく、社会のシステムのせいでもある。 世間を信じる気持ちが強い日本は、他人を見る意識も、他人に見られている意識も、強い。みんなが敵に見えるようなこともある。 でも、その生きづらい社会のなかで、希薄になってしまっていた「血の通った関係や没頭」は、希薄になっているからこそ、その価値や大事さに気づくことができるのではないか、と思う。欠落はいつも人に何かを気づかせる。小川洋子や村上春樹が身体の欠落を描くのはそんなメンタリティがあるのかもしれない。 若林さんは旅をして、日本と比較することで自分の生きづらさを見つけていった、彼がたどり着いたのは「血が通った関係と没頭が最高なのは、キューバもモンゴルもアイスランドもコロナ後の東京も多分一緒だ」ということ。 東京という街が灰色だったのではなく、自分自身が東京を灰色に見てしまっていたのかもしれない。もう彼には東京も色のある世界で見えているのではないかな、と思ったりもする、

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私のことを憶えていますか 1

私のことを憶えていますか 1 東村アキコ

本屋で帯にそそられて購入。 一歳半の子供と旦那がいて、こんなテーマに憧れてしまう32歳の現実。 すぎてしまった時間に気がつくシーン、泣けた。 誰でも忘れられない人っているよね。 2020.12

ネヴァー・ゲーム

ネヴァー・ゲーム ジェフリー・ディーヴァー/池田 真紀子

どんでん返しの第一人者である作者があらたな主人公を創り出したというので手にとってみた。作者は大きく2つのシリーズを持っていて一つは全身麻痺の鑑識の天才を主人公としたもの、もうひとつは事情聴取の天才である女性警官を主人公としたもの、でいずれもどちらかというと「静」という感じのものであったのに比べ本作の主人公は賞金稼ぎを生業としてキャンピングカーで全米を移動し、しかも親の影響でアウトドア・スキルにも長けている男、といういわばこれまでと真反対の設定となっている。デビュー作の本作品ではシリコンバレーで行方不明になった女性の捜索からゲーム業界の暗部に踏み込んで...という話。親兄弟にまつわるトラウマ系の伏線も次作以降のためかビンビンと貼られていて非常に興味深い。やはり一流のエンターテイメント作家、現実離れした主人公ばかりだけどこの作品も楽しく読ませる。プロの仕事を感じました。面白かった。

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インビジブル

インビジブル 坂上泉

 「インビジブル」坂上泉著文藝春秋、敗戦の傷跡がいまだ残る昭和29年大阪を舞台にかつて存在した大阪市警視庁管内で起こる猟奇殺人事件をルーツの違う二人の刑事が追う。バディものの魅力もあるがそれ以上に同僚刑事たちの濃厚な人間臭さが印象的だ。 戦後史の流れに沿う物語だけに「砂の器」を彷彿とさせる場面もあり。 舞台は昭和29年だが、現行の大阪の状況のメタファーとでもいえるのではないかというのは考えすぎだろうか。耳障りの言い言葉で先導する地域政党とも被る気がするのだが。 「戦災で孤児や浮浪者になった物は、戦後9年が経った今も十分な助けを得られず、世の中への果てしない怨嗟が積もり重なって犯罪に走る。そういう者たちを自分ら官憲が見せしめとばかりに懲らしめる。それを「善良な」市民を求めるからだ。」P.34 「皆が皆、一歩間違えればあの浮浪者のようになったかもしれないと薄々気づきながら、今いる場所を守るために平然と罵り蹴り飛ばし、己のうしろめたさを解消する。」p.35 コロナ禍の2020年も変わらない。