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Shun

普段は帰宅後に、休みの日は散歩しながら、…

普段は帰宅後に、休みの日は散歩しながら、のんびり読んでます。

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コメントした本

珈琲が呼ぶ

コーヒーについて片岡義男が書いた文章はほとんどないのだという。これまで読んできた彼の文章にはほぼ全てコーヒーが登場した気がするが、確かに正面からコーヒーについて扱った文章はなかった、、、のかなあ。本書は随筆集。コーヒーそのものについての文もあれば、いつものようにコーヒーから連想される映画・曲などについての文や、あちこちの喫茶店についての随想もあり。1939年に発表された『一杯のコーヒーから』に服部良一と藤浦洸が込めた意図に思いをはせる『小鳥さえずる春も来る』、こういうレンズの向け方が片岡義男は実にうまい。

6日前

レッキング・クルーのいい仕事

60年代から70年代前半までのヒット曲を支えた演奏家集団についての本。錚々たる面々が登場。しかし本書の最初から最後に至るまで乱暴な台詞を吐き散らしながら痛々しい姿を見せ続けるフィル・スペクターの存在感にはシナトラさえも霞んでしまう。レッキング・クルーについては映画もあるけど、ミュージシャン達のインタビューで構成された内容はつまらないものでした。ミュージシャン達だけでは曲は出来ないのですよね。ではなにがスタジオで起きていて、なぜそれは永遠には続かなかったのか。終盤のセッション場面がそれを象徴している。

6日前

知性は死なない 平成の鬱をこえて

まず双極性障害当事者による手記として価値がある。また、一人の学者が大学や論壇の欺瞞、政治の混迷に対し真剣に悩み、自身の進む道を探っていく書でもある。2000年代に多量に出版された、文学や歴史を読み解く本のようにみせかけて、我々は弱者だ、で〆る類の人文書。「でも『だれが被害者なのか』ということは、なにかのはずみでくるっと変わってしまうじゃないか」。リベラルも保守も終わり、日本の大学に限らず「海外のトップ大学」も含め大学自体の社会的な意義が問われるなかで、どのように生きていけばいいのか。極めて誠実な思索の書。

6日前

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かたり

折口信夫は「伝説の研究の表現形式」として『身毒丸』を書いた。その意図とは?〈むか(向)し(方向)〉と〈いま〉との間には反復不可能性がある。〈はなし〉は目前に聞き手の注意を向け、〈かたり〉は当面の問題と無関係なのでと緊張を緩和するというヴァインリヒ『時制論』からの引用。続いてヤコブソンの理論とヴァインリヒの理論との融合。科学の体系も詩の範疇に取り入れられるという著者の意見が述べられた後に、折口は〈かたり〉をめぐる問題状況を先取りしていたと締めくくられる。コミュニケーション態度の問題を扱った本ともいえるかな。

6日前

LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門

他者を傷つけぬためには正確な知識が大切というところまでは同意。しかし〈セクシュアルマイノリティをそれぞれの特徴やニーズに応じて分類した地図〉に人々が習熟し、そして更にその地図の問題点を考察していくような、そこまでの水準を人々に求めるのは?大森貝塚の古代人は東京生まれというアイデンティティはもってなかったろうという話のあと、同性愛という言葉は百年ほど前に生まれたのだからそれ以前には同性愛は存在しないというのも?その二つは同列かなあ。本書中で反論されてる意見をあえて書きますが、用語にこだわりすぎだと思います。

約1年前

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中世の古文書入門

2013年に歴博で開催された企画展示の書籍化。内容を読み込んで初めて面白さがわかる寺社や村などの文書とは違い、中世の武家の文書は見た目だけでも面白いよ、と図版で紹介してくれます。義経、尊氏、信長等ビッグネーム揃い踏みです。朱印だけで済ませサインをしないことで相手を見下していることを伝えたり、一揆をするにあたって署名はするけど実は全面的には賛成しないぜという態度が書き方からわかったりという・・はあー、人間関係のごたごたって昔も今も変わらんなあ。見た目だけでも面白いと言われても内容も知りたくなっちゃいます。

1年前

調査されるという迷惑―フィールドに出る前に読んでおく本

フィールドワークの心構えをまとめた本。著者の安渓氏が若い頃に影響を受けたという宮本の『調査地被害ーされる側のさまざまな迷惑』が第一章に引用されています。地域調査は多くの場合、中央の権力が地域から文化を略奪する結果に終わる、ということが繰り返し説かれます。民俗学者らの「バカセ」だけでなく作家、写真家なども同罪だとされてます。他の職業でも同じようなことありそうだな。自分の場合だと症例報告書くときのためらいに近いと感じました。「おれたちをだしにして金をもうけるきか、博士さまになるきか!!」。心に留めておきます。

1年前

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石の虚塔: 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち

旧石器捏造事件を取り上げたノンフィクション。事件をストレートに取り上げるのではなく、岩宿遺跡に関わった相澤忠洋はじめ各氏の人生を辿ることで、考古学界自体に特定の人物を神様扱いしてしまう傾向が元々あり、それが捏造事件発生の根本にある、と主張されています。気になったことが一つ。事件の中心人物が抱えているとされている障害について嘘と断じ「怪物」とまでお書きになっていますが、こういう言説は当否関係なく、これまで繰り返されてきた障害者差別そのものです。部落問題については熱心な方の著作だけに残念でした。

1年前

更級日記―現代語訳付き

少女が憧れの源氏物語にうつつを抜かし、気がついたら時は過ぎお婆さんになっていた。思えば現実世界の様々な事をおろそかにしたものよ。あんな作り話なんかに耽溺しなければもっと違った生き方が出来たろうに、と悔いつつ今更物語中毒から抜けられない、という話と読みましたが、解釈は様々でしょう。解説では仏教への傾斜が強調されてますが、書かれた時期を考えるとそれを強調するのはどうかな。上総から京への紀行文としても楽しめます。

1年前

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実況・料理生物学

阪大の一年生向けに行われていた講義の記録。著者の専門は神経生物学。『焼肉の生物学』は学生時代の解剖学講義を思い出しました。コラーゲン食べても飲んでもお肌すべすべにはなりませんよという話も、教室で何回も聴いた覚えがあります。学生達にわかりやすくする為、多くの先生が講義で使う手法なのでしょう。それにとどまらず、文理の壁を行き来するエピソードを随所に挟んでいることがこの本の特色です。レイチェル・カーソン『沈黙の春』がDDTを告発した功罪。ベーグルの製法に籠められたユダヤ精神。科学史の本としても面白く読めました。

1年前

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保守の遺言:JAP.COM衰滅の状況

ガンディの非暴力不服従に心の奥底では共感しながら、日本は核武装をすべきだと述べる。西部邁は、いつもこんな具合だった。ん?どっちなんだこの人?と思いつつ読み終わり、なんかもやもやする。そういう文章を書く人だった。初対面の人にいきなり「私はあなたを許さない」「元全学連なのに東大教授になったから」と絡まれたり、苦い思いを散々されたようだ。雑に読むとそういう受け取り方になるのだろうか。政治とは割り切れないものだろう。論じ方も割り切れなくて当然ではなかろうか。自裁の六日前に書かれたあとがきをもって本書は閉じられる。

6日前

古文書返却の旅―戦後史学史の一齣

1949年、日本常民文化研究所月島分室にて始まった、全国規模の漁業資料館を設立しようとするプロジェクトは、あえなく5年で潰えた。その時各地の漁村から借用した文書は、リンゴ箱に詰め込まれ死蔵される。時が経ち1980年より18年の歳月をかけ、著者は各地へと資料を返却し続けていく。罵詈雑言を浴びせられるのを覚悟で再訪した家で思いがけぬ歓待をうけるうちに、各地の歴史や民俗を著者は再発見していくことになる。分野に関係なく研究倫理の書としても読める。人を対象とした研究に協力して下さった方には誠意を尽くさねばならない。

6日前

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心臓の力 休めない臓器はなぜ「それ」を宿したのか

著者らが報告したNNCCSについての概説書。心臓は自律神経によって支配されている。自律神経には交感神経と副交感神経があり、かつては交感神経の作用をより強化する強心薬開発が主流だった。最近はβーブロッカーを使用し心機能を更に抑制する治療法に向っている。副交感神経からはアセチルコリンが分泌され、交感神経由来のノルアドレナリンと拮抗して心筋細胞の死滅を防いでいる。しかし心臓には交感神経終末より副交感神経終末の分布が少ないので、単純に考えるとアセチルコリンは足りなくなってしまうはずである。そうならないのはなぜか?

6日前

日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」

復刊。最近話題の呉座勇一による解説は、網野がいかに学界から冷ややかな視線を浴びて死んでいったかを淡々と述べたあと、彼の後期の学説を進化とみるか退行とみるかを読者に委ねています。収められている小論『中世の音の世界』。太鼓・ひょうたんなどの楽器が当時果たした役割のほか、風聞・うわさ(コミュニケーションがもたらす負の側面であるこの現象、非常に最近関心があります)、高い声を出すことが狼藉とされていた理由などが述べられていて、ああ、これ、ものすごく大事な話だ。学界の評価なんかどうでもいいや。

約1年前

差別の民俗学

1932年に雑誌で中里龍雄が投げかけた「もぐらの嫁さがし」についての問いに熊楠が応答。収められた書物によってそこから導き出す意義の取り方(天の定めた分際を越えるなとか)が異なる民話であることを指摘。その後赤松が特殊部落史を引用しつつ、階級社会を維持するために支配階級が輸入し広めた民話であり、昔ばなしとはそうした性格のものだと続けるあたり、圧巻です。こういう流れ、後からそれぞれの著書で部分的に読んでもわかりにくいんですよね。やりとりを全て収録してくれてるおかげで、当時の誌面に展開された議論を堪能できました。

約1年前

歴史のなかの大地動乱――奈良・平安の地震と天皇

八〜九世紀に続けて起こった地震・噴火を当時の人々がどのように捉え対処したかが述べられます。当然自然科学ではなく神話によって捉えられたのであって、不遇の死を遂げた者たちの怨霊やモノノケにより大噴火が起こり、蛇の群れが川を流れ下り洪水を起こし、祟り神達が疫病や飢饉を引き起こします。怨霊を慰めるような形で災害に対応した当時の人々は愚かか。否。祖先達は神話をツールとして自然災害に真剣に向き合っていた。現代人は祖先達よりも優れた自然観を本当に持っているか。「天を蔑」して思い上がってるのではないか。

1年前

観光―日本霊地巡礼

絶頂期の中沢新一とYMO散開直後の細野晴臣による、神社巡りをしながらの対談集。天河大弁財天社に始まり北口本宮冨士浅間神社までの巡礼です。文庫版語り下ろしの場は諏訪大社。中学校の図書館で、当時ファンだった細野さん目当てで読み耽って以来の再読です。円盤、ゼビウス、カスタネダ、ガイア。ああ、すごく80年代オカルト・・・。途中で記号論の方法論が否定的に語られ、それに対する希望としてフラクタル理論が挙げられる箇所がありますが、この辺りは今読んでも引き込まれます。霊地に行くのは物見遊山感覚がいいよ、というのも共感。

1年前

浄のセクソロジー

南方コレクション全5巻のうち、一番最後に残しておいた巻。読むの勇気がいりました。セクソロジー研究とありますが、実質古今東西の猥談を縦横無尽に引用し「飯も雪隠行きも忘れるほど面白くなる」文を書いてやるぞワハハハハというノリノリの南方先生、の巻です。後半の岩田準一宛て書簡集では、男色研究の後輩である岩田を叱咤激励する熊楠の姿勢に胸を打たれます。書簡中で柳田國男は激烈に批判され「気骨の乏しき人で、深く博く事物を研究せず」と容赦無くコテンパン。「この人のが暁斎の次」と太鼓判を押す川島草堂の狂画、観てみたいなあ。

1年前

魯庵随筆 読書放浪

生後一ヶ月にして上野戦争の銃弾を浴びた魯庵にとって、銀座はモダーンな気になる街である反面、「薄つぺら」な街でもあったようです。読書とは最新の時代に触れるためのもの、古書を珍重するは死んだ読書と書く一方で、「古きを生命とする」集古会の面々と古書に耽溺しています。最新の街並みや書籍も楽しみつつ、その浅さも見通し、江戸文化との行き来を意識的にしているスタイルに共感を覚えます。せっかく本を読むのだから現代にも過去にもとどまりたくはないな。「東西愛書趣味の比較」は古今東西ペルシャにまで及ぶメディア史で圧巻。

1年前

測量野帳スタイルブック

濡れや汚れもなんのその。立ったままでもしっかりかける硬い表紙。優れた携帯性。しかも安価。仕事場でも私生活でもすっかりお世話になっている測量野帳。ですが、測量士では無いので、本来の用途を離れた使い方をしていることにやや後ろめたい気持ちも持っています。このムックにはほんのちょっとですが、本来の使い方の解説が載っていて、測量士さん達からすれば噴飯ものでしょうが「おおお!」と感じ入るものがありました。後半は測量士さん以外の多様なユーザーの使い方が紹介されてます。台所の上からクリップで吊るす使い方、アリだな、これ。

1年前

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