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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

神田村経由専門書版元

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コメントした本

はま太郎

「はま太郎Vol.16南区特大号」星羊社、横浜中心部にありながら観光客ゼロメートル地帯。ヨコハマからイメージする華やかさとは全く縁の無い、愛すべきジモト南区の特集とは嬉しい。小学校の社会科見学はカモメパンと捺染工場、副担は演芸場の娘。酒の美味そうな店多数掲載。 故歌丸師匠が南区制70周年記念誌に掲載されているインタビューで語っていた「東京は金儲けをするところ 横浜は暮らすところってね」これ現在全く同じ状況なのでしみじみする。東京いい町なんだけどオリンピック決定後のせわしなさに全くついていけず。工事しないと死んでしまうのですかと問いかけたい

約9時間前

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

キリっとした切れ味鋭い短編集。「どうにもならない」のアル中描写が染みる。「それから家を出て角の酒屋に向かった。もう今なら開いている。」p.120 やめようとは思っているけど脳にジワリとしみこむ誘惑。 トラックを暴走させるジョン叔父のアルコールが入った脳髄による根拠のない高揚感及び全能感が痛い。

16日前

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罪の轍

オリンピックの身代金でこの時代を描いた著者による実在の事件をモデルにしたミステリ。 「誘拐」本田靖晴+「少年」大島渚の世界感というべきか。寛治の逃避行の先をもう少し見たかった。 カバー写真は傑作写真集「張り込み日記」渡部雄吉としっかりとした世界感はまさにプロの仕事。奥田作品によく出る やたら勢いの良いレフトの活動家も健在。「椅子に片膝を立て、足に水虫を塗りながら」P.46この場面どこかで見たか読んだ気がしたけど どこだろう。まさにこの時代にありそうな場面。 物語で重要な役割を果たす東京スタジアムその跡地は日光街道上り線千住大橋の陸橋で左の視界に入るのだが(ライフの看板が目印、通り過ぎる度にここがあの場所かと再確認する。 名選手榎本喜八もここでプレイしていたのかと感慨深い。そして現役引退後も上鷺宮の自宅からここまで走っていたのかと。

約1か月前

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我らが少女A

本作には合田雄一郎も登場するのだがあくまで物語の一部に過ぎない。少女Aこと朱美の母亜沙子の網膜に映る武蔵野はそのまま彼女の心情風景と重なる「線路沿いの、人けのない生活道路を無心に歩く。ふだん気に留めたこともない車返線の門型鉄塔をまじまじと眺め、ところどころ残された畑地の白菜や大根を眺め、地平線に横たわる武蔵野の雑木林の黒々とした帯を眺める。ブォーンという低い唸りが聞こえて空を仰ぐと、手を伸ばせば届きそうな高さを白と青のツートンカラーの小型機が横切っていく。目を細めてそれを見送り、亜沙子はふと、三十年近くも棲んでいる武蔵野の風景に自分と娘は含まれていないのを感じる。」P.47 調布飛行場を離陸する小型飛行機も本作では小気味良いアクセントとなっている。そして雄一郎が登場してから25年ほど過ぎた今「少し早いけど、Merry Christmas!」P.512に驚くとともにまだまだ世の中棄てたもんじゃないという希望も沸く。25年の歳月は人も変えていく。

約2か月前

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トリニティ

「新文化」豊崎さんの連載で気になった一冊。短大卒(正確には高校卒)の鈴子「高度経済成長を裏で支えていたのは、鈴子のような生活を支える女たちだ」、そう一見地味にみえた鈴子が最終的にはタフだった。国ぐるみの労働ダンピングで見せかけの繁栄を築いたが「女を馬鹿にするな!女は学生運動の飯炊き女じゃない!」と本来是正を目指すべき学生運動ですら本質は一緒。いつまで男は胡坐かいてんだ。そして読後、登紀子のモデルとなった三宅菊子の明と暗を書いた評伝を読みたくなった。

2か月前

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台風一過

「台風一過」植本一子著河出書房新社、この日記文学シリーズも4冊目。うちの本棚にも4冊目が並ぶことに。YouTubeおすすめで動画が出てくるの場面での下の娘さんが小声で耳打ちする言葉にはっとするというか心が揺さぶられる。挟み込まれる写真の光線の具合が良いな。

4か月前

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ミナトのせがれ

ハマのドンこと藤木企業会長藤木幸夫氏の自伝。コンプライアンス的に大丈夫なのか心配になる三代目山口組組長田岡一雄との交友も隠すことなく記してある。帯文は石原前都知事。このような清濁併せのむ人物がカジノ反対なのだから尚更説得力あるよね。カジノ不要! 漂白されすぎたのっぺりした町は息苦しくて窒息しそうだし福富町や伊勢佐木当たりの灰色より黒ががったグラデーションも生きていく上では必要だと思う。ただカジノは真っ黒すぎるしハマが潤うとは全く考えられない。 いまぐらいの黒さがハマには丁度良い。 「田岡のおじさんが港湾荷役で果たした功績を述べて葬儀の許可を求めたが、なかなか良い顔を見せてくれない。そこでムラゲンから教わった通りのことをいった。 「おのう、警察はお世話になった方に、お世話になったといっちゃいけないんですか」 「そんなことはありませんよ。世話になった人に感謝するのは当たり前のことです。」 間髪を入れず、私は畳みかけた。 「港もそうです。港はそれが葬式なんです。」 「じゃあ一件だけ許可します。」 新神戸駅の奥にある禅寺を使ってよいと、兵庫県警が私に許可してくれた。 「ただし、ヤクザが一人でも来たら、即刻、葬儀中止をかける」 全国船内荷役協会としてやるんだから一向に構わない。 「結構です」 私は喜んで応じた。本当にムラゲンのいった通りになった。以上の経緯で、田岡のおじさんの葬式が出せた。全国船内荷役協会葬だったから、清川虹子、勝新太郎、みんな喜んだ。山口組の葬式だったら花輪を出せないが、港の関係者の葬式だから大威張りである。神戸の市長、その他公職にある方々も大勢参列した。 田中清玄のおやじも、「いいことをしてくれた、いいことをしてくれた」と同じ言葉を繰り返して喜んでくれた。」 p.269~270 有隣堂伊勢佐木町本店5階にて購入。

5か月前

味の形 迫川尚子インタビュー

「味の形 迫川尚子インタビュー」食と人 vol.01 fermentbooks、ベルク副店長のインタビュー集。味覚が形となって表れる「共感覚」もしくは「構造感覚」の持ち主である迫川さんの感覚に迫る。内的なものを他者が理解するのは難しいが読み進めていくとこんな感じなのかなと想像できる。大麦と牛肉の野菜スープの写真がとにかくおいしそう! 滋養たっぷりそうで飲んだ後によいかも。

5か月前

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William Eggleston's Guide

ニューカラーを代表する写真家による1976年MOMAで開催された個展の図録集。アメリカ南部の日常風景を捉えた写真は当時モノクロ写真が芸術であるとの概念を覆したきっかけともなった。本書は見開きで左に地名右に写真となっており地図と照らし合わせると更に楽しめる。だだっ広い大陸と比例するかのような裕福さしかしどこか違和感を感じる不穏な空気感をこれ以上ない構図と色彩で捉えている。

6か月前

とめどなく囁く

父親より年上の資産家と再婚した塩崎早樹はかつて海釣りに出かけたまま失踪した夫がいた過去があった。 ある日元義母よりその夫を目撃したとの情報が入る。 死亡認定も出し、新たな人生を歩み始めた早樹であったが、区切りをつけたはずの過去が迫ってくる。そして新たな事実が次々と判明し失踪の謎に肉薄していく。 知っているようで実は全く知らない夫婦という赤の他人の恐ろしさ、地獄の淵から甦る「人間失格」的な独白に底なしの救いのなさと哀しみを感じた。 舞台となる逗子の母衣山はおそらく披露山をモデルにしたのであろう。

6か月前

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戒厳令下チリ潜入記―ある映画監督の冒険

「掃除婦のための手引書」ルシア・ベルリン著の一編「いいと悪い」に登場する共産主義者のドーソン先生が強烈な印象を残したので、チリとはどんな場所なのかと興味が湧いた。本書はその共産主義革命が一応合法な選挙下で達成された後クーデターが発生しピノチェト独裁政権戒厳令下のチリに反政府派の映画監督で自国から追放された映画監督が潜入するドキュメント。遠い昔かと思いきや日本では科学万博が開かれたバブル前夜の1985年の出来事。圧倒的不利な状況でも抵抗する人々の姿が逞しい。

3日前

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誘拐

吉展ちゃん誘拐事件に揺れる世間。本書はその世間の醜さも映し出す。誘拐に苦しむ被害者家族や支える人達に対するいたずらや脅迫だ。 「この種の脅迫者は自分を特定されない空間に置き、受動的な立場をしか選べない相手を、思いのままにいたぶる 闇の中の存在である彼は、そういうとき、普段は決して現わさない奥深くひそめた残忍さを、海中の発光虫のように、隠微に解放させているに違いない」p.204 人間の本質は今も昔も変わらないという事か。ネット社会の現在はより巧妙に更に奥深く広まっているのだが。

29日前

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オレの好きな48のファイトスタイル

第6代修斗世界ライト級チャンピオンにして理学療法士の著者は試合中に受けたダメージで急性硬膜下血腫により生死の境をさまよう。本書はそのリハビリ状況と共に始めたイラストと自身の競技人生を振り返る。 著者本人がリハビリ専門職ということもあり冷静だが暖かい文章と看護師である奥様のノートも読ませる。 リハの苦しさはあまり前面に出さず前向きにとらえる姿勢は流石チャンピオンというべきか、徐々に上達していくイラストも同様の症状を抱える患者さん の励みになりそう。医師、PT、OT、ST、看護師さん必読。 MMAのみならずラウェイ(ミャンマーの格闘技、ムエタイに頭突きを加え素手で殴りあう)で現地で戦い初めて勝利した外国人選手としても歴史に名を刻んだ名選手。 Fight&life創刊号での理学療法士になるまでの過程を追ったインタビューは良かった。

約1か月前

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待ち遠しい

若さゆえの想像力の欠如なのか弱さを隠すための突っかかりなのかさっぱり理解できない沙希を見守り、わかり合うことは無理かもしれないけどそれでも一緒に生きていこうとする春子とゆかりのまなざし。 物語は三世代に渡る女性の姿を描いている。物語の中心となる春子は自分と同じ就職氷河期世代、高度経済成長を経て繁栄を極めた時も知っているし今日の没落しつつある時代も知っているので俯瞰で見ることができる。時代の犠牲となったともいえるが想像力は養えた。自己責任という言葉の身勝手さも。 「どの年代にも、結婚しなかった人、子供がいなかった人、一人で生きてきた人 、一度は結婚したり子供を持っても離れなければならなかった人いろんな人がいる。その誰もが、仕事をして、ささやかな楽しみを見つけて、自分の人生を生きてきた。」P.211、本文中ここにグッと来た。想像力を働かせよう。ジャッジするのはやめようと。 ところで本書は大阪住宅小説ともいえるが、春子の住んでいる場所はどこなのだろうか。「地上を出てすぐ川の上を走る」「勤め先に乗り換えなしで行けることも大きかった。急行か準急で二十分ちょっと。」から御堂筋線で千里あたり?御堂筋線の地上に出て道路と並走するところが割と好き。少年ナイフのカバー曲で使われた発車メロディーも。

2か月前

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世間のひと

40年にわたり浅草寺界隈にいる人たちのポートレイトをとり続けてきた写真家による作品集。「社会が均質化して濃い人が少なくなった。だが人の森はまだまだ奥深い」p.221とあるようにこの本に登場する市井のモデルたちの濃度は時空を超越する。「腰から鍵束を下げる男2011」と「股引のズボンと足袋の老人1973」は年代を入れ替えても全く違和感がない。40年もと捉えるのか、たかが40年と捉えるのか。最近は後者に近い。時代は目まぐるしく変われど人の本質はそうは変わらない。

3か月前

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ユリイカ臨時増刊号(6 2019

内沼さんの寄稿「泡」と「水」という視点、「泡」を洗い流すための場所として書店が機能する、いわばハックされまくる日常からのアジールとしての役割を果たすと理解する。いかに「水」を与えられる場所になるのかこれからの書店が目指す道標の一つだ。更にハックされない場所としての書店を考えるときスタンダードブックストア中川さんの対談で出てきた立ち飲み屋併設の書店も面白い。立ち飲み屋は基本キャッシュオンデリバリーだからテクノロジーの入る隙はない。せいぜい店員にコイツの頼むのはいつもレモンサワーとマグロブツだなあと思われるぐらいだ。 奇しくも東西で同じような考えが出てきたことに偶然ではない必然を考える。 昨今立ち飲み屋の隆盛も(単に所得が低くなった可能性もあるが)皆さん、もうハックされるのに飽き飽きしているというかソフトなディストピアに嫌気がさしてるんじゃないかという気もしている。しかしアプリや端末で管理された立ち飲み屋があったらやだなー。資本系でありそうだが。フェイクはダメよ。

5か月前

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女たちのアンダーグラウンド

横浜は港町という特性から古くから様々なルーツを持つ人々を受け入れてきた。いや受け入れてはいないそこには差別を含む哀しい歴史もあった。その状況でも一歩一歩進んでいくこの町を本書は書いている。 黄金町ガード下に存在していた違法風俗「ちょんの間」は2000年代前半に行われた浄化作戦によって壊滅してその跡地をアートの街として再生を図っているが2019年現在、全く静かすぎる活気のない一帯となってしまった。行政がお膳立てしその意向に沿うものだけを認める官製アートの限界が如実に表れている。批評なき芸術は果たして芸術と言えるのか。もちろんプロパガンダ作品にも優れたものがあるとはいえそんなことを問いかけてくるハマの黄金町ガード下を今日もぶらりと通過。 補足すると地元の人もアートが最適解とは考えておらず 過渡期的状況とは捉えているよう。

5か月前

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新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?

個人店が生き残るにはいかにすべきか、本書は激戦区新宿駅で資本の力を入れることなく孤軍奮闘するベルクがいかに生き残ってきたかを綴っている。読みながらワクワクするオペレーションの醍醐味と実践的な利益率表は参考になる。昨今の商業施設に数多く存在するのっぺりしたチェーン店は一定のクオリティーと安心感はあるけどそればかりじゃつまらない。「書店に恋して:リブロ池袋本店とわたし」菊池壮一著晶文社にもあったけど定期借家法は資本の論理としては正解かもしれないが利用者の目線から見ると全く持って相容れない只々消費するだけの存在となってしまう危険性をはらんでいる。

5か月前

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冷血

遺されたものの哀しみが親友の「スーザン」及びボーイフレンドの「バビー」と殺されてしまったナンシーの愛馬「ベーブ」との触れ合いを通してひしひしと伝わってくる。 それは以下の場面だ。 競売にかけられる「ベーブ」に別れを告げるスーザン「「五十…六十五…七十…」セリの声がはかばかしくかからず、ベーブを本当に欲しがるものは誰もいないみたいだったが、やがてそれもメノ派教徒の一農夫の手に落ちた。彼はこの馬を耕作に使えるといって七十五ドル払った。彼が馬を柵囲いから引き出すとき、スー・キッドウェルは走り出た。彼女は手を振って別れを告げようとしたが、そうする代わりに、手で自分の口をおさえてしまった。」p.443 「ベーブ」の首筋に頬を擦り付ける「バビー」 「しかしバビーが貯蔵納屋の前を通り さらにその先の家畜囲いのわきを通ったとき、馬の尻尾がシューッとはねる音を聞いた。それはナンシーのベーブ ―亜麻色のたてがみと、すばらしいパンジーの花のような濃い紫色の目をした、従順な、年老いた、まだらの雌馬 ―だった。そのたてがみをつかむと、バビーは頬をベーブの首筋にすりつけた―これはナンシーのよくやっていた仕草だった。すると、ベーブはいなないた。」P.336

6か月前

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移民国家アメリカの歴史

移民神話から始まるアメリカの歴史、近代国家は個人や私的な団体から合法的な「移動手段」を収奪することによって誕生した。これは神話時代との整合性と矛盾することになりその姿はアメリカの持つ理想主義を掲げる民主国家と強欲な略奪国家の二面性と相似する。 本書では日系移民についても多く割かれているが、今日に至るまでの苦難の歴史と権利を勝ち取っていくたくましさには 胸を打たれる。しかし母国である日本での受け止められ方は下記の通りであった。忘れず心に刻む。 「四四二部隊出身で、日系人として初めてアメリカ連邦議会下院議員となったダニエル・イノウエが1959年に来日し、当時の岸信介首相と面談した際のものである。 イノウエが『いつか日系人が米国大使となる日が来るかもしれません』と水を向けると、岸首相は次のように語った。『日本には、由緒ある武家の末裔、旧華族や皇族の関係者が多くいる。彼らが今、社会や経済のリーダーシップを担っている。あなたがた日系人は、貧しいことなどを理由に、日本を棄てた「出来損ない」ではないか。そんな人を駐日大使として受けいれるわけにはいかない』。イノウエにとって、思いがけない屈辱的な言葉であった」(ETV特集『日系アメリカ人の「日本」』 2008年9月28日放送)」p.199

7か月前

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