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読んだなら、書こう、なるべくならば

読んだなら、書こう、なるべくならば

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コメントした本

セトウツミ 8

長い長い会話が続いた。全ては収束され、瀬戸と内海の物語は思いも寄らない場所に行き着く。見、聞きしてもスルー。そうだろう。しかし、見、聞き逃さず、拾い上げる「スーパースター」としての友。救いはあるのだ。 数多くの伏線が張られていたことに読み終えて気付く。ぜひ、一気読みを。そして再読を。人に貸したくなる漫画だ。そして、一度読んでしまったなら、手元に残したくなる漫画でもある。実際、僕はそうなった。人生初の全巻一気買いである。

3か月前

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ハイキュー!! 31

熱戦は続く。前巻の田中と言い、今巻の北、西谷と木下と言い、中年男たる僕の目の下を何度涙で赤く染めるのか。刻まれる言葉、行動。それらは今日今からの僕の活力となる。 読んでほしい。まだ若いと呼ばれる人達に子達にぜひ読んでほしい。そして、願わくば手元に残し、すぐ読み返せる場所に置いておいてほしい。必要とかではないかもしれない、けど、この漫画にはとてもとても大切なことがたくさんたくさん描かれている。

3か月前

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光

暴き出す、隠す、光。そして、島と海。女と男。 映画化された記事と音楽 ジェフ・ミルズ⁉︎の文字に俄然、興味が沸き、買い求め、読み始めたのだった。 だからか、かの四つ打ちの重低音が規則的に鳴り続けるかの如くページを進め、進む。好きではないが嫌いにもなれない登場人物達。やがて、彼らの到達する地点は想像に易いと言えば易い。 とは言え、何かスゴイものを読んだ。そんな気にもなった。 原作を読むと映画はいいや、となりがちなのだが、これは映画も観てみたい。

4か月前

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忘れられた巨人

記憶と忘却。記憶も忘却も私、貴方、彼、彼女による日常の営みであり、その記憶、各々の主観により様々に変容するそれら記憶は「事実」を「史実」に変える。 アーサー王という実在、不在が未だ解き明かされてはいない伝説の人物が亡くなってしばしの物語。 この物語、歴史の主観は誰のものなのか。語り部は?アクセル、ベアトリス、ガウェイン、ウィスタン、エドウィン、常に三人称の登場人物。最後の最後、唐突に現れる一人称。その存在。その役割。 示唆的な登場人物達と彼らの会話、行動は一読だけでは読み取れない意味が散りばめられている。いつかの再読必須。読み終えた誰かと語り合いたくなる一冊。

9か月前

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からくりサーカス 1

さあ、始まる。長い、長い冒険譚。遂に文庫化。 幾度も心を震わせ、そして奮わされてきたあの記憶。鳴海、勝、しろがね、そして数多くの光も影も濃く際立つ登場人物と人形たち。 歳を重ね、白髪も増えた。だけど、僕はきっと涙だって流し、そして、たくさん笑うことだろう。 既に次巻が待ち遠しい。

約1年前

トーベ・ヤンソン・コレクション 2 誠実な詐欺師

もう早、春に近しい今であるが、冬に読む本として毎年とは言わずとも繰り返しこの本を冬に僕は読む。 トーベ・ヤンソンは「ムーミン谷」シリーズで広く知られた作家だが、過去、放映されたアニメと巷にあふれるグッズによりどこか誤解されていることが多い気が僕にはする。彼女は画家であると同時に小説家である。 「ムーミン谷」シリーズはもちろん素晴らしい。が、このトーベ・ヤンソンコレクションシリーズを僕は推したい。 そしてその中でも特にこの『誠実な詐欺師』は怖ろしくも秀逸な一作だ。 カトリとアンナ、マッツと名もなき犬、彼らが過ごした一冬の共同生活。その中で起こる各々の変化は劇的であり、何とも心を乱される。が、同時に、それらは冬の深い雪に音を吸われたかのように、静かであり、乱された心を冷やし均す。 また、いつかの冬、この本を僕は読むだろう。

1年前

ジョージア・オキーフとふたつの家 ゴーストランチとアビキュー

ジョージア・オキーフとふたつの家。ゴーストランチの家とアビキューの家。それらは心身共に疲弊し、ついには病んでしまった彼女が移り住んだニューメキシコのたおやかな山々と砂漠、苛烈に変化する季節に囲まれた原地独特の壁と扉、そして、美しくも堅固な梁に支えられた屋根によって象られる。何とも素朴でありながら目を惹く外観。それは、そこに住まい作品を生み出す彼女。ジョージア・オキーフそのものに近しい。彼女は家の壁に大きく開かれた窓から、はしごをかけた天井から山々を、川を、空を、砂漠を、道を眺め、見出し、描き続ける。 オキーフとその作品について詳しく述べられるほど彼女のことを知ってはいないが、彼女の描く色数の絞られた抽象的な風景画、特に扉のシリーズにはとても惹かれていた。 本書にはそれら作品群の原風景となる写真と作品が並び掲載されており、思わず長く見入ってしまう。 端正に整えられた室内写真も数多く収録されており、建築写真好き、アーティストの部屋、現場好き?にも一見の価値あり。

1年前

なつみはなんにでもなれる

年末を終え、年始を迎え、足元があやふやなほろ酔い加減で立ち寄った書店で目に留まり、手に取ったこの本。 …完敗です。なつみちゃん。 あさり、にはもうおじさん完敗どころか、乾杯である。

1年前

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首折り男のための協奏曲

伊坂幸太郎は、誰かと話したく、語りたくなる小説を書く。 解説にもあるが、つながり、と、断絶にいつもながらほんろうされる。途切れるからこそ、つながりに目が向けられ、そして、そのつながりに、断絶によって生まれる謎めいた事ごとに様々な推測がよび起こさせられる。 首折り男と呼ばれる大藪と彼と容姿はそっくりなれど、性格はまるで違う小笠原。そして、時空のねじれの話。ああ、話したい。こうじゃないのかな?そうじゃないのかな?

1年前

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日本人の身体

日本人の、と前置きはあるが、決して讃歌でなく、懐古論でもなく。著者の「現代人は自分の身体を気にしすぎるのではないか」という疑問から発せられる様々な提議と、かつてこうあった、そしてそうあれるはず、にまつわる様々なヒントが散りばめられている。 昨今の若さ至上主義?を打ち出す各メディアに疑問符しか浮かばない40代に突入した自分にとって「花」という考え、見方はとても響いた。

1年前

火星に住むつもりかい?

「善良」な市民が有名、無名で叫び、告発する「偽善」と「悪」。それらは現実、テレビやネットといったメディアで私に見慣れた風景であり、改めて物語として読むと本当にムナクソワルイに尽きるのだが、だが、あえて伊坂幸太郎はそこにこだわる。こだわり、描き、問うている。自分に、読者に。 物語は終わるが、晴れやかな気分になりはしない。小説は現実を超えもするが、現実もまた小説を超えてゆく。暗たんたる気分になりもするが、それだけに終わらない光もまた残される。あとは、自分だ。ヒーローはいない。読了後、タイトルにうなずく。

3か月前

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ヤモリ、カエル、シジミチョウ

いつまでも、読んでいたかった。しかし、そうもいかない。季節は巡り、いきものたち、ひとも移ろい、変わってゆく。みにくいやうつくしいといった形容から離れ、ただそこここにいる、いないものとしてある生き物たちの物語。 たくちゃんのにっこりした顔(それは僕の想像するそれではあるのだが)が余韻として僕の頭の中に未だずっとある。はっぱと育美の愛には不覚にも涙した。

3か月前

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薬屋のタバサ

並ぶのはなじみのある言葉なのである。ただ、それらが文章として物語として、さざ波のようにこちらへ寄せてくる時、ひやりとした感触とともに、どこか見知らぬ場所へ飛ばされ、迷子になってしまったかのような不安、不穏におそわれる。ややも気色の悪い、今の今まで触れられたことのない箇所、自分でさえも気づいていなかったそこに手をそっと添えられたかのようななんとも言えない気色の悪さと驚きに、読み終えて後、私もまた「放心」させられていたのだった。

6か月前

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テリ・ワイフェンバック The May Sun

クレマチスの丘 IZU PHOTO MUSEUM における展示 '' the may sun '' の図録。 テリ・ワイフェンバック、初の個展。展示数は決して多くなかったが、何度も見返し後ろ髪を引かれるように、もう一度、もう一度と '' the may sun'' '' the politics of flowers '' 二つの展示室を行きつ戻りつした今日。 買って帰り、ホテルで眺め、また眺める今。手元に残せたこの一冊はもうすでに宝物である。

約1年前

離陸

離陸。彼、彼女達の突然の死と不在を掌にじっと握るうち、語り手たる佐藤弘、サトーサトー、イローはその比喩に到達する。 文庫帯文にある彼、佐藤本人の言葉にあるように '' 距離というものは、自分とどこかにいる人との位置関係にすぎないのではないか。相手がいなくなれば、二点のうちのひとつが消える。距離も消える。消滅する。'' サトーサトー、佐藤、イローにとって彼、彼女たちはいなくなったのではない。離陸したのだ。まだ距離は存在する。消滅などしていない。いつか近づける。そばに行ける。その願い、祈りは確かに胸を打つ。 のだが、のだけど。

約1年前

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ギケイキ:千年の流転

駆ける、駆け、巡る。早業である。町田康の文体がその加速度、疾走感を更に増幅する。 いわゆる、つづく。To be continued…な、本書は 「やっと会える。やっと兄に会える。」 と兄、頼朝に思いを馳せ、追う義経の誰にも見えないスピードで駆けゆく姿でひとまずの終わりを迎える。 この後の義経と頼朝の関係を何とはなく知ってるとゆか、教わったり、読んだりした知識でしかないが、知ってる聞いてる自分からしたら何だか切ない。が、これから起こる事に期待はあるし、ワクワクもする。 さぁさ、『ギケイキ』これより ハジマリ、ハジマリィ だ。

1年前

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不滅の書

文庫版にて「イモータル」に改題された本書。 immortal、すなわち不滅となり、受け継がれてゆく智慧とその媒体となる本にまつわる物語は時と場所と語り部を次々に変え、そして戻る。いや収束する。そこはかつてのインドであり、アレクサンドリアであり、パリ、東京である。 漠とした物語だと思う。どんな小説なの?と問われて、ストーリーを語ったところでこの物語の滋味は非常に伝わり難い。 だが、地に打ち伏した目を夜の闇と光る星に向け、「堂々としていろ」と背を叩かれる。すべての先達からその智慧を受け継ぐことを、何度でも顔を上げ、胸を張り、語り継ぐことを呼び起こされ、促される。それは確かだ。

1年前

第三帝国

第三帝国、かつてのナチス率いるドイツがうごめいた時代のヨーロッパを舞台にしたボードゲームとそのゲームのチャンピオンたる語り部ウド。 彼のバカンスの始まりと共に物語は動き出す。バカンスのためドイツ人である彼が選んだのは、かつて両親と訪れたことのあるスペインの土地、ホテル。 本来、開放的に日々の垢、澱を落とすはずだったその土地で彼は、またゲームのボードを開き目の前に戦争を展開する。 陽光あふれるバカンスの地において生っ白いウドの肌は異質を徴し、そして、ウドの対戦、また対話相手として登場する不穏な男〈火傷〉彼の肌もまた、その引きつりとかさぶたによって異質を際立たせている。 これは一体、何が起こりつつあるのだ?語り部ウドの心情同様にぼうばくとした不安を抱えながらも行き着く場所が予め分かっているかのような確信もまた握りつつ、読み進む。 読み終えて、しばらくこの物語の霧に未だ包まれたかのようでいる。妙な、ただただ妙な…今はまだそうとしか言えない。

1年前

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ヤマネコ・ドーム

混血戦災孤児、GIベイビー、括られ方は様々なれど戦争と占領により生まれた子供たちの半世紀。終着点は東日本大震災。 晴れた夏の日に落下する彼。溜め込んだ濁りを定期的に爆発させる彼。そして呪いのように浮かぶオレンジという色。 ここかしこに放射能という不可視の恐怖を思わせ、示唆する場面、キーワードが描かれる。 「なぜ?どうして?」ずっと問われ、問い続けてきた声に答えは無いままに終わる。 いや、終わってはいない。その問いは私たちが応え、また私たちが問い続けなければならない。

1年前

Xのアーチ

アチラと思えばコチラに。闇へ、光へ。黒へ、白へ。見失いそうになりながら、ようやくつかんだと思えば、もだえる、暴れる、震える、いななく。もう、ダメか。諦めそうになりながらたどり着いた火山の噴火口。そっとこぼれ、舞い、昇る名。 時間も、読む体力も確かに削られる。が、等しく、いや、分厚く塗り直される。それは否応なく。 スティーヴ・エリクソン。その幻視力、圧倒的。

1年前