矢沢聖子の訳書

終りなき夜に生れつく

終りなき夜に生れつく アガサ・クリスティー

クリスティーが自らのベスト10にも選出した、ロマンスサスペンスの傑作! まず最初に、この「終わりなき夜に生まれつく」には、ポアロやミス・マープル、はたまたトミー&タペンスも出てきません。 クリスティーといえば、それらの「シリーズもの」のイメージが強いのですが、私の中ではむしろ「それ以外の、特にロマンスもの」にこそクリスティの偉大な作家たる所以が垣間見えると思っています。 特に「愛の小説シリーズ(「春にして君を離れ」などを含む)」やこの「終わりなき夜に生まれつく」は、実はクリスティが一番書きたかった小説なのではないか、と感じてしまうほど印象深い作品なのです。 主人公の「マイケル」は、<ジプシーが丘>と呼ばれる呪われた土地で、富豪の娘「エリー」と出会いま、恋に落ち、結婚します。マイケルの友人で、「天才建築家」のサントニックスに依頼して理想の新居を建てる。 しかし、「この土地から出ていけ」と警告する怪しい占い師に怯えるエリー。莫大な遺産を引き継いだエリーを取り巻く親戚の人々。やや異常なまでに親密なエリーの世話係グレタを嫌がるマイケル。。。と新婚生活は少し不安定。 果たして呪われたジプシーが丘で始まった二人の新婚生活はどのような結末を迎えるのか!? (いわゆる「衝撃の結末」が待っています!) 自分が本当に欲しいものが何なのか、または自分にとっての幸せってどういうことなのか、全然わかってないことって多いんですよね。 愛の小説シリーズにも必ずといっていいほど物事の本質を見極めているような、優れた考え方の登場人物が1人出てきます。この作品ではマイケルの友人であり建築家の「サントニックス」がそのポジションと思われます。 彼の考えは「正解」であり、彼のいうようにできれば一番良いのですが、実際はできないことが多い。エゴや欲、色々なものがその人の周りには渦巻いており、そのようにはできない。。 単純にトリックだけでも楽しめますが。そのような「マイケル」と「サントニックス」の対比にも着目すると、また一つ面白いのかもしれません。人は自分にとって何が1番大切かをわかっていないことが多い。。。 ジプシーが丘という美しくも、呪われている場所で、エリーと出会ったマイケルの本当に求めているものは何なのでしょうか? 衝撃の結末とともにお楽しみください!

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パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術

パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術 アンドリュー・ソーベル

コンサルタントの著者によるエピソード本と言ってよい。「パワー・クエスチョン」と銘打っているが、その対象、状況殆どバラバラで一定したものはなく、章立ても統一性が無い。しかし、雑多な並びゆえに読みやすいしとっつきやすい。全てでは無くとも、幾つか参考になる部分があるだろう。

編集者を殺せ

編集者を殺せ レックス・スタウト

ポケミス60周年ということで装丁を新しくして出てましたので読んでみました。 美食家で巨漢(といっても180cm、120Kgということなのでそんなに…という感じですが)ネロ・ウルフの作品です。 蘭を育て美食を続ける家から殆ど出ずに事件を解決する名探偵という設定です。 まだタイプライターが使われており電報が使われてる頃の話で古典としては楽しめました。