土屋晃の訳書

ジョー・グールドの秘密

ジョー・グールドの秘密 ジョセフ・ミッチェル

一流雑誌ニューヨーカー随一のライターと言われた作家の作品集第四弾。なんとも残念なことに本作でこの作家の作品は全て読んでしまったことになる。あとがきを読んで驚いたのだが最高傑作とされるタイトル作を発表してから30年と少し、ずっとニューヨーカーのオフィスに通いながらついに一つの記事も発表しなかったのだそうだ。職場に通いながらの隠遁というスタイルを許した会社も凄いけれどそれだけ作者への評価も高かったということだろう。本作も有名人とは程遠い市井の人々の姿を描いた素晴らしい作品ばかり。なんとも物悲しく印象的なタイトル作をはじめ既出の作品と同じテーマをリライトしたものもいくつかあるがそれらを読み比べるのも楽しいだろうな。手許に置いて何度か読み返したい、そんな作品集。素晴らしかった。

追撃の森

追撃の森 ジェフリー・ディーヴァー

別荘地からの通報で様子を見に行った女性警官が殺人犯に遭遇し、救援を求められないまま森の中を殺人犯達に追われる、という話。 上手いのは殺人犯側、追われる警官側、ともに片方がプロでもう片方がシロウトという設定にしていること。 当然ながらディーバー作品ならではのラスト二転三転もあって、すごく面白い小説。なんですが...あとがきにもあるとおり「他の結末があった筈だ」という思いが拭い去れない...すごく面白くてオススメなんですけどね。

マクソーリーの素敵な酒場

マクソーリーの素敵な酒場 ジョセフ・ミッチェル

ジャーナリストから雑誌ニューヨーカーのコラムニストに転進した作者の作品集。年代的には第二次大戦前くらいが中心で主に大都会の安酒場やその周辺で生活する人たちのことを描いたもの。ジャーナリスティックな内容かと思っていたらあとがきにあくまでフィクションだと。しかし作品はどれもリアルな感じで引き込まれてしまう。冒頭の安酒場年代記と最後に収録されているひたすらビーフステーキを食べまくる人達を描いた作品がとくに秀逸。名文家として知られた人らしいが納得の内容。面白かった。

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限界点

限界点 ジェフリー・ディーヴァー

売れっ子ディーバーがたまに出すノンシリーズ。本作では証人保護のプロフェッショナルが狙われた刑事一家を凄腕の調べ屋〜拷問と殺人のプロ〜から守る戦いが書かれる。 知力を尽くした裏のかきあいに加えて刑事一家が何故狙われているのか、依頼者が誰なのかという謎解きも上手く設定されていてさすが腕利きの娯楽作家と唸らせられる。 この作者の場合、どんでん返しに凝りすぎるあまりストーリーがごちゃごちゃしたりするきらいがあるのだけどそれも軽めで良かった。 片道10時間くらいの飛行機で読むのにちょうどいい感じ、という印象。

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