中原尚哉の訳書

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スタートボタンを押してください ケン・リュウ

ゲームにまつわる12の作品が収められたSF短編集。 ケン・リュウ(「紙の動物園」など)や桜坂洋(「All YouNeed Is Kill」など)、アンディ・ウィアー(「火星の人」など)といった有名どころの作品は当然ながら、本邦ではあまり知られていない作家の作品もどれも個性的で魅力的だ。 これはお得感ある。 私にとってSFはどれも、現実にはあり得ないという前提からか、どこかせつなさを感じる物語で「お気に入り」の物差しもせつなさの質と量が基準になる。 その基準に従って、上記の3人の作品以外でいくつか本書から挙げてみると、 「1アップ」 「猫の王権」 「キャラクター選択」(一時期私もこういうマイルールでゲームをプレイしてました!) 「アンダのゲーム」 かしら。 ゲームにまつわるとは言ってもビデオゲームばかりでなく、どの作品で取り上げられるゲームも千差万別、荒唐無稽な設定で難解なルールもあったり、そのもどかしさがまた面白い。

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 ピーター・トライアス

ラストは泣きそうになってしまいました。 ディックではないですし、ロボットものでもないです(メカパイロットの戦闘の天才・久地樂はイカしてます) 全体的にやや露悪的なエンタメで読みやすく、本質はバディものでした。最前線で全身傷だらけになりながら軽口を叩くようなハードボイルドさ。 男女のバディでありながら恋愛感が全くないのもいいです。ベン&槻野課員のコンビは強くて、弱くて、怖くて、格好いい。 拷問や悪趣味なガジェット(全自動ロボトミー手術マシーンとか内臓を引きずり出すポメラニアンとか)が多々出てくるのでお食事中には読めないですが、個人的には大好きなノリの作品でした。

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 ピーター・トライアス

もし大日本帝国が太平洋戦争で勝利していたら・・・の日本領アメリカを舞台にしたSF。 電卓がスマホ的な扱いになっていて、電卓に配信される戦争ゲーム(プロパガンダ)に国民みんな熱中している。 電話やメールは国に監視されており、天皇陛下への反逆的な発言はすぐ特別高等警察にキャッチされるという、大日本帝国ディストピア。 あまり歴史には詳しくないですが、「大日本帝国」と「日本」ってぜんぜん違う国なんですね・・・ 「日本のいちばん長い日」を読んだときも思ったけど。 ゲイシャ、カミカゼなどの王道から、競艇、ホスト、カラオケ、伊勢うどんなど、日本ネタが細かく挟まれてくるので、日本人としてはシリアスなシーンでもなんか面白い。著者はどういう人なんだ・・・

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折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー ケン・リュウ

ケン・リュウが中国SFのいまを伝える作家たちを選んだ短編集。郝景芳「折りたたみ北京」は北京という都市全体をギミック化した奇想の物語。ほかの作家も個性豊かでシーンの盛り上がりが伝わります。

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン ピーター・トライアス

話題になっていたので購入したが、読み始めたら最後まで一気読みしてしまった。ラノベみたいな感じで会話中心で進み、一つ一つの文章も短いのでサクサク読める。 内容は歴史改変ディストピアSFといったところ。戦術シュミレーションシステムが、ゲームとして民衆に広まった世界というのは面白い発想。あらすじを読んだだけではゲームが何故重要なのかは分からなかったが、ゲーム=高性能の戦術シュミレーション、と考えるとその重要性がよく分かった。 最後のエピローグみたいな部分は悲しくなってくる。でも、そこに描かれたことを前提としてこの小説を読み直したら、また違った景色が見えそう。 残酷残虐描写が多いのでそういうのが苦手な人は注意。 訳が素晴らしい。全く違和感がない。逆にここまで日本語的な文章が原文ではどのように書かれているのかが気になる。

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