池田真紀子の訳書

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上 A.J. フィン

日課は映画鑑賞と隣人の暮らしを覗くこと、そしてその合間に高級ワインに耽溺する女性精神科医、アナ・フォックス。 精神科医といっても彼女は外出することができず、もっぱら治療は同じ病気「広場恐怖症」の患者たちが集うサイトで助言するくらい。 外の世界に恐怖し、自宅で隣人たちの浮気や趣味、チェロの音色、そして自分の心の声に耳を傾ける毎日。 アナは隣家に引越してきた一家の暮らしを覗き見するうちに衝撃的な事件を目撃する。 しかし被害者は手品のように消え、一家の誰も事件を認めないうえ、警察も酔っ払いの覗き趣味のアナの話を信じない。 真相に探ろうとするアナだが言動はまさに病人のそれで、彼女はますます酒に溺れ自滅していく…。 あらすじからは映画「裏窓」や小説「消えた花嫁」などが思い浮かぶ。 それらでは主人公を信じてくれる誰かがいたが、アナには誰も現れない。 それはアナが過去にある失敗をしてしまった報いであり、そしてその報いは彼女自身が償わなければならない宿題でもあるのだ。 人は誰でも、生きているその過程で、選んではいけない道に足を踏み込んでしまうことがある。 あとがきによると、著者も実は過去にアナと同じ病気を患い、立ち直った過去を持つという。 他の誰が許しても自分が自分を許せない、アナの行為は飲酒による緩やかな自殺行為だったんだと思う。 そんなアナを救ったのは、皮肉にも彼女の命を狙った真犯人なのかも。 人は誰でも間違う、だけど、やり直すことはできる。 ラストでは著者からのそんなメッセージを受け取ったような気がした。

ブラック・スクリーム

ブラック・スクリーム ジェフリー・ディーヴァー

新作が出ると必ず手にとってしまうシリーズの一つ。科学捜査の天才でほぼ全身麻痺の名探偵が主人公のこのシリーズ。本作ではシリーズ初の海外が舞台。呻き声に合わせた音楽に合わせて拉致した人間をじわじわ殺そうとするところを動画にして投稿する、という猟奇殺人犯を追って探偵の手足となる女性刑事と介護士を連れてイタリアはナポリに渡り、強引にイタリア国家警察の捜査に加わってしまうという展開。犯行現場に残された微細な証拠から真相を追う展開と、この作者の場合はどういうどんでん返しがあるのか、という興味で読み進めていくのだが…本作のひねりはちょっとやり過ぎというか反則という感じかな。面白かったし良くできた作品だったのだけどちょっと引っかかった。悪くは無いんだけど。

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スティール・キス

スティール・キス ジェフリー・ディーヴァー

積読していたら、新刊が出てしまったので慌てて読んだ。 いままでのシリーズだと徹夜してでも読みたい!と思っていたが、「スキン・コレクター」あたりから過去の振り返りが頻繁に入ってネタ尽きたのか?と勘ぐってしまう。 特別驚くような仕掛けはないのだが、書き手が上手いので読ませてくれる。凡作?と気づかせないところがうまい。

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トレインスポッティング

トレインスポッティング アーヴィン・ウェルシュ

メインの登場人物を軸にオムニバス形式で物語が進む。 ページ数は522ページとボリュームたっぷりなだけあって、心理描写が映画よりもかなり詳細に描かれている。 映画ではただのクソヤローだったベグビーにも少なからず人間的側面を垣間見ることができるが、それでもやっぱりクソヤローだった。 個人的にはケリーがバイトで中流階級の下品な連中を相手にする話が、まとまりがあって好き。 早川書房さん、2017年公開予定の続編に合わせてポルノの文庫化お願いします。

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魔術師

魔術師 ジェフリー・ディーヴァー

リンカーン・ライムシリーズの第4弾「石の猿」を読了したので10 年以上前に購入した第5弾「魔術師」を読み始める。読了は何年後になるやら。

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トム・ゴードンに恋した少女

トム・ゴードンに恋した少女 スティーヴン・キング

9歳の女の子パトリシアが、母と兄とピクニックに出かけ、そこで2人とはぐれて広大な森の中で迷ってしまい、たった1人でのサバイバルが始まります。 大好きなレッドソックスの選手、トム・ゴードンと空想の中で言葉を交わすことを心の支えに、過酷な状況の中を何とか生き延びようと試行錯誤して頑張る様子に、何度も傍に行って抱きしめてあげたくなりました。

バーニング・ワイヤー 上

バーニング・ワイヤー 上 ジェフリー・ディーヴァー

リンカーン・ライムシリーズの9作目。大好きなシリーズですが、読むのは1年に1作と決めています。シリーズを完読してしまうのが、もったいないのと、読み始めると他のことが手につかなくなるから。 今回は電気を殺人道具として自由に操る犯人とライムの死闘を描きます。読みどころは、殺人予告のタイムリミットの中でライムや美貌の刑事アメリア・サックスたちが如何に証拠を集め犯人に迫って行くか?アナログのFBI捜査官フレッド・デルレイの泥臭い活躍にあります。 ダレるところが殆どない超一級エンターテイメントですが、他の8作と比べると若干ドキドキ度は少なかったように思えます。それでも、先の読めないストーリー展開は魅力です。 読んでない人は幸せと思える好シリーズ。1作1作が独立するシリーズですが、1作目の「ボーン・コレクター」から始めるのがマストです。今回は、ちょっと厳しめの★★★☆。

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グレイ 下 (Riviera)

グレイ 下 (Riviera) E L ジェイムズ

互いが特別に想っているのが読んでてわかる。悪夢の幼少時代は胸が苦しくなった。 フィフティシェイズシリーズと重ねてみるとより面白い!