上野元美の訳書

さよなら、シャーリー・テンプル

さよなら、シャーリー・テンプル ジョセフ・ミッチェル

一作目を読んですっかり魅了されてしまった雑誌ニューヨーカー随一の書き手と言われたらしいライターの作品集三作目。有名人でもなんでもない人達のちょっと興味深い話が中心で1940年代のニューヨークを主な舞台としたコラムがほとんど。この作品集では初っ端なぜかジプシー(今どきはロマって言わねばなんだろうけど)のやたら微に入り細に入りな話で正直ちょっとこれは…と思ったものの2編目からは快調に飛ばしていて面白く読めた。ちょっともの悲しい印象のタイトル作とか、アルコールで失敗を重ねて断酒していた男が結局再び酒を飲んでしまう瞬間の描写だとか、タフな女料理人の話とか、インディアンたち(これも今どきはアメリカ先住民なんだろうけど)のリアルな生活~男らしく勇気を試される仕事として多くの先住民が鉄工鳶になりニューヨークの摩天楼作りの現場で活躍したとは知らなかった~などなどバリエーション豊富な話がどれも面白く興味深い。作品集は全四冊らしく次作で最後とか。楽しみでもあり悲しくもある。

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港の底

港の底 ジョセフ・ミッチェル

雑誌ニューヨーカーの伝説的なライターの作品集。前作が良かったので手に取ってみた。本作はタイトル作に代表されているようにニューヨーク周辺の水辺で生きる人達のことを描いた作品集。読んでる間は忘れているのだけれど既に半世紀前の作品でまだマンハッタン周辺で牡蠣やロブスターが取れた時代。有名では全くない漁師やレストラン経営者などの話が生き生きと描かれている。優れたノンフィクションはどれもそうだけどこの作者もエピソードのチョイスが素晴らしい。ヘミングウェイやフィッツジェラルドに勝るとも劣らない短編作家だと思う。寡作ということなんだけど他の作品も読んでみたいと切に願う。面白かった。

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