池内紀の訳書

変身―カフカ・コレクション

変身―カフカ・コレクション フランツ・カフカ

文豪の本で初めて「面白い!」と思った本かもしれない。いや、他の文豪も面白さはあるのだが、これは『コメディ』という感じの面白さがあった。でもどこか重い心情が映し出されており、短めなのに疲れてしまった。

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城―カフカ・コレクション

城―カフカ・コレクション フランツ・カフカ

「変身」で有名なカフカを初めて読みました。 以前も挑戦した事があったのですが、そのときは全く読めなかったのですが、今回の池内さんの訳はとても読みやすくてよかったです。 城(または、組織)が支配する村に測量士として招かれたKを主人公に、非常に不思議な物語が展開されます。そして、読み手に対して丁寧にも関わらず、その判断を下す事を絶えず躊躇させ、それでいて非常に強大で圧倒的な『城(私は個人的には城に付随する『組織』と考えました)』だけが常に存在感を示し、Kを、読者を従えようとしてきます。 個人的にはいわゆる「不条理もの」と認識いたしましたが、それだけでない、読者に語りかけ、今現在でも通用する(と言うかヒトが生きている時代ならいつでも)誰でもが思う不条理さの持つ何かを問いかけてきます。組織という見えないものなのにも関わらず、圧倒的チカラを持ったモノに対抗する不条理さのリアルさが、信頼置ける何かまでもが、少しの事で(時間の経過、状況の変化、視点の転換、相手の思い込み、自分の錯覚、など)信頼していたものが、全く変わっていってしまう感覚などがまたとてもリアルです。 不条理さとは何か?と考える事は少ないけれど、この世の中は不条理に満ち溢れています、その世の中を生きていくためにも少し不条理さについて考えてみたい人に、オススメ致します。 特に「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が好きな方には、是非とも。あの物語の原点を、私は個人的に感じました。 2008年 2月

音楽家の恋文

音楽家の恋文 クルト・パーレン

シューマン、ブラームス、マーラー…、音楽家たちの恋を恋文を通して。悪趣味と言われるけど、書簡集好きで集めてしまいます。 ブラームスの項は泣かせます。ところどころ精神分析の症例にぴったり…的な揶揄があるけど、そんなことなんかより一人ひとり不器用で、情熱的で、苦しんで、本気の恋に心を打たれます。ゆっくり読ませていただこう…。

カフカ短篇集

カフカ短篇集 カフカ

不思議というほか無い。わからない。「ある物語を聞きとるための耳が成熟するには、長い時間が流れなくてはならないのです」とカフカが言ったそうな。どうやら私の耳は、まだ充分には成熟していないらしい。

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審判

審判 フランツ・カフカ

現代の不条理や不安を表している、とかよく言われますけれど、どうなんでしょうか?もちろんそういう側面もありますけれど、また、私は誤読を含めて読者が物語を楽しみ、判断する自由があると考えていますので、私見ですが、不条理や不安はもちろんですけれど、不条理ギャグ、みたいな部分が気になりました。私が読んだどの作品(「城」「変身」「審判」)も自身の信じているもの、社会常識や社会通念がある日突然信じられなくなる不安(それも個人対組織という形をとっての)、だからこその自分の立場や自分を信じ難くさせる不条理をあらわしてはいます。 しかし、この訳者の読みやすさもあるのでしょうけれど、そこはかとなくユーモアの香りを感じます。また私個人だけが分かっていないという立場をとらせているのに、ある意味その不条理な状況を素直に(抵抗はすれども、現実的に受け入れがたいことまで、結構そのまま)受け入れてしまうそのさまが、どこか滑稽に思えてきます。 すると、何処まで行っても細かな理由をつけてただ単に拒絶されている、という状況に変わりはなく、繰り返される滑稽さがまた増します。もちろんきっと様々な解釈が可能だと思いますが、後は受けて、読み手の側の問題なのではないか?と私は考えます。 しかし、中でも「審判」と「城」は面白かったです。私の好みとしては「城」に軍配が上がりますが、審判の方が完成されているともいえます。 不条理ギャグがお好きな方に、オススメ致します。 2008年 3月

飛ぶ教室

飛ぶ教室 エーリヒ・ケストナー

作家のエッセイのような導入から、作家がこの物語を書き始めて本編スタート。最後はまた書き終えた作家の描写で締めるという、映像を彷彿とさせるようなかっこいい構成。最初は楽しんで読めるか不安になったけれど(文体に馴染めなかったり、学校生活の描写に面白みを感じられるのか疑問になってきたり)3分の1を過ぎたあたりから、一気に読みきりました。言葉で説明してしまうと、ある寄宿学校のクリスマス前後に起きたあれこれ、ということになってしまうのだけれど、唯一あるとすれば、こんな素敵な先生たちが身近にいたらなあということかな。

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永遠平和のために

永遠平和のために イマヌエル・カント

平和学の先生にオススメされて読んだ。いろんな人が訳しているが、これが一番わかりやすいだろうと思う。図書館にあったものは、難解すぎた。 ティーンエージャー向けに訳されているのだろうけどそれでも結構抽象的。でもはっと思わされることも沢山ある。200年前からカントが現代を見透かしているような気さえした。

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