大森望の訳書

クロストーク

クロストーク コニー・ウィリス

「もし思考や感情がダイレクトに人に伝わったら?」という仮定を突き詰めて書かれた作品。「EEDという脳の手術によって感情が伝わるようになる」という設定だが、EEDが何の略かは最後まで分からない。謎技術。ドラえもん的SFか。 全体的にコメディっぽいが、冗長な部分が多く読み終えるのにやたらと時間がかかった。 登場人物の9割が「人の話を聞かない病」に罹患しており、「自分が言いたいことを一方的に言い募る」事を交互に繰り返す会話が多い。 もっと短く密度が濃かったら好きになれたかもしれない。

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20世紀の幽霊たち

20世紀の幽霊たち ジョー・ヒル

最近ちょっと良い噂を聞いたの(ただ、書店での全く知らない人たちの話しが聞こえてきて、それがジョー・ヒルさんでした)と、やはり作家の息子の作品はスゴイのか?というのを確かめたくて(ジョー・ヒルさんはスティーブン・キングの息子!)読みました。 ひとつのテーマで括るのは難しい感じがする様々なものを扱った、しかし当然主たるモチーフに【恐怖】がある短編集です。出来うる限り、いつも私は先入観を持たないで作品を味わいたい、作品ごとに評価が違って当然だ、と考えて読んでいますが、全くまっさらで臨めるほど人間が出来ているわけではありません。が、どんなクダラナイ作品を書く人でも、時に素晴らしい傑作を生み出すこともありえますし、いつも完成度高い作品を生み出す作家(もしくは音楽家でも、映画監督でも、役者さんでも、芸術家、あるいはモノを生み出す方ならどんなモノでも)がとんでもなくどうしようもない(と一受け手である私が感じる)作品を世に問うこともありますよね?先入観はなるべくなくして作品そのものを楽しみたいです。が、やはりスティーブン・キングの名前は大きかったし、私も結構好きな作品があるので、ちょっと期待し過ぎたかもしれません。 様々な趣向を凝らした短編集で、私が気に入ったものは、あるホラー短編を自分が監修する「年間ホラー傑作選」という本に載せたいが為に様々な困難を乗り越える編者が主人公で作中作の赴きを生かした(私の中のこの短編集のベスト!)『年間ホラー傑作選』、吸血鬼について新たな角度からの視点を基にしたホラーというよりも幻想ものともいえる『アブラハムの息子たち』、野球への偏愛を滲ませながら問題ある子供と独特の関わり方を示し、なお愛情も理解させる『うちよりここのほうが』、一人のダメ男の目の前に訪れる不運と、めぐり合わせと、陥るべき現実(この短編の切り方はかなり好きです)『挟殺』、不思議な博物館を舞台に展開する奇妙で不可思議な展示品と観客の運命(モチーフは1番好き)『末期の吐息』、ちょっとしたレイモンド・カーヴァー的作品『ボビー・コンロイ、死者の国より帰る』、何か大きな物語の導入としてだったらもっと楽しめるのでは?とも感じさせる『救われしもの』です。 ただ、非常に残念に感じる部分もあって、人は小説に何を求めるのか?とかいう根源的問いかけにも通じてしまうのですが、その世界に潜りたい!潜ってしまったことに気付かせないうちに潜ってしまった、という感覚に読み手を持ってこれれば、およそどんな奇想天外な、ありえない不条理も、読者は受け入れられると私は考えます。しかし、潜らせるテクニックなり、深さによってはどうしても「何で?」という批判性が頭をもたげてきてしまいます。短編はだからこそ難しいと思いますし、それが上手く行ったうえでの物語の切り方落差は長編小説にはない短編の醍醐味だと思うのです。そしてそんな部分にこの短編集では上手くいっているものと、いっていないものの差が大きいと私は感じました。作品の完成度としては『自発的入院』におそらくほとんどの方々が父キングの跡を見出せると思うのですが、だからこそかえって私にはキングの偉大さを感じました。ただ、スティーブン・キングの短編は私はいまひとつなのですけれど。 父キングのころよりも、感じたり、考えたりする時間が少なく世の中全てのスピードがあがっただけ、とも言えるかも知れません。より現代的なのかも知れませんし、ただ私の好みが古臭くなっただけとも言えるかもしれません。が、物語の中に潜らせる技術、取り込むチカラ、その魔力を知っている人には少々物足りなく感じさせるかも、ということです。 新しいホラーの形に、あるいは作家の系譜に興味のある方にオススメ致します。 2009年 4月

オール・クリア2

オール・クリア2 コニー・ウィリス

最高傑作。コニーウィリスありがとう。訳してくれた大森望さんありがとう。大好きな登場人物たち、一人ひとりとのお別れがほんとにつらい。思い出すだけでまた涙が出てくる。悲しくて寂しくて愛おしくて。最後にはすべてがきっとうまくいく、って信じ続けた物語。 ああ、コリン大好き、ずっと信じてた。そしてアイリーンへの感情移入が止まらなかった、悪魔のようなホドビン姉弟への愛が沸いてしまう気持ちわかる。

ブラックアウト

ブラックアウト コニー・ウィリス

長いのに一度も飽きない。もどかしいことばかり起きる。続編があるとはいえある程度完結するだろうと思ったら甘かった!全く!これ読んだだけじゃ、すっきりしない!やられた!慌てて続編『オールクリア』を買った。コニーウィリスの本は、値段は高いかもしれないけど値段以上の価値が余裕である。SF界の女王さすが。

ゴッド・ガン

ゴッド・ガン バリントン・J・ベイリー

いろいろな証拠から考える限り、神も物理的存在だから神を殺す方法は存在するという表題作のほか、奇想が詰まった短編集。最後に収録された「邪悪の種子」はプロットとしては何かの秘密ーそれを持つ者にとっては災厄だが、しばしば他人から見れば垂涎に値する秘密ーを奪おうとする、よくあるものだけれども、奪おうとするものがテクノロジーを駆使して追い続けるという目新しさがあって、その分よけいに物悲しいものがある。 あと何より装丁がいい。というか文庫だからカバーデザインというべきか。アンシャル体系統の英文書体でシンプルなモノクロでまとめられててそれだけで買い。が、和文が楷書ってどうなの。そこはクラシック系の明朝じゃねーすか。

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トータル・リコール

トータル・リコール フィリップ・K・ディック

鬼才ディックの短編集。その多くが映画化されているのは、やはり発想の見事さと、秀逸なストーリーテリング技術なのかもしれない。表題作トータルリコール、マイノリティリポート、ペイチェックなど。SFの未知の世界観は映画だけではなく、原作小説も眠る前のひと時に丁度良い。

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空襲警報

空襲警報 コニー・ウィリス

「本は世界のすべてです」。付録にあるコニーウィリスのスピーチ原稿。本は世界のすべて、この言葉に涙腺ゆるんだ。もっと本を読んでいきたい。

航路(下)

航路(下) コニー・ウィリス

コニー•ウィリスの大ファンになったきっかけの本!最高!テーマも、会話のやりとりも、展開も全てが五つ星。

オール・クリア 1

オール・クリア 1 コニー・ウィリス

ブラックアウトの続編。2060年からタイムトラベルした1940年に囚われなかなか帰れない!戦時中の真最中。もどかしいことの連続。そして、アガサ•クリスティも現れた。いつになったら、どういう形で現代に戻れるのか。下巻へつづく。

はい、チーズ

はい、チーズ カート・ヴォネガット

実は初ヴォガネットですが、それがこの未発表短編集でよかったのかどうか。最寄りの図書館にはこれしかなかったから。取り寄せ予約で他の有名なやつを読みたい。これはこれで、切れ味が、また。

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航路(上)

航路(上) コニー・ウィリス

『クロストーク』の面白さに衝撃を受けたので、過去作品の中でも評判の高い本作を手にしました。読み応えがあって、読みやすいところがお気に入り。クロストークよりも、本作の方が話の展開が読めない!タイタニックどうなる!?

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