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ただのさる

水とお茶を摂取して楽しく生息しております…

水とお茶を摂取して楽しく生息しております。

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コメントした本

岡上淑子全作品

違和感があって、違和感がない。 海に突き立てられた鋏、切り落とされた胴体から伸びる獣の角、リンゴを持つ巨大な女の手を見る群衆…。それらはこの世ならざる者でありながら、空虚さはなく作品として確かに存在している。 コラージュの美しさは、パーツを切り取り組み合わせていくという、一種拘束されたルールの上で解放され成り立っていることにあるのかもしれない。

9か月前

アンドロイドレディのキスは甘いのか

タイトルが大変魅力的だったので、手に取った。 知性と心は人間が持つ煌めきである。 AIを題材に採ったこの本は、柔らかに人間について語りかけてくれる。AIを人間でない知性あるものとすれば、自然人間を人間たらしめる要素について考える必要が生まれてくるわけだから。記憶量や計算力を知性と捉えれば、人間は既にAIには敵わない。 さて、アンドロイドレディは人にきっと好意を示してくれるだろう。そうプログラムされればの話だが。美しい容姿、慈愛溢るる性格、あなたをやがて好きになることも全て設計できる。そのキスを甘いものと捉えるか、紛い物と捉えるかは個人の心次第なのかも。

約1年前

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宇宙への秘密の鍵

まさしくタイトル通りの本。遥かな宇宙の不思議へ、子どもに寄り添う父親のように、ホーキング博士と娘さんのルーシーが連れ出してくれる。 宇宙は遠いようでいて、その扉を開く鍵はこんな風に自分のすぐ傍にあるのだ。私の場合は、午後の風が吹く図書室にあった。 そしてこれからも傍にいて、宇宙へと目を向けさせてくれる、大人になった今でも楽しめる入門書である。 鉛筆で書かれたような分かりやすいイラスト付き。

1年前

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溶ける街 透ける路

世界にラインを引かずに、飄々と歩いていけば、こんな感じになれるのだろうか。

1年前

虐殺器官

文章のスピードが速い。普通ならきつすぎて読めたものではない程速いのだけど、破綻させず目を離させないのは作者の才能だと思う。溢れでる知識と膨大な風景描写、記憶の欠片、思考の羅列に心を掻き乱されたい人はぜひ読んでほしい。

1年前

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橋の文化史―桁からアーチへ

橋はその役割から、取るべき形など一つしかないと思うのだが、そのたった一つを求めるために多くの時間と、才能と、資源を必要とした。文化は橋によって運ばれ、橋をデザインしていく。

1年前

ホテルカクタス

この本の魅力は、開けばすぐにホテル カクタスの階段の、静かでちょっとひんやりした空気を味わえるところだ。

1年前

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脳のなかの幽霊

患者の病態は滑稽でありながらも、常に哀しみを纏っている。

1年前

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夜間飛行

サン・テグジュペリは刹那的な人だなと思う。 そしてフランス語を翻訳した本は大概、きらきらとしていて、炭酸水みたいに微かで連続した刺激が続く文章だと思うのだが、これはフランス語だからだろうか。それとも訳者のお陰なのか。

1年前

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春になったら苺を摘みに

柔らかく、冷静に語られる留学先での生活は、優しい人々に囲まれた豊かなものだったことが窺える。 だがその中に不意に差し込まれる悲しみーー差別や暴力、テロといったーーも平等に語られているから油断できない。 そしてあくまでも同じ目線から、両者を扱おうとする筆者を尊敬する。

1年前

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オペラの終焉: リヒャルト・シュトラウスとの夢

19世紀、西洋音楽にとって最も幸福な時代に、オペラは大衆への娯楽性と新しい表現を開拓する芸術性を両立する存在だった。けれど、20世紀から徐々にオペラは大衆にとって“娯楽”ではなくなり、少数に受け入れられる“芸術”としての側面を追求するしかなくなった。そして現在の、伝統文化としての“オペラ”に繋がる。 この本ではその境目に生き、奇しくもオペラ最期の光を生み出してーー遂には20世紀に追い越されてしまった作曲家シュトラウスを通して、一つの偉大な文化の終焉を見ることができる。 オペラの終焉と題にはあるが、文化のありように大差はないだろう。現在の映画やアニメ、漫画もまた、このような終わりを迎えるのだろうか。

約1年前

ニューロマンサー

自分の想像力を超えて描かれる電子の世界。 もちろん電子の中だけが魅力の小説ではない。退廃的な千葉シティの描写など、現実世界の閉塞感も執拗に書き込まれている。 ブラウン管の砂嵐のような現実の都市と、電子の虚構の世界が交じり合い、調和している。 こりゃあ、攻殻機動隊やその他SFアニメ、映画の原点の一つとなるわけだ。

1年前

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海潮音―上田敏訳詩集

翻訳文学は、原作者と翻訳者が練り上げてつくっていく分野なのだと思う。原作者にその意識はないにしても。 上田敏は詩人の(原詩は読めないので推測だが)軽やかで瀟洒な言葉を、重厚で典雅な文体でもって彩り、万華鏡のように複雑で見飽きない輝きを与えてくれたのだ。 翻訳ものを読むと、原著で読めないことを歯嚙みすることがあるのだけど、この訳詩集は違う。外国で生まれた詩を、舌で転がすようにして日本語で味わえる。その出会いに感謝してしまう。

1年前

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被災弱者

災害は過ぎた。ではそれから? 一度破壊されたコミュニティや暮らしを再建するにはどれほどの労力が必要なのだろうか。見えないものこそ重要であり、すぐに再生するものではない。目に見える“家”ですら、再建の見込みが不確かなのに。 だが世間は被災がある程度落ち着いたことに安心し、支援の手を引いていく…。これは“四年後”の話。私自身、反省することが多い。

1年前

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

ミステリィに分類されなさそうなミステリィだと思う。だが様々な謎が絡み合い、終着していく見事な構成は、確かにミステリィか。 取り残されたクラシカルなシステムの街を、効率化された近未来の都市から来た主人公が観察する。 この人の目は、女王の街を通り越して現代社会まで見つめているようで、どきりとする。

1年前

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絵本を抱えて部屋のすみへ

愛しているものは皆、過去の記憶と分かち難く結びついている。絵本などその最たるものではないか。 江國さんの文章には至るところにものへの愛が吹き込まれていて、こちらまで幸福になっていく。愛しているものの記憶を取り戻していく。

1年前

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木材と文明

木材を物差しに、人類史を俯瞰した印象。 木材はエネルギーであり、工芸品であり、建築材料であり…。

1年前

先祖の話

祖父のお墓をつくるときに、その業者の方と本の趣味が合って紹介された本。失われつつある文化を文字は保存してくれる。

1年前

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

もうすぐ絶滅するという紙の書物について彼らが話すかと言えば、そうではない。さっさと結論を出しそれよりも、と、自分が一番語りたい事を好き勝手に言い散らかしている印象。だからこそ、絶妙なバランスで緊張感、蔵書自慢、喪われた本への敬意、チャーミングな二人のお人柄が合わさっていると思える。

1年前

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タラチネ・ドリーム・マイン

魅力的な言葉がページをめくるたびに舞い込んでくる。音や文字のかたち、内容どれをとっても素敵な物語が12編。

1年前

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