山本やよいの訳書

フォールアウト

フォールアウト サラ・パレツキー

邦訳される度にとりあえず手に取る作者の一人。シカゴの女性探偵のシリーズ。本作ではいつものシカゴを離れてカンザスが舞台となっている。黒人女優の草分けと共に姿を消したいとこを探してほしい、という依頼を受けてカンザスを訪れた主人公、女優が自らの生い立ちをドキュメンタリーでまとめようとしたその過程でタブーに触れてしまったのだろうと気づくのだが、という話。冷戦時代のミサイル基地があった田舎町でいつもと勝手が異なる状況のなか奮闘する、という話なのだが…正直言ってちょっと冗長では、という気もした。登場人物が多過ぎるのでストーリーがこんがらがって最後の会話で全て整理する、という流れは少しいただけない。力があって優れた作者の作品だけに少し残念。次作に期待。あと、くさしついでに言わせてもらうとこの安っちいイラストの表紙もいただけない。少なくとも僕のイメージしてる主人公とは全然違ってこれも興醒め。

フランス人がときめいた日本の美術館

フランス人がときめいた日本の美術館 ソフィー・リチャード

洋書の逆輸入 海外の人が日本の美術のどういうところに惹かれるのか、何を紹介すべきかのヒントになる本 これからもこの国の豊かさを守っていくためにも、一人一人が自分の国の美術や伝統芸能についてもっとよく知るべきだと思う

セプテンバー・ラプソディ

セプテンバー・ラプソディ サラ・パレツキー

女性が社会の中で戦い抜くってどんなに大変か?というのを、このシリーズには書き続けられている。 ヴィクは私立探偵というかなり特殊で過激な職業についてはいるけれど、普通の女性にとっても、あるある。と頷けることが多々あることに、社会の中で揉まれるようになってから、なおさら分かるようになりました。 バックには社会情勢も描かれている。 サラ・パレツキーも逃げずに戦いを挑み続けている。

カウンター・ポイント

カウンター・ポイント サラ・パレツキー

シカゴの女性探偵を主人公とするストーリーの邦訳。もう17作目なんだな。 ポーランド系の警官とイタリア系ユダヤ人の音楽家の娘で今ではかなり危険な地域となっている貧民街の出身、法曹資格を持ってる探偵という設定。同じ貧民街からアイスホッケーのスターとなって引退後に若くして死んだいとこがいる。 本作では貧民街で隣に住んでいた仲の悪い一家の母親が自分の娘を撲殺した罪で服役していたのだが釈放されてから真犯人は主人公のいとこだった、と言い出したところから始まる。真相を探るうちに地元社会の隠された悪を暴き出して、という話。真相解明のあたりでかなりバタつく印象だがシリーズが長くなってるのに相変わらずの品質を保っていて素晴らしい。

ナイト・ストーム

ナイト・ストーム サラ・パレツキー

相変わらずの安定感で面白かった。 この作家さんは女性かつアングロ・サクソンで無いこともあってか、超リベラル。 アメリカ中西部的というか、キリスト原理主義的な価値観にはすごく牙を剥くので大丈夫かな、とちょっと思ってしまう。中絶反対で学校で進化論を教えるのに反対するような人=人種差別で家庭内暴力の人、みたいな描かれ方をしていて、それがちょっと鼻につくときもあるんだけど...この作品は非常に面白く読みました。